クマタカも我も寒波襲来前にひと動き

いつもの所用を役場で果たしてのきのう午後、2時を少しまわった頃、「寒波が来る前にエド(池)に注ぐ水路と取水口の見回りを」と自宅後ろの八卦沢と岩井沢に入りました。

歩きは八卦沢の八分目ほどまで上がり、手倉、椿川、大柳方面の集落と成瀬川、それに沼又沢方面や東山、秣岳方面の県境の山々をながめて岩井沢に下りるというコースです。

いつものコースをたどったのですが、杉林の中では、これまで何十年も歩いていて一度もヒラ(全層雪崩)の落ちなかった林に中規模の雪崩が見られました。「長年の体験だけを頼りにしていては危ない目に遭いかねない」ということを、崩れている岩のような雪の塊を見て思いました。自然は決して侮れないことをまた教えられました。大きな林の中にもヒラは落ちるのです。

相変わらず山では、雪によって折れ倒された杉の木が目立ちます。倒れた木が水路に被されば小さな水路などは簡単に水の流れが詰まり溢水してしまうわけです。

案の定、今回も水路が詰まり道路に水があふれ出ていて、またまた雪を掘り起こして詰まった木の枝や葉っぱを取り除く作業に集中。2月は沢の水が最も少なくなる季節ですので、「今のうちに」と沢に石をならべて取水口に注ぐ流量を多くもしてきました。遠藤堰の水量もこれでまたいくらか増えたでしょう。これで、「今冬最強寒波」襲来前の備えはまずまず済みました。

今回は山の八分目ほどまでの上がりです。雪庇の発達した尾根ではブナの幹にクマの爪跡が新旧あわせて多くあります。昨年はブナの実がよく着いたので枝を折って食べた跡も随所に見られます。

下りの尾根からは椿川、大柳方面の集落が真っ正面に望めます。そこで集落や県境の山々を眺めていたらクマタカらしい鳥がはるか高みを一直線に飛来し、頭上を通りました。彼らも荒れ空が来る前に何かの獲物をもとめて活発に動き回っているようでした。お目当てはノウサギでしょうか、それともヤマドリやカケスなどでしょうか。