きのうのホンシメジと同じように、やはり「今年は出ないのか?」と思っていたクリフウセンタケ。過ぎた同じ日曜日、「これが3度目」と通ったらもう過ぎる寸前の状態になっていました。今年は、ホンシメジと同じでクリフウセンタケも発生がやや遅れたようです。
ニセアブセシメジの名もあるクリフウセンタケ。いろんな毒キノコや猛毒キノコと間違われやすいこともあってか、村や集落では採る方がほとんどいないキノコです。でも、むかし集落でキノコに詳しくハギミ(山菜・キノコ採り生業の方)だったわが家となりのTお婆さんは、「これは、クリカラモダシ、んめぇ(旨い)キノゴだよ」と教えてくれました。
Tさんのおっしゃった通りで、フウセンタケ特有のしゃきしゃき噛みごたえとやや甘さのある旨味がすばらしく、私は大好きなキノコの5本の指のひとつにこのキノコをあげます。
クリフウセンタケは比較的ボリュウムもあり、菌列をつくって発生するので量も多く採れ、それもキノコ通の人気をあつめる理由のひとつ。別名「ごんどかぶり、枝かぶり(ごんどはゴミ類という意味。この場合は木の枯れ葉などを指す)」ともいわれ、名のように枯れ葉や枯れ柴などを傘に載せたまま持ち上げて生えているのもこのキノコの特徴です。
柄はやや太く、白くて長いので、きのうのホンシメジと同じように折らないように指を突き刺してソッと抜き取ります。柄が長い分、食べ応えも大きいというわけです。クセがなく採れる量も多いので、和洋中華と様々な料理でたっぷりとごちそうになれます。
特徴のあるキノコですから、採り慣れ、食べ慣れている方ならまったく心配いりませんが、そういう体験のない方だと、似ている猛毒や毒キノコと間違える心配もあります。わからないのは採らない、食べないがキノコ食の鉄則。その点は充分にご注意を。
▼里山から深山まで晩秋から初冬に見られるムギダゲ(ムキタケ)もいっせいにカオ出しです。写真はわが家そばの里山で、ナラ枯れのミズナラに大発生したムキタケです。
村内では、ナラ枯れに侵された立ち枯れ木に大量のムキタケやナメコが発生する「珍現象」が数年前からひろく見られます。これは全国的な現象のよう。それでキノコをいただけるのはありがたいものの、広範な林が無残に枯れ、それにより樹木と共生するシメジやホウキタケ、シシタケなどの発生環境が壊れるので、「きのこ採り・撮り人」は複雑な心境におかれます。ムキタケやナメコは比較的簡単に採れますが、前述のシメジたちは発生箇所がきわめて限られますから。ナラ枯れは、そういう意味からも困ったものです。
▼きのう午後は東北中央自動車道の新庄・湯沢間建設促進フォーラムへ出席。湯沢商工会議所が主幹の集いです。地域振興に関する講演につづき、意見発表、大会決議などで建設の重要性がうったえられました。山形からも多くの関係者が参加されました。