小花たちの春賛歌

天気予報士さんが「貴重な晴天を活かして」と知らせてくれたきのうは、中途にしていた田んぼの水切り仕事をしたり、トラクターの装備を除雪用から耕起のロータリー用へ交換するなど少しずつ春作業の段取りに入りました。

用水路のゴミ上げなどまだ準備作業はほかにいくらでもありますが、なかなか若い頃のように「いっきにすべて」というようにはいかなくなっています。それに、田んぼの雪こそなくなったものの、まだ4月の上旬ですからそんなにワラワラとあわてなくてもよいわけです。

ひととおりの作業を終えてからの午後、自宅そばのチヂザグラ(土桜・イワウチワ)がまもなく咲きそうになったのを見て、カダゴ(カタクリ)などの小花たちをながめに沼又沢に向かいました。

国道閉鎖地点より奥はもちろん歩きですが、しばらくの間はまだ除雪はしていないのに道路に雪がなく楽に上がれます。4月上旬でこんなことは初めて。

渓流に落ちた雪崩によってできる「雪の橋」も今年は極端に規模が小さく、下旬まで残っているかどうか。残雪上の道のない春山歩きで、雪解け増水濁流の深山渓谷を渡る時には「雪の橋」がないと回り道を強いられやっかいなことがあるもの。どうやら今年はそんなふうになりそうです。

雪消えが早いので、入会林野や国有林にはチャワンバナコ(キクザキイチゲ)とともにカタクリもすでに花盛り。国有林に入ったら雪解けの遅い道ばたのフクジュソウもそれらに加わり、その様子は小花たちがコーラスで春を讃えているようにも見えます。国有林でフクジュソウを見られるのは村内ではここだけかな。

流れのそばには、毎年ここでいただいているユギノシタキノゴ(エノキタケ)もおいしそうな黄金の色に輝いていました。