七夕の頃から、先に羽化したゲンジボタルと遅れて羽化したヘイケボタルが混じって乱舞の季節入りとなりました。
ところで、自然豊かな村では、その豊かな自然をまもるために地道な努力を長年続けている方々がおります。村の「ホタルの会」で長年会長をつとめた佐々木克郎氏(元村教育長)もそのうちのお一人です。(現在、会長は別のS氏がつとめています)
佐々木氏は、ホタルの増殖や保護、村内の生息状況調査などを先導、ホタルの棲める環境をまもるために様々な提言をしながら会の柱となって活動してこられました。
同会は、村内の調査地点を定めるなどして毎年行ってきた「調査」を今年も行っていて、一般の方々を募る観察会は新型コロナの関係で中止しましたが、会員による合同調査はすでに二回も行われています。ほかに、会員個々が観察地点を特定してのゲンシボダルの生息調査も例年のように今も続行中で、まもなく今年の状況がみなさんから報告されます。
会では去る6日に、ホタル保護と自然環境保全を旨とする「趣意書」を村に届け、「日本でもっとも美しい村連合」の一員である村の立場からも、ホタル保護へのとりくみをひきつづき強めることを村に直接伝えました。「趣意書」はとくに、ホタルのエサとなる「カワニナ」の生息環境保護を強調しています。それは、村の木・秋田杉、村の花・山百合、村の虫・ほたる、村の魚・いわな、村の鳥・やまどりと、ほたるが村の例規集の最初に書かれる総規のなかに定められている虫だからでもあります。そういうこともあって村はこれまでもホタル関連諸策に先進的なとりくみをしてきましたが、ホタルといえばやはりカワニナ保護であり、これもまた今後の大事な村の課題となります。
これらの調査や行動にも、今年88歳となられた佐々木氏は精力的に参加し、研究や活動で積み重ねられたホタルへの熱い思いを、論と行動で村や会員のみなさんに伝え続けております。ホタル保護のためは、それをエサとする「カワニナ」保護と増殖が大事であり、会は今後その視点からの活動にも力を注ぐことにしています。
ところで今年のゲンジボタルは、村からの発信にもあるように田子内・五郎兵衛清水の流域と滝ノ沢センターそばの水路周辺でとくによく見られるようです。
岩井川では、例年生息数の多い上野・野田地区でやはり一定数が見られ、会員の調査では昨年ゼロとなっていた真戸地区や岩井沢周囲でもいくらか生息が確認され、岩井川ではほかにも新たな2箇所での生息確認がされています。椿川地区も、間木や五里台地区での生息がひきつづき観察されました。
なお、首都圏から村に移住されて長いSさん御夫妻(会員)のデザイン協力による「幟旗」も今年つくられ、ホタルのシーズンにあわせて掲げられています。