ハナイグチも控えめにお出まし

実生から育てたわが家のブナの木数本は樹齢20数年ほどで3年ほど前から実を着けるようになり、今年は結実数が最も多い年となりました。

自宅前の公園に植えられたブナも同じでこちらは樹齢がさらに10年ほど多いので実はもっと多く、今年は一本の木からだけでもかなりの量の実が落ちるでしょう。

自宅の周囲はヤマグリが稔実真っ盛り。ツノハシバミやクルミなど多くの木の実も稔りの季節をむかえました。どこからか生きものが運んできた種が池の脇で自然に芽を出し大きくなったアケビの蔦も実を結ぶようになり、そちらも青々の熟れた実をいっぱいつけています。

どの木の実も、今は人の手で採られる(拾われる)ことは少なく、おかげで野の生きものたちは、むかしには考えられないほどの豊かな食の中で秋を過ごすことができています。

栗駒山や焼石岳稜線周囲の紅葉が見頃となったようで、その頃になればマツシタキノゴ(ハナイグチ・ラグヨウ)もカオを出します。わが家モミ乾燥機小屋そばの里山にあるカラマツの樹下にも、茶色でよく目立つハナイグチの傘がポツンポツンとみられます。発生量はまだほんのわずか。

手にした少しのハナイグチは、夕餉に刺身風でいただきました。食卓にあがり続けているとぷとぷと軟らかなマスタケの一夜味噌漬けと同じで食欲をそそるこのキノコたち固有の色。ハナイグチはそれに加えてペロペロと粘る食感があり私は大好き。お酒を飲まれる方なら、これは肴としては絶品のキノコたちでしょうね。