初雪が30㌢前後まで積もった先週、道路沿いにはクマの足跡が随所で見られました。
こちらがまず最初に目にしたのは22日、国道342号肴沢橋のそば。地震で落下 した大岩があるすぐ近くの田んぼ脇です。仕事で役場へ向かう途中「あれ、あんな所に、おかしな大きな足跡が、クマかな?」と確認のために雪を踏んで近づいたらやはり間違いなくクマ。それも大きなクマの足跡です。
次に目にしたのは23日。合居川渓谷入り口の部落入会林野林道脇にやはり大グマの足跡が。同じ日には岩井沢林道にも2頭の大きなクマの足跡が見られました。1頭はツキノワグマとしては最大級の大きさ(130㎏前後、初冬だから脂があってもっと目方がかかるかな)と推測されます。いずれもこれだけ大きな足跡ですからオスグマでしょう。
12月はじめ頃までは冬眠しないのが豪雪地方のクマ(冬至で穴入りはほぼ終わるのマタギの言い伝えあり)。根雪もまだなので活動はもう少し続くはず。ただ、彼らのつけた足跡を見ると、奥羽脊梁方面の森にある越冬穴に向かうような動きとも見ることができます。
これは遠い過去のこと。横手市方面の里山でりんごなどを食べていたとみられるクマが、根雪となった深い新雪を漕ぎ、どこにも立ち寄らずまっすぐに県境を越え胆沢川流域のブナの森にある冬眠穴に向かった例もあります。秋までに自分の入る穴を決めていて、根雪となったらそれにまっすぐ向かえるという、そのすぐれた本能には感心したものです。
「自分が冬眠すると決めていた穴に、ほかのクマが入っていたらどうするのか」、「そんなことは、クマの世界ではありえないことなのか」など、長年クマ狩りをしていた私どもにもわからないことが、クマの生態にはあまりにも多くあります。
クマが毎年入っているだろう冬眠穴をいくつか知っていますが、そういう所にカメラなどを据えておけば、不思議とされる生態の一部はわかるでしょう。毎年目にする初雪後のクマの足跡。それは、神秘的とさえいえる彼らの能力に思いを寄せる跡でもあります。
▼その積もった初雪がまだ少し残っていた24日、訪れていた童と自宅まわりにエノキタケを摘み採りに散策。積雪が完全になくなったきのうも、いったん雪に覆われ、その下で生長していたエノキタケがまた方々で目につきました。このキノコを「ユギノシタキノゴ」と地元では呼びます。雪の下で生長している姿をみれば、なるほど、とうなずけます。
そばの立ち木には、ナメコのように粘るトヂナメラコ(ヌメリスギタケモドキ)も。
▼きのうは男鹿で季節ハタハタの初水揚げがされたと報道されました。県北で漁をしている知人の方が「ハタハタは底引きで獲れるのが旬、一番美味い」と言いましたが、ほんと、今のハタハタは脂が適度にのっていておいしいですね。冬囲いをきのうやっと終えたわが家。夕餉ではそのおいしいハタハタを焼いてごちそうになりました。