味の王様ホンシメジ参上

一度通ったが出会えず「今年はダメかな?」とあきらめかけていたホンシメジ(わが集落や村ではオオヒメジ、ネズミヒメジと呼ぶ)を、ようやく登場させることができました。

写真は23日(日曜日)に撮ったもの。10日ほど前に通った時にはみえなかった株がもうこんなに大きくなり、あと少しで採り頃食べ頃を終わる寸前での出会いとなりました。あきらめないで通ったのが幸運で、「山の女神様がまたしてもこちらに微笑み、お誘いしてくれたもの」と妻に語り、また笑われました。

大きな株となるのがホンシメジの特徴なので、昔人(むかしびと)がオオヒメジと名をつけたのには合点がいきます。菌列をつくって発生するので、生える条件のよい年は見事な群生をみることもあります。こちらの通う山では、今年はまずまず並みの発生といえます。

このキノコの株は、柄が地中の比較的深くにまで達しているので、採る時には指を根元にグッと刺して株と柄を損ねないように引き抜きます。抜き取った跡には大きな窪みができるほどで、それをていねいに埋め戻します。

キノコの王様といわれるだけあって、その風格はやはりお見事。大きな菌列にこうして出会えば、まずは腰を下ろしてゆっくりとキノコたちをながめ、それからやおら撮るに集中します。何枚も何枚もシャッターを押し終え、今度は採るへ移り、さらに採ったキノコたちを並べて観賞も楽しみます。こんな時は、もう、ほかのすべてのことを忘れてキノコに没頭です。今年も「王様に出会えて満足!」の気分で山を下りました。