家々も、村も、一年で最もにぎわったお盆。それも、あっという間に過ぎ、にぎやかだった家の中も、道通りも、元の静けさに。
我が家は、家庭をもつ子供たちがみな近場に暮らしています。童たちとのつかの間の大賑わいが過ぎ、これほどいつでもすぐに会える所にいながらも、ひとときの「バイバイ」ながら別れとはさびしいもの。
それが「また会えるのは半年後か一年後」という遠くから帰省のご家族をもたれている方々など、家前から遠ざかる車、駅のホームから離れる電車を見送り、涙ぐまれた方々もきっと多かったのではないでしょうか。じいちゃん、ばあちゃん、父さん、母さんと村で楽しいお盆を過ごされた子供たちや童、ご家族ほど、別れのさみしさ、涙の粒は大きかったと思われます。
そんな夏の思い出を家々や多くの人々の心に刻んだでしょう山里も「盆すぎれば、秋風吹ぐ」です。奥羽の山並みはオホーツクからの涼しい風によるフカゲ(吹っかけ・ヤマセ)がこのところ連日寄せていて、その風の先端がわが家の盆ばなこ(盆花こ・オミナエシのこと)を揺らしています。
きのうは送り盆で境内のお墓へ。山里にくらす私にとって、心にある一年の半分区切りはお盆。気持ちを引き締め、さあ、後半へ向かいます。