お盆を前にして焼香につかわれる抹香の材料採りがはじめられる季節入りです。
村で香の原料となるのはカツラの葉っぱ。昔なら抹香の手作りは、同じようにお墓の供物を置く棚用として使われるヨシ(葦)採りとあわせこの季節のごくあたりまえの光景でした。でもこういう場面をいま目にできるのはごく限られたところでだけ。
成木となれば樹高は35メートルにもなる大木のカツラですが、香に利用する木はたいがいが途中で芯を摘み取られ樹高を抑えられていて、手を伸ばせば届く高さに枝がよく茂りその葉っぱが摘み取られます。
葉っぱを手にするとまことに雅な香りが漂い、乾燥するにつれてその香りはさらに増します。「今年は、長雨で、いつもの年より乾燥に日数がかかるかも」と地元集落のMさんは語っていました。