立秋をひかえキノコたちがお出まし

再来年に焚く薪割り作業をきのうやっと終えました。「暑くならないうちに」と思っていたのに、今年もやっぱり終いは8月に。

こちらが学童の頃、学校で焚く薪づくりを請け負うのは集落の人々でした。その作業場は校庭。猛暑の季節に大きな発動機の音をタンタンタンタンと響かせ丸ノコで薪を切り、後には、上半身裸の真っ黒日焼けの体にマサカリを握り、汗をふきふき薪を割る姿が教室から眺められたものです。夏に薪を手にすると、炎天下の校庭ではたらく往時の人々の光景が目に浮かびます。

さてきのう、薪割りをしているそばの草むらになんだか赤い点々が見えます。近づいたらそれはきのこのタマゴタケ。とっくに顔を出していたらしく、幼菌時に特有の原色のような真っ赤な色はあせてしまい、オレンジへと姿は変わっています。

このキノコ、ヨーロッパでは高級食材ということです。わが集落でも「タマゴモダシ」という方言名がちゃんとあり、こちらも気がむいた時は食べますが、今回は写すだけにしておきました。

テングタケの仲間は猛毒や毒キノコが多く、タマゴタケと間違いやすいキノコもあります。食毒の判定に不安のある方は手にしないほうがよいでしょう。それに、こちらにいわせれば、高級と呼ばれる割には味も食感もイマイチ。不安をかかえながら口へ運ぶほどの食材ではないと私は体験から感じています。発生の所も量もごく限られているので、食の珍しさを楽しむという程度のキノコと私は位置づけています。

猛暑の連続といっても、まもなく暦は立秋。タマゴモダシも顔をだしていますから、さあ、初秋のキノコシーズンが今年もやってきたということです。

昨日、しばらく水を絶っていた田んぼへおよそ25日ぶりで水を入れました。今年は中干しの間にほぼ定間隔で降雨があり、加えてわが田んぼは粘土質で地深いため水気が強く干しの期間をやや長くとりました。もう少し干したかったのですが、稲が「そろそろ水がほしい」という姿をしていたのでやむなくかん水です。「稲の成長、品質よりも、どちらかというと刈り取り作業でたんぼがぬからない方を重視する」という基本はずれの稲作農家ですから、篤農家にいわせたら「何をやっているか」というところでしょう。

雪解けの遅い転作田のわらび畑では、いま頃ヤマユリが満開。そばには花盛りのオオウバユリもこちらの背丈より高く屹立しています。