シモフリシメジ、申し訳なさそうに登場

昨年は、深山でないと手に入らないマイタケが我が家のまわりのミズナラや栗の木の根元に顔を出すなど、「こんなことは初めて」といううれしい出会いが何度かありました。

ところが、今年のキノコの世界は発生条件がさほどよくなかったらしく、晩秋になってもそれは続いています。したがって、昨年のような「思わぬうれしさ」をともなうキノコとの出会いは多くはありません。

さて晩秋の里山で人気のあるキノコはコナラ(シモフリシメジ)とヤマドリモダシ(クリタケ)、それにムギダゲ(ムキタケ)。

クリタケとムキタケは例年並みの発生を見せていますが、やはりシメジ類は少なく、シモフリシメジも予想したように顔を出したのはほんのわずかだけ。

シメジの仲間でありながらそんな今年もよく発生してくれたハタケシメジ。しかし、いくら晩生でもそろそろそれも終わりの頃。きのうは最後の小さな株をひとつ目にしました。

晩秋にはめずらしくヌレンボウ(ヌメリササタケ)の仲間も見られます。これはおいしいキノコでしょう。晴天なのに傘はねばねばしていて、いかにも名前のような姿です。

サモダシ(ナラタケ)の最晩生も家まわりでは今が最後の食べ頃を手にできる時。我が家ではもうしばらく、散策がてらに採取し、毎朝の味噌汁でナラタケ特有の旨味のあるおいしい出汁味をいただくことができます。

最後の2枚の写真は、以前は食べられるキノコとしても扱われていたのですが、最近になって中毒例があり「毒キノコ」として指名手配されているハイイロシメジの仲間とツチスギタケです。いずれも、いかにもおいしそうなキノコですが、見かけだけに惹かれて手を出すと、人によっては痛い目にあうようです。

先日は、ムキタケと間違ったのかツキヨタケを食べての食中毒や(東成瀬村)、ナラタケと間違ったのかコレラタケを食べての食中毒事例(湯沢市)が保健所に報告されたようで、テレビや新聞で報道されました。ムキタケは命をとられることはありませんが、コレラタケは猛毒種とされ、過去には死亡例もあるようですから注意しましょう。

私も気をつけなけねばなりませんが、みなさんも、自分で採ったり、よそ様からお裾分けしていただいたキノコについて、「わからないキノコは食べない」「知った人が食べられると証明されたキノコだけ食べる」を家族みんなの「定め」にしておくことが大事と思われます。キノコはとってもおいしい山の幸ですが、猛毒や毒の種があることを忘れずに。