寒の季節とは本来こういうもの

寒の季節の豪雪の村、きのうからは「村の1月とはこういうもの」という一人前の冬がついにやってきました。寒気と吹雪につつまれたわが家の今朝はこんな状態です。

日中でもマイナス11℃をきざむ低温のなか、吹雪があるので道路の一部や屋根のあちこちに吹きだまりができます。屋根の風下に吹きだまりでできる雪庇を村では「マブ」とよび、きのうはそのマブを落としに屋根上へ。

同じ雪庇でも山の尾根筋にできる吹きだまりを、我々狩人は「ダシ」とよびました。今回のように締まった積雪の上に新雪が大量に降ると大きな「ダシ」が尾根にできます。その直下の斜面にも大量の新雪が積もります。そんな時は、風や落雪、人の踏み抜きのごくわずかの震動で雪面にヒビが入り、雪が裂け割れ大きな崩落がおきます。「ダシ」を踏み抜き落ちてしまったり、ワス(表層雪崩)で命を取られるのはこんな時です。

川岸のダシを踏み抜き落下したことが私にもありますが、そのときは幸いケガもなしで済みました。ほかにも数人で狩りの山入りの際、県境の尾根で10数㍍の長さで大きなダシ(雪庇)が崩落したことがありました。この時も足下から雪がいっきに崩れましたが運良く全員が崩落したダシの外側を歩いていたので誰も落下せずに助かりました。ダシを警戒していたのですが、予想以上にダシが発達していたのです。

今の山はダシの発達したそういう雪条件になっていますから、寒波の強いここ数日は雪庇崩落とワス(表層雪崩)には要注意です。山でなくても、屋根や水路際などのマブを踏み抜いて落ちないようそれにも気をつけあいましょう。

寒波はきましたが今年の村は積雪が平年よりそれほど多くはありません。屋根から下ろした雪も、いつもの年ならもう二階から出入りできるほどに高く盛り上がっていたのですが、今年はまだこんな程度です。

そばの柿の木の実は一週間ほど前にすべてテンやカラス、ヒヨドリの仲間などの生きものや鳥たちに食べ尽くされてしまいました。山際にある柿の木なので、生きものたちも近づきやすいためなのでしょう。厳しい寒本番の季節ですが、生きものたちにとっては食の確保でもっとも苦労を強いられるのがこの季節です。

冬の最も厳しいのは2月10日頃までのあと半月ほど。2月の4日は立春、19日は雨水と春をとらえることばがささやかれるまでもう少しの辛抱です。