おかしなムジナ(タヌキ)

先週、所用果たしで村内を回っていた時のこと。

手倉真戸地区の村道で車を走らせていると、真っ昼間、舗装道路の上をトコトコとこちらに向かい歩いてくる生きものがいます。はじめ「ネコかな」と思いましたが、だんだん近づいたら、それはネコではなくムジナ(タヌキ)。

車を止めて眺めていたら、こちらなどまったく無視、どんどんそばに寄って来ます。それで「オッ」と声をかけたら初めて彼は立ち止まりました。

よく見たら、秋のあの丸々と肥え太ったムジナとは大違い。ぎすぎすと痩せ過ぎていて、冬毛から夏毛に変わる時期ですから毛が抜けているのはわかりますが、それにしてもほんとにみすぼらしい姿です。

やがてそんなに急ぐこともなく彼は山の藪に姿を隠しましたが、こんなに痩せて勢いのないムジナを見たのは初めて。病気なのかな?それともこの歩き格好はよくあるムジナの擬死と似たようないわば彼のお芝居で「ムジナ特有の生きる術なのかな?」などとも思ったりした、おどけたようなムジナとの出会いでした。