第55回東成瀬村産業祭

里山にやや遅れて紅葉盛りが下りてきた10月末、55回目を数える村の産業祭「なるせ物産まつり」が28日夜から29日正午にかけ開催されました。

新型コロナ禍がつづく社会なので、祭りにつきものの出品物への表彰式や「食の場提供」などは無しでの開催です。

そのため「まつり」の雰囲気はコロナ前とは少々ちがいます。でも、農産物や加工品、民芸品など出品物は昨年より多かったようで、それこそ丹精こめた品々に参観者は「たいしたもんだ」「えぐ、つぐるもんだ(よく、つくるものだ)」と感嘆の声をあげながら見入っていました。受賞されたみなさん、おめでとうございます。

時は収穫の秋たけなわ。産業祭への出品物も豊富ですし、村の直売所も野菜やキノコなどで一年のうちで陳列棚がもっともにぎわう季節です。食の豊かな秋は、ほんとにうれしい、楽しい季節ですね。

▼28日は、秋田県南市町村議会議長連絡協議会の設立総会で大仙市へ。沿岸部から内陸まで、県南9市町村の議会議長によってつくられる組織で、今後は、互いに情報交換を密にして連携をより強めることを確認しあいました。

▼会議を終えての帰途、須川高原栗駒神社付近で入山したキノコ採り遭難発生との報に触れました。遭難救助隊の幹部さんからも電話が入っていましたが、会議中だったので通話はできず。帰宅して夜遅く確認したらやはり29日朝の出動要請でしたが、ほぼ必要員数が確保できたようなのでこの日の任務には加わりませんでした。

遭難されたのは80歳の湯沢市の女性。夜の高原は氷点下近い温度だったはずで、低体温症など命の危険が心配されましたが、翌29日午後、元気で歩いているところを救助隊員によって無事発見されたとのことです。

春のタケノコ採り時期の遭難と違い、この季節の山岳遭難は夜になれば冬と同じような寒気に襲われますから危険です。過去、晩秋から初冬の時期の遭難者の死亡例を救助隊員として目にし搬送を体験しているだけに、この季節の山の怖さを隊員たちも私もよく知っています。地理不案内の箇所には足をむけない、これが鉄則です。

大好きなクリフウセンタケ、そしてムキタケ

きのうのホンシメジと同じように、やはり「今年は出ないのか?」と思っていたクリフウセンタケ。過ぎた同じ日曜日、「これが3度目」と通ったらもう過ぎる寸前の状態になっていました。今年は、ホンシメジと同じでクリフウセンタケも発生がやや遅れたようです。

ニセアブセシメジの名もあるクリフウセンタケ。いろんな毒キノコや猛毒キノコと間違われやすいこともあってか、村や集落では採る方がほとんどいないキノコです。でも、むかし集落でキノコに詳しくハギミ(山菜・キノコ採り生業の方)だったわが家となりのTお婆さんは、「これは、クリカラモダシ、んめぇ(旨い)キノゴだよ」と教えてくれました。

Tさんのおっしゃった通りで、フウセンタケ特有のしゃきしゃき噛みごたえとやや甘さのある旨味がすばらしく、私は大好きなキノコの5本の指のひとつにこのキノコをあげます。

クリフウセンタケは比較的ボリュウムもあり、菌列をつくって発生するので量も多く採れ、それもキノコ通の人気をあつめる理由のひとつ。別名「ごんどかぶり、枝かぶり(ごんどはゴミ類という意味。この場合は木の枯れ葉などを指す)」ともいわれ、名のように枯れ葉や枯れ柴などを傘に載せたまま持ち上げて生えているのもこのキノコの特徴です。

柄はやや太く、白くて長いので、きのうのホンシメジと同じように折らないように指を突き刺してソッと抜き取ります。柄が長い分、食べ応えも大きいというわけです。クセがなく採れる量も多いので、和洋中華と様々な料理でたっぷりとごちそうになれます。

特徴のあるキノコですから、採り慣れ、食べ慣れている方ならまったく心配いりませんが、そういう体験のない方だと、似ている猛毒や毒キノコと間違える心配もあります。わからないのは採らない、食べないがキノコ食の鉄則。その点は充分にご注意を。

▼里山から深山まで晩秋から初冬に見られるムギダゲ(ムキタケ)もいっせいにカオ出しです。写真はわが家そばの里山で、ナラ枯れのミズナラに大発生したムキタケです。

村内では、ナラ枯れに侵された立ち枯れ木に大量のムキタケやナメコが発生する「珍現象」が数年前からひろく見られます。これは全国的な現象のよう。それでキノコをいただけるのはありがたいものの、広範な林が無残に枯れ、それにより樹木と共生するシメジやホウキタケ、シシタケなどの発生環境が壊れるので、「きのこ採り・撮り人」は複雑な心境におかれます。ムキタケやナメコは比較的簡単に採れますが、前述のシメジたちは発生箇所がきわめて限られますから。ナラ枯れは、そういう意味からも困ったものです。

▼きのう午後は東北中央自動車道の新庄・湯沢間建設促進フォーラムへ出席。湯沢商工会議所が主幹の集いです。地域振興に関する講演につづき、意見発表、大会決議などで建設の重要性がうったえられました。山形からも多くの関係者が参加されました。

味の王様ホンシメジ参上

一度通ったが出会えず「今年はダメかな?」とあきらめかけていたホンシメジ(わが集落や村ではオオヒメジ、ネズミヒメジと呼ぶ)を、ようやく登場させることができました。

写真は23日(日曜日)に撮ったもの。10日ほど前に通った時にはみえなかった株がもうこんなに大きくなり、あと少しで採り頃食べ頃を終わる寸前での出会いとなりました。あきらめないで通ったのが幸運で、「山の女神様がまたしてもこちらに微笑み、お誘いしてくれたもの」と妻に語り、また笑われました。

大きな株となるのがホンシメジの特徴なので、昔人(むかしびと)がオオヒメジと名をつけたのには合点がいきます。菌列をつくって発生するので、生える条件のよい年は見事な群生をみることもあります。こちらの通う山では、今年はまずまず並みの発生といえます。

このキノコの株は、柄が地中の比較的深くにまで達しているので、採る時には指を根元にグッと刺して株と柄を損ねないように引き抜きます。抜き取った跡には大きな窪みができるほどで、それをていねいに埋め戻します。

キノコの王様といわれるだけあって、その風格はやはりお見事。大きな菌列にこうして出会えば、まずは腰を下ろしてゆっくりとキノコたちをながめ、それからやおら撮るに集中します。何枚も何枚もシャッターを押し終え、今度は採るへ移り、さらに採ったキノコたちを並べて観賞も楽しみます。こんな時は、もう、ほかのすべてのことを忘れてキノコに没頭です。今年も「王様に出会えて満足!」の気分で山を下りました。

モッコラモダシのみごとな株

多くの人々に愛される「庶民的」なキノコの代表格モッコラモダシ(ナラタケ)、それに晩生型のサモダシ(ナラタケ)、その二つのキノコが本番入りのようです。

最初の幾枚かの写真は、こちらが歩く山では今年は不作ぎみのモッコラモダシの食べ頃の株です。わが家脇の草むらの中にある枯れた木の根元、そして裏手里山のナラ枯れ木に出ていたモッコラモダシです。これだけあれば、何日もの間の味噌汁や鍋物をおいしい出汁でいただくことができます。

モッコラモダシは、10月半ば頃に発生盛期をむかえる遅出のキノコで、ナラタケの仲間としては最も晩生に近い種です。モッコラモダシは、株の塊が大きく多く、サモダシよりもぬめりが弱く、柄がするりと長いスタイルが最大の特徴です。写真にあるように直売所の店頭などに並べられたのを見ると、時に地面に生えるセンボンシメジと間違われるほどの見事な塊も見られます。(センボンシメジは色が白く柄がモッコラよりも太めで発生時期も少し早く、木の根と共生するキノコで区別はすぐつく。)

一方のサモダシ(最後の2枚の写真)は、広葉樹(時に針葉樹にまで)の倒木や枯れた枝葉、土に埋もれた枝葉、切り株、枯れ株、湿った地面など発生箇所は広範囲に及び、種類も多彩です。モッコラモダシがどちらかといえば水はけの良い林を好み、倒木よりも広葉樹の切り株や枯れ株に発生が多く、湿った所には発生が少ないという特徴とは別れます。

むかしのガイド本では、モッコラモダシとサモダシの二つのきのこを区別しないでいずれもナラタケとし大枠でいっしょにしていたのが多いようですが、近年の刊行本ではかなり種が分けられています。村でキノコを採り慣れている方なら、サモダシとモッコラモダシのちがいは種として一目瞭然ですが。

ですから、わが集落では、二つのキノコをはっきり別あつかいして、一方にはモッコラモダシ、もう一方にはサモダシの名をつけたと思われます。前述のようにサモダシ(ナラタケ)にもいろいろな種類がありますが、早出のネズゲモダシ(ヤチナラタケ)にはじまりやや遅めのオオナラタケなどをふくめ発生の期間が長いのが特徴です。春、タケノコ採りの時期に出るサモダシもありますから。

モッコラもサモダシも味がよく(味はサモダシがやや上かな)、里山から深山まで発生し、比較的簡単にそれも大量に採れることから、村ではもっとも多くの人々が秋から冬まで利用するキノコです。村の伝統食「納豆汁」(納豆をすりつぶして味噌汁とする料理)には、とくにサモダシは欠かせぬキノコ。今のところやや不作ぎみの今年は、ナメコなどの代用が多くなりそうな気配です。

 

宮城県大郷町議会のみなさん来村

きのうは、宮城県大郷町議会教育民生常任委員会の6人の議員と事務局1名のみなさんが、村の教育関係の視察で来村されました。

今回は中学校を会場にして、校長先生と教頭先生にはまた貴重な時間を割いていただき、教育次長とともにご一同をお迎えしました。まず校舎内や授業の姿をご案内していただいた後に、学校経営を校長先生から説明をうけ、質疑応答を交わしてもらいました。

仙台に近い大都市近郊の大郷町。村とはあらゆる内容で条件のちがう町ですが、教育に関しては自治体の構え規模の大小をこえてどこの自治体にも共通する課題があるので、小さなわが村にも視察の方々が見えられるのでしょう。

「学力」「学習調査」というとテスト結果という狭いとらえではなく「自立の村づくりのカナメは人づくりにあるとして、教育をとりわけ重視し情熱をそそいできた村」「学ぶことでのひとりひとりの成長、到達度を大切にしてきた村」「多方面での学ぶ環境づくりに先進的につとめてきた村」という思いでみなさんへ応対しました。

▼年を隔てて実を結ぶブナが、今年は何年かに一度の大豊作となりました。

今、その実が森の樹下あちこちに敷きつめられたように落ちています。写真は合居川渓谷天正の滝展望台と崖紅葉「いずくら」をのぞむ周囲のブナ林。村のマタギたちは、「ブナグリ(ブナの実)が生った年の11月から根雪までは、クマはブナ林(ばやし)の下さ、える」といい、彼らの観察眼はそこに向けられます。ブナの実はクマの大好物だからです。

広大な奥羽の森でそのほとんどの範囲をしめるのはブナ林。それが実を大豊作という規模で結んだのですから、全山の実の量は莫大なものとなります。森の生きものたちは、何年かに一度めぐってくる「宝の実」のおかげで、とっても幸せな秋を過ごしているはずです。

りんごなどを食べ慣れたクマや、里山を主な生息圏にしているクマは別ですが、奥羽の森に生きるクマたちは、この秋は里にそんなに下がらなくてもブナの実でたっぷりの栄養をとることができているはず。ですから、いつもの秋よりも里へのクマの出没は少なくなっていると思われますがどうでしょうか。

▼放射冷却の今朝、わが家そば国道に設置の温度計は氷点下1度を記録。きのう朝には集落から望む焼石連峰の権四郎森(南本内岳)と南の森(西焼石岳)など標高1400㍍をこえる山々の頂には冠雪がみられました。それらの山麓は1000㍍ラインより下までブナの落葉が終わりもう冬の気配です。そうした冷気を感じ山の様子をみて、集落では冬支度がいよいよ本番入りするでしょう。

崖紅葉の「いずくら」

21日(金曜日)は、村役場で県南町村等監査委員協議会の総会と研修会が開かれ、開会行事の少しの時間会議へ出席、ご一同を歓迎。

みなさんは後に、研修として成瀬ダムの建設現場へ向かわれました。

こちらも役場からの帰路「そろそろ色づき盛りだろう」と、合居川渓谷天正の滝と崖紅葉の「いずくら」へそのまま車を向けました。

予想通り、柱状節理の崖は見事に色づき、ブナも黄葉盛りです。すでに県境奥羽の峰のブナは落葉が進んでいて、遠目にも落葉を終えたブナの木肌が白くなって目に入ります。

今年は、9月末から10月にかけて気温が比較的高めで、このため木々の色づきはいつもの年より鮮やかさがやや落ちるようです。それでも、渓谷は紅葉の名所として知られ、この日も管内の町のみなさんが生涯教育の一環なのか「自然観察教室」とかでおこしになられたようで、渓谷の展望箇所を散策しておりました。一行には町の議員さんも。

▼23日は村猟友会の第59回総会へご案内をいただきました。

コロナ禍もあって久しぶりの総会出席です。今年度の会員は18名。数十人もいた以前の会からすれば会員数は激減ですが、有害鳥獣駆除や山岳遭難救助隊員として頼りにされる存在は昔も今も同じです。

私が猟友会長をつとめたその任期はじまりの頃は、会員数は多いのにクマの生息数は現在よりはるかに少なく、それにイノシシ、シカとも秋田でも村でも棲息はもちろんゼロ。それが、今は、会員数は少ないのにクマの棲息は圧倒的に多くなり、以前は深山への狩りが主流だったクマ猟が、今は車道そばの里山や人里近くの山が猟場、生息調査現場の主体となっています。以前には考えられなかったイノシシやシカが、南から、太平洋側からと村に侵入し、ここ5年ほどであっという間にそれらの猟、有害駆除がごくあたりまえの村ともなってしまいました。

それだけに、会と会員一人一人の役割、比重はうんと大きくなっています。猟銃の所持はとても厳しい法律で規制し許可され、またむかしのような野生鳥獣の食習慣も極めてうすくなっているので、狩猟(銃猟)人口を増やすのはなかなかむずかしくなっています。

ただ、全国的に農作物の有機農業栽培が重視される時代となっているように、肉食についてもエサなどは自然の食を摂って育つ鳥獣、いわゆるジビエ人気がじわりと広まっています。狩猟は、そういう面でも一定の役割があると思われ、またひとつの文化としても絶やさず今後の世代に受け継がれてほしいと思います。こちらはもう今から、猟友会伝統の3月のノウサギの巻き狩りの日の出席を楽しみにしています。

一連の会議で都内へ

18日から町村議会議長会に関係する一連の会議が都内で開かれ、きのう帰りました。

最初の会議は、全国豪雪地帯町村議会議長会と6政党との懇談会で、その会は18日午後、半蔵門の町村議員会館で行われました。

政党側から出席いただいたのは、自民党の豪雪地帯対策に関するPT座長の稲田朋美衆議院議員、公明党の豪雪対策推進PT座長の稲津久衆議院議員、立憲民主党の徳永エリ参議院議員、日本維新の会の遠藤良太衆議院議員、日本共産党の高橋千鶴子衆議院議員、国民民主党の舟山康江参議院議員の6氏です。

政党代表のみなさんからは、豪雪対策に関するそれぞれの考えやとりくみを最初に発言していただきました。後に、議長会側から福島と富山の県議長会の会長2氏から発言があり、それに対してさらに意見交換がそれぞれ交わされました。

豪雪対策については、議員立法によって豪雪対策特別措置法の一部を改正する法律が今年3月に成立。新たに豪雪地帯安全確保緊急対策交付金が法律上位置づけられ、必要な予算確保が図られることになりました。この交付金により、屋根への命綱固定アンカーの設置促進や克雪技術の開発普及に向けた配慮規定も盛り込まれるなど、豪雪地帯町村議会議長会の要望してきた内容が大きく反映されています。懇談会では、改正法提出と成立、そして交付金措置など、各政党代表のみなさんのご尽力に深い感謝を申し上げました。

豪雪議長会の会長は、石川県の酒元会長さんですが、酒元会長さんがちょうどこの日に地元能登町の町議会議員選挙の告示日と重なり懇談会に出席できず、副会長の私が代理として開会のことばを申し上げました。

豪雪地帯に精通されておられる国会議員の各氏からは、今後の雪対策についても力強いご発言をたくさんいただき、とても意義深い懇談会となりました。

▼19日には、前日の選挙が無投票当選となった酒元会長出席のもとで同豪雪議長会の理事会と総会を開催。11月9日に開催する全国大会へ提出の議案や運営などを決め、引き続き開かれた総会でもすべてを可決しました。

議題に入る前、国土交通省国土政策局地方振興課長の佐藤哲也氏による「豪雪対策の最近の話題について」と題する講演をお聞きしました。講演は、改正された豪雪地帯特別措置法や豪雪地帯対策基本計画をはじめ具体的な資料をもとに詳しくわかりやすい説明で、雪対策の課題や現状、今後の計画もふくめて理解をより深めることのできるお話でした。

▼同じ日の午後には、町村議会議長の都道府県会長会が開かれ、ここでも11月9日の大会に提出する議案や運営内容などを協議・決定しました。

会議のはじめには講演が行われ、総務省自治行政局長の吉川浩民氏が「地方行政の諸課題」と題して、1.2040年代に向けての課題(2040年には団塊の世代と団塊ジュニア世代が高齢者となる時代)、2.地方行政のデジタル化、3.第33次地方制度調査会、の3点についてやはり詳しく理解しやすいお話をされました。吉川氏は、以前に秋田県矢島町の助役をされたことがある方です。

この会議の後には、北海道、東北、関東の会長で組織される東日本の会長会議も開かれました。新型コロナ禍だったのでこの会議はしばらく開けず、関東のみなさんとは会議では久しぶりの顔あわせとなりました。

▼会議の合間をはさんで生じた時間に、宿舎のホテルそばにある皇居外苑の千鳥ヶ渕公園とイギリス大使館の周囲を散策。桜名所の千鳥ヶ渕にも、歩道すぐそばまでクゾ(クズ)の蔦が園樹にかぶさるように伸びているのには少々驚きました。クゾはなんと強い草でしょう。荒草のなかでも、とくにクゾ(クズ)、カヤ(ススキ)、サシドリ(イタドリ)は、三大豪傑繁茂雑草といってよいのかもしれません。あの「あらぐさ」たちのようにたくましくありたいものです。

一方にそんな「あらぐさ」の蔦があるそばでは、お堀に沿う大きな道路をはさんだ反対側の歩道脇に早咲きのサザンカのような花が観られました。広大なイギリス大使館の敷地脇には桜並木とともにこうした花木もたくさん植えられていて、道行く人々の目を楽しませてくれます。まもなく冬、この公園一帯は春の桜花爛漫とはまたひとつちがった、しとやかな冬の花を愛でられる素敵な散策コースとなるのでしょう。

それにしても英国大使館の敷地の広さと建物や石垣の威厳にはいつ歩いても目をみはります。守衛さんにお話ししたら「写真をとってもいいですよ」といわれましたので、2022年10月19日午後の華厳な門構えを写しておきました。

これが味区分A級ともされるキノコ?

家周りを散歩していた先日のこと。道ばたの草むらのなかに真っ白なキノコが3本ほど見えました。

野山を歩けば、いろんなキノコとのご対面はよくあることですが、このキノコもちょっとめずらしい部類に入る食べられるキノコらしい。名前はおそらく「ササクレヒトヨタケ?」でしょう。和風、洋風といろんな料理にむき、世界に広く分布するキノコのようです。

わが村、わが集落ではヒトヨタケの仲間のキノコを食す習慣がありませんし、こちらもそういう意味で「食わず嫌い」か「食わず知らず」でこのキノコへの味覚は体験無し。食べられる、それに味区分はAクラスなどといわれても、もちろん食べようと思ったことは一度もありません。食習慣とはそんなものでしょう。私にとってのササクレヒトヨタケは、眺めて楽しむキノコの仲間です。

深山ブナの森を散策

過ぎた日曜日、久しぶりに深山ブナの森へ半日入りました。

いつものように山入の目的は運動、キノコと景色を採る、撮るなど。それに大自然のなかに入るので何か新しい出会い、出来事をひそかに期待してなどと盛りだくさんです。

この日めざしたキノコの一番のお相手は「早出のナメコ」。しかしこれはほんの少し見られただけ。まだ秋冷が本格化しないので自然は晩秋とはいえず、シーズン最後を飾るキノコたちも本番入りはもうちょっと先になる模様。やはりナメコの本番入りはブナの落ち葉が進むようになってからのようです。

ブナの森にはサモダシ(ナラタケ)がちらほら見えますが、もうこの時期なのに流れた(腐った)状態はほとんど目に入りません。私が入る山では今年はあまり出がよくないようです。今年、サモダシは不作なのかな。

倒木にはカオを出したばかりのカノガ(ブナハリタケ)がいっぱい。写真のような幼菌は細かいので、食卓にあげるまでにはめんどうですが軟らかいので味も食感も抜群。早速「カノガ蒸し」にしていただきました。

ワゲ(ヒラタケ)、早出のムギダゲ(ムキタケ)、老菌のトヂナメラコ(ヌメリスギタケ)、それにブナシメジたちもほんの少しずつ目に入りました。

ブナの森はようやく黄葉入り。春の若葉もいいですが、灰白色の木肌と黄・紅葉が織りなすブナ林の景色も私は大好きです。時々太いブナの根元に腰を下ろして、林全体をゆっくりと眺め眺めして山を下りました。

人里近くでは村内有数の景勝の地、柱状節理「いずくら」の断崖も色づきが増してきました。今週末から月末にかけて崖紅葉は見頃となる様子です。

新型コロナ交付金等で議会臨時会議

きのうは村議会臨時会議を開きました。議案は新型コロナ対応等の一般会計補正予算案で、新型コロナ感染症対策などが盛られた予算案はすべて可決されました。

晴天続きのおかげで、倒伏の異常に多かった村の稲刈りもようやく終わりに近づきつつあります。焼石や栗駒も頂き周囲の紅葉はもう終わりのようで、今は標高千㍍ラインのブナ樹林にまで黄・紅葉帯が下りてきました。

気温のせいでしょうか、今年は「色づきが本来の紅葉よりやや劣る」とか、「色づきが遅い」とも言われます。これからは冷えも本格化してくるでしょうから、里山や、紅葉名所「いずくら」や「天正の滝」が色づく頃には、木々たちは本来の目を見はるような錦模様を織りなしてくれるでしょう。