第33回目の村の「仙人修行」が4日~6日までの日程で行われていて、金曜の開講式と土曜日夜の交流会に向かいました。
今年の修行参加者は27名。村出身で現在大学生の方や、同じく村出身の若い教職員、県職員の方、あるいは親御さんが村出身という大学生の方など、その方々が友達といっしょに参加してくれているというなんともうれしい組み合わせなどもありました。
滝行に用いるわらじ造りや遺跡発掘などでは、村の年輩の方々が例年のようにあれこれと手ほどきに大活躍された様子をお聞きしました。ほかに座禅や写経などでは村の2つのお寺さんが指導にあたり、農作物の収穫体験では農家のみなさんが、村の産物を活かした手料理には加工グループのお母さん方などがと、観光物産協会や村の担当課職員もふくめ毎年のことながら修行のみなさんをささえました。
交流会では、ユーモアたっぷり話題の女性参加者やジョークを連発する若者たちと大笑いで語り合い、3時間近くはあっという間に過ぎてしまいました。その際「ブログを読んでいる」という方もおられました。当然ながらいろんな方々の目にふれ、しかも公的なところからの発信ですから「それにふさわしく書かねばな」と、あらためて思ったところです。
わらじ造りには、私の伯父(亡父の兄)も毎年元気に参加しています。今年数えで98歳になります。伯父は、第二次世界大戦で中国北部に配属され、終戦近くに「ニューギニア最後の死闘」といわれた南方戦線を経て、それこそ九死に一生の実戦体験をもちます。生々しい戦争体験を一度じっくりと聴いていますが、まだまだお聴きしたいことがいっぱいあります。
▼同級生のトキビ(トウモロコシ)畑にクマが出没、収穫期の実が食害され茎が倒されていて、防除のためにオリを設置したと先日役場の担当課から連絡をいただきました。
そのトウモロコシ畑は、仙人修行のみなさんが5日に急きょ収穫体験をした畑です。幸い、設置したオリでは4日の朝、クマが捕獲されました。
オリ設置現場に出向いてみたところ、クマはオリの中で静かにしていました。逃げようと入り口の扉から手を伸ばして掘ったのでしょう、そばに土が散乱し、クマの手も毛も土で汚れています。こちらの気配を感じてからは、狭いドラム缶オリの中で向きを変え、バックして距離を保ち、ちょうど闘牛のように前足を掻きたたせ、威嚇姿勢のまま全力で扉にガシーンと大音を響かせぶつかってきました。扉の鉄も牙でガリガリとかじります。この動きは逃げられず半狂乱となった姿でしょうが、「なんで里のモノを食べに来た。山のモノだけで生きればよいのに」と何度も思いました。クマにとっては、農作物も山の産物も食べ物の違いなど関係なしとわかってはいながらです。農家にとってクマや動物の食害がどれほど困ることなのか、仙人修行のみなさん、クマの荒らした畑も目にしたそうです。