集落の山に入る道路保全の大切さ

森林環境を保全するための国規模での新税制度が導入され、税施行を先取りしての予算措置がとられるようになりました。

こうした制度活用をふくめ、森林を保全・活用するための事業をこれまで村は精力的に進めてきています。村を訪れた方々が、「この村の林は手入れがよくされている」という感想をよく聴きますが、それはこうした森林政策がよく施されているからでもあります。

林を育て守り活用するためには、そこへ向かう林道、作業道などの整備が大事です。村や集落では、こうした道路の保全にとりわけ力を注いでいます。

写真の林道は、10数年前でしょうか、ある補助事業でつくられた林道兼作業道のような道路をきれいに刈り払いした跡です。手入れがされずそのままにしておくと、林道はたちまち草と木に覆われ車が通れなくなってしまいますが、こうして刈り払いがされれば多額の税金を注いで造った道が復元され利用しやすくなります。

集落の主な沢に張り巡らされている林道、作業道は、林業のための道だけでなく農業も含め地区の人々のくらしに欠かせぬ道となっています。最低1年に一度、夏期までにはこうした道路の草木を刈り払うなど管理をしっかりするのが村の務めであり、新税はこうした保全に大きな役割を果たすでしょう。荒れた道が刈り払いされてきれいになった写真の道路は、そういう務めの大切さを何よりも物語る一つの証です。

初冬のキノコたち

「もしかしたら今シーズン最後となるのかな。雪が積もらぬうちに」と、自宅まわりを夕方に散策。草木の落葉がすすんだこれからは、実の美しさが際立つノブドウがよく目に入ります。

散策の目的はもちろん初冬のキノコたちの観察。

立冬を過ぎた季節の主役はユギノシタキノゴ(雪の下キノコ・エノキタケ)。黄金色なので、日が短くなった夕刻の薄暗さのなかでも、傘はピカピカの輝きです。

エノキタケが好んで出る柳の木には、トヂナメラコ(栃ナメコ・ヌメリスギタケモドキ)も顔を見せています。

初冬のキノコといえば、「私も加えて」といいたいような姿をしているのはヤマドリモダシ(クリタケ)。それにムギダゲ(ムキタケ)。いずれも流木に発生したキノコたちです。

同じように深山から流木となって川原に横たわる朽ちたブナの幹には、ナメコもまだまだ健在。流木には、ナラタケの最晩生も見られます。

我が家の食卓を何ヶ月もの長い間楽しませてくれたハタケシメジも、やはり最晩生がニョキッとしたいい形で株をつくっています。草木の葉っぱがなくなっているので「おやっ、こんな所にも」という具合でキノコを見つけることができるようになっています。

冬支度後のちょっとした家周り散策で手にしたキノコたちは早速台所に運ばれ、夕餉そして朝餉と、キノコ、キノコ、キノコを楽しむ日々が続いています。

さて、終わりは毒キノコです。昔は食べられたそうですが、今は毒キノコ扱いされているツチスギタケとハイイロシメジの仲間は大発生(最後の写真4枚。黄色いササクレのあるキノコがツチスギタケ、白いキノコがハイイロシメジの仲間)。

ハイイロシメジの仲間など、香りも良し、口に含んでみればほどよい甘さもあり、おいしいキノコに違いなくもったいないですが、中毒事例(体質によって)があったと図鑑やガイドブックに記されています。晩秋から初冬に見事な菌列をつくって発生するので、眺めるだけでも充分に楽しめるキノコではありますが。まことにもったいなし、です。

大わらわの冬支度

根雪となる前に済ませてしまわねばならないことがあるわ、あるわで、きのうとおとといは、行事の合間を縫って冬支度に集中しました。

まずとりかかりの最初は、燃料となる薪を納屋へ入れる作業。それを終えたら今度は家屋や農作業小屋の冬囲いです。

合間をみての作業なのですべてを終えることはできず、冬囲いもまだ少し残し、二つの池の泥上げ作業もこれからです。

今日から週末までは都内での活動です。予報は14~15日に雪マークをつけましたから、今年は、里への初雪が降った後に冬支度を終えるという、我が家だけは「始末の遅い」11月となりそうです。

中央要望と首都圏なるせ会総会

今年の中央要望活動は、例年にないほど温かなお天気が続き、各省庁や議員会館への屋外移動の歩きも快適な気分で行うことができました。

都内、とりわけ東京駅、皇居周辺、国会と議員会館周辺は、天皇の祝賀行事が9日~10日にかけて行われるためにいつもとちがった光景、いつもとちがった人の動きが多くなっていました。警視庁だけではなく「福井県警」などという制服着用の警官も見られましたから、警備の方々も全国から集められているようでした。

要望行動は予定通り進み、財務省、総務省、国交省、そして衆参各国会議員事務所、総理官邸では菅義偉官房長官へと、要望書を直接届けました。

今回も、みのり川国交副大臣と事務所のみなさんには、様々なご配慮やご案内で大変お世話になりました。この場からもあらためてお礼を申し上げます。

▼8日はいつものように首都圏なるせ会へ。31回目の総会は会場確保の関係で平日の開催日となったためか、いつもより参加される方がやや少なかったようです。

しかし、懇親会となればあの広い砂町文化センターの会場は例年と変わらぬ大にぎわいに。地区、同級生、知り合い同士の各テーブル、身内同士の席などでの楽しい語り合いが、あっちにもこっちにもと見かけられました。ゼンマイ、サグ、ワラビ、納豆汁、カスベ煮、いぶりがっこ等々の郷土料理を食べながらの懇談は、あっという間に過ぎてしまいました。

帰りの車窓からは頂を白くした岩手山が西日をうけて輝き、奥羽の脊梁を抜けたら、積雪前のたんぼのあちこちに白鳥たちが舞い降りていました。立冬を過ぎた雪国では、いよいよ初冬の風を肌が敏感に感じ取る季節入りです。

▼10日は、残していた冬支度のひとつ「薪入れ」作業に手をかけ、作業を途中にして東成瀬中学校第19期会の懇親会が開催されるホテルブランへ。

今年は椿川の方々が古希を祝う同級会を夏に行ったばかり。加えて19期会の今年の当番幹事が椿川ということで、椿川のみなさんはいわば二度目の「同級会」ともなったわけですが、みんなで20人を少し越える参加で楽しく食事と語り合いの時を過ごすことができました。なるせ会でも同じようなシーンが隅々で見られましたが、同期、同級生とはありがたいものです。

明日からまた都内へ向かうので、今年は里に雪が下りないうちに冬支度を終えることは無理のようです。自宅まわりに育つユギノシタキノゴ(エノキタケ)は、寒さが厳しくなるほど菌の生長がうながされるらしく、立冬を過ぎたらキノコはたちまちのうちに大きくなり、黄金色の傘もピカピカ。寒くなったら傘の輝き色もひときわ増してきたようです。

焼石連峰の三界山など村からのぞむ主な山々は雪化粧が続いています。集落でも、お隣山内・三又境のブナ林まで落葉が終わり、ヘビ、カエル、アネコムシ(カメムシ)たちも立冬を過ぎたらほとんど冬ごもりに入りました。週末には里への初雪も予報されていますから、キノコだよりが綴れるのも根雪になるまでのあとわずかでしょう。

初冬のカオ役、雪の下キノコも登場

6日、7日は村と議会合同での年に一度の中央要望活動へ。

財務省、総務省、国交省と総理官邸、県選出や出身、県に関係する議員さんの衆参議員会館事務所へ村の要望を持って回りました。一行は、村長と6人の議員、担当の総務課長と建設課長、議会事務局長と建設課職員です。

今日は都内滞在3日目で、首都圏なるせ会の総会へ向かいます。今年は、会場確保の都合で平日の開催の総会となりました。創立30周年の記念集会の年でもあります。後に、要望活動の模様や総会の様子をお知らせいたします。

▼出かける前の5日の夕方、自宅まわりの散策で目にした晩秋のキノコたちです。

強い霜が降りるほどに冷え込んできたので、そんな冷気を感じてユギノシタキノゴ(雪の下キノコ・エノキタケ)が顔を出し始めました。

晩生のサモダシ(ナラタケ)も、最大級の大きさに成長しています。傘も茎も大きいので2~3本もあれば、家族みんなで味噌汁にして味わえる量になります。

そばには、ナメラコ(ナメコ)や、ヤマドリモダシ(クリタケ)も食べ頃盛んの姿で見られます。ナメコは小さな粒がまだいっぱい見られますから、根雪とならなければエノキタケとともにまだまだこれからも楽しめそうです。

最後の写真は猛毒のニガクリタケです。こんな小さなかよわいキノコですが、過去には悲惨な死亡事故(家族そろって中毒)の例が幾度かあると警告されている恐ろしい猛毒キノコです。色も、写真のような色だけでなく濃淡様々。大きさも様々です。クリタケやナラタケと並んで発生している姿も時に見られますから、よけい間違いやすいのでしょう。噛むと苦いそうですから、そういう時はとくにご用心です。

初冬の須川高原

4日、「落葉の終わった景色を見よう」と久しぶりに須川高原まで上がりました。

5日正午で国道が冬季閉鎖されたため、この日は今年最後の高原行きです。途中、ビューポイントから落葉の終わった東山をまずはながめます。この日は頂きに雪は見えませんでしたが、その夜から翌日朝にかけて初冠雪ラインは東山頂きまで下がり、焼石連峰も大森山や蟻巣山まで初冠雪となりました。

3日夜からの冷え込みで、栗駒山や秣岳の頂きは一足早くうっすらと雪化粧していました。暖かだった今年は、これが栗駒の初冠雪だったのでしょうか。時折の陽射しに雪化粧が反射して、晩秋、というより初冬の風情がいっそう印象深く目に映りました。

この日の高原行きのお目当ては野鳥の森の散策。湿原の池塘に植生しているヒツジグサの草紅葉をながめようとしたのですが、もう色づきの盛りはとっくに過ぎていました。

それでも、落葉の終わったブナとヒメマツ(キタゴヨウマツ)の緑、池塘と草紅葉の初冬景色眺めには満足。この3連休は、すでに紅葉は終わっているものの高原の温泉を訪れる方々がとても多かったようです。あの大自然の雄大さをながめながらの露天風呂入浴や食事、ドライブの快適さをみなさん体験しているから、きっとそれで車を向けるのでしょうね。

須川高原の温泉施設も5日の国道閉鎖にあわせて今シーズンの営業は終わり。来年の4月末まで、高原はまた長い冬ごもりに入ります。

淵に閉じ込められた魚観察

我が家のまわりの小さな沢や成瀬川は渓流魚たちの宝庫。

秋になって水が細くなると、それまであった川筋の地上の流れが見えなくなり、所々の淵にあった流れの入り口とはけ口の流れふたつが閉じて、川原の底を伏流水が通るようになります。

そうなると、大小の淵に渓流魚たちがとりのこされてしまいます。11月末頃の雨天続きで川が増水するまでの間は、池のようになった淵にしばらく閉じ込められてしまうのです。この頃を見計らい、童を連れて淵に生きる魚観察に出かけるのは楽しいもの。いわばそこは自然がつくった浅くて小さな池となります。

4日に訪れたそんな淵で童らが歓声をあげたのは、500匹ほどはいるとみられた今年夏に産まれた大きさ3~4㌢のウグイやアブラハヤの子たち。童らが長靴で入れるような小さく浅い淵、淵といっても池のような狭いところに小魚が群れをなしているのです。魚たちは上下流の流れが完全に閉じている淵(池)なので、どこにも逃げられませんから観察にはうってつけです。

小さな淵ですが、ちょうど海や水族館でアジなどの小魚が大群となっているあの様子に似ていて、その群れは大きな魚がいるようにも見えます。淵にはやはり取り残されたヤマメやカジカも見られます。

童らは魚をながめ、成瀬川の本流の淵で石投げをしたり、砂に絵を描いたりして、これからは日が経つごとに少なくなる晩秋の陽射しのひとときを過ごしました。

ピロリ菌がいなくなる

9月、胃腸内のピロリ菌を除去するための薬を処方されていました。この1日にその結果を検査していただき「菌はきれいになくなっている」という診断が出ました。

吐いた息を調べるだけで菌があるかどうかがわかるのですから、これは検査を受ける側としては楽。医師からは、「菌はなくなったが、胃の検査はできれば1年に一回はしておいたほうがよい。2年に一度でもいいだろうが」という言葉をいただきました。何事も予防への心がけが大事というわけです。

▼今週と来週は二度にわたって都内でのやや長い活動があり、「今のうちに」と、連休は冬支度の日々となりました。2日は自宅花木などの冬囲いや生活用水路の草刈りと掃除。車のタイヤも「10日あたりには雪かも」という予報が出たので冬用へ交換。89歳になる母は、取り残していた野菜の最後の収穫です。

3日は部落の共同作業。わが組は公園の掃除や遊具、植え木の冬囲いです。わが東村地区のほかの方々は、部落の冬のくらしをささえる用水路の草刈りと清掃を行い、流雪溝や池などに使われる水の通りに支障がおきないよう万全の備えが終わりました。集落で管理する神社などの冬囲いも終わり、これで豪雪に備えるための共同作業はすべて済みました。おそらく、村内どこの集落でも同じような共同作業が来週頃までには終わるでしょう。

そんな合間も、自宅やたんぼまわりで晩秋のキノコたちにもご対面。まずは、自宅の植木のなかで見られたムラサキシメジ。シメジ類が不作の今年ですが、ハタケシメジとムラサキシメジはよく出ているようです。

家のすぐ裏手では、晩生のラグヨウ(落葉・ハナイグチ)が、数はほんの少しですがまだ食べ盛りの姿で見られます。晩生の個体は、傘の色が濃いカネ色をして茎も太く、味も優れています。これは多くの種のキノコや植物などにもいえることで、晩生種は「モノがいい」のです。ナメコもいま採れるのは、味も形も色も、モノが最上級品。マイタケも「霜降りミャゴ」といって、晩生種は高級品です。晩生にいいモノが多いというのはナゼなのでしょうね。言葉は違いますが、人間社会にあてはめられる「大器晩成」という表しとも趣はやや共通しています。

自宅周りでは、ムギダゲ(ムキタケ)やヤマドリモダシ(クリタケ)も真っ盛り。根雪になるまで、我が家の食卓は、初冬の野のキノコを楽しむ日々が続きます。

たんぼの脇ではガマズミやクロモジの実も色づいて目立つように。ガマズミを口に含んだら、酸っぱい甘みが広がり、ガキ共で競い合って食べ遊んだ頃を思い出しました。

シモフリシメジ、申し訳なさそうに登場

昨年は、深山でないと手に入らないマイタケが我が家のまわりのミズナラや栗の木の根元に顔を出すなど、「こんなことは初めて」といううれしい出会いが何度かありました。

ところが、今年のキノコの世界は発生条件がさほどよくなかったらしく、晩秋になってもそれは続いています。したがって、昨年のような「思わぬうれしさ」をともなうキノコとの出会いは多くはありません。

さて晩秋の里山で人気のあるキノコはコナラ(シモフリシメジ)とヤマドリモダシ(クリタケ)、それにムギダゲ(ムキタケ)。

クリタケとムキタケは例年並みの発生を見せていますが、やはりシメジ類は少なく、シモフリシメジも予想したように顔を出したのはほんのわずかだけ。

シメジの仲間でありながらそんな今年もよく発生してくれたハタケシメジ。しかし、いくら晩生でもそろそろそれも終わりの頃。きのうは最後の小さな株をひとつ目にしました。

晩秋にはめずらしくヌレンボウ(ヌメリササタケ)の仲間も見られます。これはおいしいキノコでしょう。晴天なのに傘はねばねばしていて、いかにも名前のような姿です。

サモダシ(ナラタケ)の最晩生も家まわりでは今が最後の食べ頃を手にできる時。我が家ではもうしばらく、散策がてらに採取し、毎朝の味噌汁でナラタケ特有の旨味のあるおいしい出汁味をいただくことができます。

最後の2枚の写真は、以前は食べられるキノコとしても扱われていたのですが、最近になって中毒例があり「毒キノコ」として指名手配されているハイイロシメジの仲間とツチスギタケです。いずれも、いかにもおいしそうなキノコですが、見かけだけに惹かれて手を出すと、人によっては痛い目にあうようです。

先日は、ムキタケと間違ったのかツキヨタケを食べての食中毒や(東成瀬村)、ナラタケと間違ったのかコレラタケを食べての食中毒事例(湯沢市)が保健所に報告されたようで、テレビや新聞で報道されました。ムキタケは命をとられることはありませんが、コレラタケは猛毒種とされ、過去には死亡例もあるようですから注意しましょう。

私も気をつけなけねばなりませんが、みなさんも、自分で採ったり、よそ様からお裾分けしていただいたキノコについて、「わからないキノコは食べない」「知った人が食べられると証明されたキノコだけ食べる」を家族みんなの「定め」にしておくことが大事と思われます。キノコはとってもおいしい山の幸ですが、猛毒や毒の種があることを忘れずに。