成瀬ダムの転流式

成瀬ダムの本体工事が今年夏に着工となる運びで、それにさきがけて行われる成瀬川(北ノ俣沢と赤川)の流れをトンネル(上下段2本とも平成24年度完成)に仮排水する転流式がきのう26日に行われました。

転流式は当初、旧国道の橋の上で行われる予定でしたが、当日の橋上は晴天ながら風やや強し。テント設営などの安全確保を考えたのでしょう、このため式典は急きょ上段仮排水トンネル(洪水時の流水用トンネル)内で行われることに。

式典では、本体工事中に通常時の流水が通るもうひとつの下段仮排水トンネルにむけて最初の転流が行われました。太古から続いたであろう河川の流れが約1.3㌔㍍にわたって数年間切りかえられ、ダムの堤体工事は夏頃から始まる予定とされています。

ここの河道筋は、昔からイワナとカジカが多く、砂防堰堤までのあいだには多くのウグイも共生していた魚のとっても豊かな渓流で、私も若い頃から魚獲りによく通いました。トンネル近くのひとつひとつの淵と瀬は、私にとって村内外の多くの方々と魚獲りや水浴びで戯れた、いっぱいの忘れられない思い出がある所でした。

魚たちの様子は今も同じだったようで、1.3㌔㍍区間に棲息していた大小のイワナやカジカなどは、転流とともに捕獲され、また川に「引っ越し放流」されます。この日の転流式でも、村の保育園児たちによってその一部の魚が放流されました。

こちらの予想どおり、ずいぶん大きなイワナや最大級のカジカ(メスはおなかに卵をもっている頃かな)も見られました。越冬明けの魚たちは、これまで経験したことのない変化に「これは、何事ぞ?」と感じたでしょう。