花たちをそばにしながらの農作業

田んぼの畦塗りを、むかしのまま手作業で行っている我が家。そのために、すべて機械化の農家よりやや早め早めの春作業とりかかりとなり、きのうは田んぼへ水を引く段取りを始めました。

まもなく用水路組合の堰普請があるので状況をつかみに取水口まで出かけたら、水路に沿う歩道の両側には、ミヤマカタバミの仲間、ワサビ、ショウジョウバカマ、ムシカリの仲間、オオバキスミレ、ムラサキヤシオツツジ、コブシ、イワウチワ、ユキツバキ、カタクリなど春告げ花たちがいっぱい。やわらかな木々の萌葱、それに花、たんぼ仕事をしながらこうした景色と出会えるのですから、村の暮らしはほんとに幸せなことです。

妻も自家用野菜づくりの畑作業にとりかかりました。カジカやヤマメが棲む畑そばの沢にはまだ雪が見えます。土手にはエンゴサクやチャワンバナコが咲き、秋の紅葉でも色がまことによく映えるイタヤカエデは、花も含めて春紅葉もまたすばらしく、あざやかに萌えています。

雪崩のおきる急斜面はモミジ類が多く、それら小径木は雪に押さえつけられながら成長するため雪国ならではの独特のしなりを見せて群生をつくります。しなり強いモミジにも目をひきつけられるのが今の季節なのです。

里山のゼンマイもいよいよ採り頃。昔のように山に入る方が多くはなく、ここでも「山の宝モノ」の群生株は手折られることなくそのまま伸びてしまうのが多いようです。