軒がつかえはじめる

今年は母屋の本格的な雪下ろしを3回おこなっています。これが4回目頃になると農機具格納庫など落雪構造の建屋は軒がつかえるようになり、それを崩す雪掘り仕事が必要になります。

きのうは今冬一回目のその軒の雪寄せに動きました。あわせて、自宅裏手の法面にもダシ(雪庇)状の雪が多くなり、「今後の大雪前に」とそれを崩す作業にも汗を流しました。

きのうは午後のしばらくまで晴天となり、方々の雪原には生きものたちの足跡がたくさん見られました。わが家のまわりにも、池の鯉を狙おうとしたかなり大きなテンの足跡が軒先や玄関にまでのこっていました。

きのう朝も素敵な雪景色の村となりました。こんな日に県境の山々に上がったら見事な雪風景をながめられたでしょう。時間が中途半端なので遠くへの山入はできず「残念」の一日となりました。

雪景色に見とれることも

同じ雪国でもここは国内(世界)有数の豪雪の村ですので、「雪」といえば「厳しい季節」をまずは連想してしまいます。

厳しい豪雪の村ですから、雪といえば頭にうかぶのは「それは格闘する手強い相手」となるからです。しかし、そんな雪の村の住人にとっても、雪は厳しい対象だけではなく「なんて素敵な景色」と見とれてしまう時もたまにあります。過ぎた金曜日にはそんな雪景色が村内の所々で見られました。

この日は、前日までに降った雪が木々にまとわりつき、その後も低温でその雪が着雪したままの状態でした。その状態に時々陽射しがあり、「う~ん、きれいだなァ」とみとれてしまうような雪景色となったのです。

同じ日の役場のわが仕事部屋の外でも、今冬一番の寒気続きでいっきにツララが生長し、これも射し込んだ陽の光に輝いていました。

連続の降雪だと心も体も参ります。でも、週末のようにたまに雪降りも一休み、陽射しがあればなおのこと、こうした見とれるような景色を自然はつくってくれますからうれしいものです。

今朝も金曜日と同じように晴れ空の放射冷却で外気温はマイナス11℃。やはり素敵な雪景色がほうぼうで見られます。

可愛いですねミソサザイ

きのう朝、役場での所用を果たして玄関を出ようとしたら、小鳥が入り込んで風除室の中を飛び回っていました。

小鳥はミソサザイで、玄関の戸が少し開いていた隙間から舞い込んだようです。

冬にはよくあることで、玄関や車庫などに入り込みやすいのはこのミソサザイのほかに、セキレイやシジュウカラも。

強風を避けるためだったり、家屋の隅々に棲み着いているクモを食べるためだったり、猛禽類などに追われて逃げ込んだりと入り込みの原因は様々。

このミソサザイはどんなことがあって入り込んだのかはわかりませんが、おかげでこちらは、ほんの近くで姿を見つめることができました。はでな羽色ではありませんが、その姿は可愛さいっぱいです。

寒の季節とは本来こういうもの

寒の季節の豪雪の村、きのうからは「村の1月とはこういうもの」という一人前の冬がついにやってきました。寒気と吹雪につつまれたわが家の今朝はこんな状態です。

日中でもマイナス11℃をきざむ低温のなか、吹雪があるので道路の一部や屋根のあちこちに吹きだまりができます。屋根の風下に吹きだまりでできる雪庇を村では「マブ」とよび、きのうはそのマブを落としに屋根上へ。

同じ雪庇でも山の尾根筋にできる吹きだまりを、我々狩人は「ダシ」とよびました。今回のように締まった積雪の上に新雪が大量に降ると大きな「ダシ」が尾根にできます。その直下の斜面にも大量の新雪が積もります。そんな時は、風や落雪、人の踏み抜きのごくわずかの震動で雪面にヒビが入り、雪が裂け割れ大きな崩落がおきます。「ダシ」を踏み抜き落ちてしまったり、ワス(表層雪崩)で命を取られるのはこんな時です。

川岸のダシを踏み抜き落下したことが私にもありますが、そのときは幸いケガもなしで済みました。ほかにも数人で狩りの山入りの際、県境の尾根で10数㍍の長さで大きなダシ(雪庇)が崩落したことがありました。この時も足下から雪がいっきに崩れましたが運良く全員が崩落したダシの外側を歩いていたので誰も落下せずに助かりました。ダシを警戒していたのですが、予想以上にダシが発達していたのです。

今の山はダシの発達したそういう雪条件になっていますから、寒波の強いここ数日は雪庇崩落とワス(表層雪崩)には要注意です。山でなくても、屋根や水路際などのマブを踏み抜いて落ちないようそれにも気をつけあいましょう。

寒波はきましたが今年の村は積雪が平年よりそれほど多くはありません。屋根から下ろした雪も、いつもの年ならもう二階から出入りできるほどに高く盛り上がっていたのですが、今年はまだこんな程度です。

そばの柿の木の実は一週間ほど前にすべてテンやカラス、ヒヨドリの仲間などの生きものや鳥たちに食べ尽くされてしまいました。山際にある柿の木なので、生きものたちも近づきやすいためなのでしょう。厳しい寒本番の季節ですが、生きものたちにとっては食の確保でもっとも苦労を強いられるのがこの季節です。

冬の最も厳しいのは2月10日頃までのあと半月ほど。2月の4日は立春、19日は雨水と春をとらえることばがささやかれるまでもう少しの辛抱です。

議長会の正副会長会議

きのうは県町村議会議長会の正副会長会議で秋田市へ。

来年度の事業計画や当初予算案を決める理事会が2月に予定されていて、それにむけての会議です。理事会には、役員任期についての規約改正案も準備されています。会の全国組織や北海道東北ブロック組織の役員改選の時期とあわせられるようにするのが目的で、改正がもとめられている内容をじっくりと協議しました。今春には役員改選もあるためです。

10年に一度の強い寒気襲来が予報されたなかでの秋田行きでしたので高速道路の運行状況などが気になりましたが、往きも帰りも道路は思ったより平常で一安心。

秋田市内も一昨日までは積雪ゼロと報道されておりましたが、昨日朝は9㌢ほどの積雪となったようです。わが村はきのうの積雪はたいしたことがなかったのですが、帰って4時半頃のわが家前の道路設置温度計はマイナス7℃。

それが夜にはマイナス10℃からマイナス11℃となり、マイナス11℃は今朝以後も続いています。「10年に一度の強い寒気」はことばだけではなく本物のようです。でも、ここでは過去にもっと低い気温もありましたから寒中の村としてはあたりまえの冬ということでしょう。その寒気に積雪がともなわなければよいのですが、今朝の積雪はきのうから少し増えただけです。強風なので吹きだまりは多くありますが。

クマタカも我も寒波襲来前にひと動き

いつもの所用を役場で果たしてのきのう午後、2時を少しまわった頃、「寒波が来る前にエド(池)に注ぐ水路と取水口の見回りを」と自宅後ろの八卦沢と岩井沢に入りました。

歩きは八卦沢の八分目ほどまで上がり、手倉、椿川、大柳方面の集落と成瀬川、それに沼又沢方面や東山、秣岳方面の県境の山々をながめて岩井沢に下りるというコースです。

いつものコースをたどったのですが、杉林の中では、これまで何十年も歩いていて一度もヒラ(全層雪崩)の落ちなかった林に中規模の雪崩が見られました。「長年の体験だけを頼りにしていては危ない目に遭いかねない」ということを、崩れている岩のような雪の塊を見て思いました。自然は決して侮れないことをまた教えられました。大きな林の中にもヒラは落ちるのです。

相変わらず山では、雪によって折れ倒された杉の木が目立ちます。倒れた木が水路に被されば小さな水路などは簡単に水の流れが詰まり溢水してしまうわけです。

案の定、今回も水路が詰まり道路に水があふれ出ていて、またまた雪を掘り起こして詰まった木の枝や葉っぱを取り除く作業に集中。2月は沢の水が最も少なくなる季節ですので、「今のうちに」と沢に石をならべて取水口に注ぐ流量を多くもしてきました。遠藤堰の水量もこれでまたいくらか増えたでしょう。これで、「今冬最強寒波」襲来前の備えはまずまず済みました。

今回は山の八分目ほどまでの上がりです。雪庇の発達した尾根ではブナの幹にクマの爪跡が新旧あわせて多くあります。昨年はブナの実がよく着いたので枝を折って食べた跡も随所に見られます。

下りの尾根からは椿川、大柳方面の集落が真っ正面に望めます。そこで集落や県境の山々を眺めていたらクマタカらしい鳥がはるか高みを一直線に飛来し、頭上を通りました。彼らも荒れ空が来る前に何かの獲物をもとめて活発に動き回っているようでした。お目当てはノウサギでしょうか、それともヤマドリやカケスなどでしょうか。

村商工会創立60周年記念式典

20日、村商工会創立60周年記念式典に出席しました。

式典の前段には、会の役員や会員、従業員への永年の功績を讃える表彰がおこなわれました。また恒例の初笑いとして人星亭まさるこさんによる漫談もありました。

式典ではおよそ以下のような内容でごあいさつを申し上げました。

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商工会創立60周年記念式典ごあいさつ

創立60周年おめでとうございます。会の発展に尽くされました多くの方々へ、また栄えある功労で表彰されました皆様へ、村議会を代表して心からの敬意をあらわし、お祝いを申し上げます。

ご案内のとおり我々の社会は、まず第一に産業で成り立っており、現代ではそのカナメを担う柱が商工業であります。村でその中核としてご尽力いただいている皆様には、そうした意味でも私は深い感謝の心を常にもっております。

この機会に商工会の歴史をあらためて確認したく諸々の資料を開いてみました。そこには皆さんや皆さんの先輩たちが築かれた努力の足跡が克明に記されており、村づくりのうえで貴重な役割を果たされた皆さんのはたらきをあらためて教えられました。

実は、私の親も木材業を営み長い間商工会の一員でした。私自身も、ある一時、会の青年部にも所属しておりました(青年部が電話帳作成などにとりくんだ当時)。私は子供の頃から、月末を迎えた時のオヤジの姿を見ておりまして、毎月の費用支払いの苦労、働いているみなさんへの給与の支払い、今日のおめでたい場には不つり合いのことばですが、連帯保証人としてある方(業者)の借財の責を負った時の苦労、昭和後半の木材価格急落の時に体験した膨大な経営赤字のことなども目の当たりにしてきました。なので、みなさんの経営者という立場の難儀さ、苦労が私はほんとうによくわかります。そうした体験をしているだけに、村の産業と雇用をささえておられるみなさんの大きな役割を、ひときわありがたく思っているところであります。

村は昨年の3月議会で新たな「総合計画」を決めました。計画における商工業の振興では、商工会の組織強化のための支援を第一にかかげております。新たな起業支援では、若年層の定住を促進するための環境づくりの重要性もそこに記されました。

これまでの村の歴史をみてもおわかりのように、村政においても、産業振興のカナメとなる商工業においても、時代の趨勢をよく見極め、常に先を読む的確な判断が我々には求められます。今後は、ダム事業が大きな峠を越す時期と重なりますから、状況をよく分析し先を見通すということについてはなおさら重要な時期の村となります。みなさんは、これまでも新たな起業や市場開拓につとめてこられた方々です。どうか、その先見性をより大きく発揮されまして、令和年代の新たな村づくり、産業・商工業振興のために、皆様のいっそうのご尽力を期待したいと思います。

結びに、商工会の益々のご発展と、会員皆々様の経営ご繁盛を心からご祈念申し上げまして、お祝いのことばといたします。

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今朝も除雪無しで済みましたが、予報では明日からは今冬最強寒波襲来とされています。西日本や関東、九州方面までの降雪が予報されるときはこちらの積雪はそれほどでもないということが多いのですが、果たして今回はどうなるか。

ありがたい終日の晴天

除雪無しのお天気が続いています。雪国では、雪が降ることを前提にして暮らしや経営が組み立てられておりますから、一定量の雪が降らないと困る方々もおります。

それを承知しながらも、ここしばらくの除雪しないで済む日々は高齢の身にはまことにありがたいもの。それにきのうなどは終日の晴天でしたから、どんよりとした鉛色の空を毎日眺めている者にとってはほんとに気持ちのよい一日となりました。

晴天なので、焼石連峰のサンザゲェ(三界山)や権四郎森(南本内岳)なども雪の白さがひときわ映えます。県境尾根のブナには花のように雪が凍り着いていて、集落からも寒中の雪景色がとってもよく輝いて望めました。

きのうは東成瀬中学校のスキー教室が行われたようですが、すばらしい景色と展望のなかで滑走が楽しめたと思われます。今日は小学校のスキー教室とお聞きしています。荒れ空にならなければよいのですが。

雪が少ない1月半ばの村

今週末から強めの寒波襲来が告げられていたので、「その前に村内の雪状況を見ておこう」と、成瀬川最上流部集落の草ノ台や菅ノ台まできのう上がりました。

村には積雪をはかる気象庁のアメダスがないので、村独自の計測を村内4地点で毎日行い、それがホームページで発信されています。

寒中なのに村は除雪なしの日が続いていて、この日の積雪計は大柳集落で最深の115㌢。菅ノ台集落はそこよりも少し多いでしょうが、今年は今のところはこんなに少ない雪状態です。いつもの年の今頃の菅ノ台集落なら、入り口の道路脇には除雪された雪のカベが高く盛り上がり、そこにあがらなければ家々が望めないのですが、今年は車から下りなくても4戸の家すべてが目に入ります。草ノ台集落もこんな雪の様子です。

谷地のTさんの夏秋トマト栽培ハウスも、雪と「たたかう」1つの村の指標として毎年ここで雪状態を紹介していますが、そこも今年は雪がこれだけです。

ただし、村の積雪はこれから増すのが普通で、あくまでも「今のところは」雪が少ないということです。前述したように来週から月末にかけての寒波がどれだけの積雪をもたらすのか、まだまだ油断はできませんので。

きのうまでは、連日の雨天や暖気で成瀬川も合居川も今の季節にはめずらしいほどの流量です。12月とちがい1月にはいっては降雪も少なく、流雪溝をはじめ水で消融雪するみなさんは「今年は、助かる」と思っているでしょう。

道路沿いでウメボドゲ(ツルウメモドキ)の実とヤドリギの実が目に入りました。よく鳥たちに食べられずまだ残っていたものです。ウメボドゲの蔦の低いところは一部が雪に埋もれていて、そこには実を食べに寄ってきたノウサギの足跡もありました。ウメボドゲの実は鳥たちにとってはあんまりおいしい実ではないのか、木の実の食ではいちばん後回しにされます。

一方、ノウサギはこの実が大好きなようです。でも実の生る多くの蔦は高所にあり、木に登れないウサギはふだんは食べることができません。でも、積雪があればこうして口が蔦に届くようになりおいしい実を食にできるというわけです。

紅一点で心ぬぐだまる

きのうは緑が恋しいことを記しましたが、今日は、緑と同じように雪国の冬は花にも恋い焦がれることを記します。

まあ、冬は関東や関西、九州地方でも露地で観賞できる花は種類がごく限られているでしょうが、雪国ではそれはゼロにひとしくなります。

そんな時に心の癒やしになってくれる花の代表格は、わが家ではサザンカです。

遅咲きの鉢植えサザンカがずうっと咲き続けていて、蕾の状態などをみれば2月に入っても花をまだまだ観賞できそうです。外は寒中モノトーンの世界だけに、玄関のサザンカの「紅一点」で心がぬぐだまる(温まる)ような気にさせられますから、花とはありがたいものです。