6月を過ぎ、村のタケノコ採りは深山をふくめほぼ終わりとなりました。それはワラビ採りも同じでしょう。
このタケノコとワラビ採り、近年は、おそらく村の人々よりも村外の方が多いようで、県南地方からはもちろんですが、県外からも相当数の人々が見えられ、タケノコ採りなら山形ナンバーの車、ワラビ採りなら宮城ナンバーの車というのは、もう村では定着している光景のようです。
およそひと月の間、遠くは山形からまで村外の方々をふくめ多くのタケノコ採り人をむかえたブナの森。それも6月でまずは終わりです。これで村役場や消防団、遭難救助隊、警察、空から捜索のヘリ部隊のみなさんも「捜索出動」への備えがまずは落ち着き、一安心でしょう。
しばらくの間、クマさんの食事場所は人の声でにぎわいましたが、深山のクマさんも、雪消の遅い場所でゆっくりとタケノコやサグ(エゾニュウ)を食べているはず。栗駒や焼石の雪渓でクマの姿がよくみられるのもこの季節です。(写真は、2017年に焼石連峰・三界山麓の雪渓にいた大グマ)
さて、シーズン最もはじめに採った我が家のタケノコは、妻の手で40数本が瓶詰めにされました。先日は薪づくりのことで「煙を出すまでの作業が大変」と記しましたが、この瓶詰めもそれと同じで「出来上がるまでが大変」と、作業をそばで見ていてつくづく思います。
「水を飲む時は井戸を掘った人の苦労を思え」という言葉のように、日々のくらしでありがたく使い食べ飲んでいる多くのモノは、人々の数多の手間を積み重ねた結果であることにたまには心を寄せたいものです。