巣立ちの春

9日は3月議会の本会議2日目で、一般質問が行われました。今回は佐々木正利議員一名だけによる質問。一般質問が1名のみというのは最近ではあまりなかったことです。

この後13,14日には予算特別委員会の審議が行われます。市町村の多くに共通する課題を巡っても、そして個別のわが村の政治についても、諸々の課題が山積しておりますので、特別委員会の審議にむけて議員各位の準備が入念にすすめられているでしょう。

9日の開会冒頭、東日本大震災で亡くなられた方々への追悼として黙祷を行いました。翌日の10日は東京大空襲の日で、これによる死者は10万人以上。東日本大震災の死者と行方不明者は1万8,434人。未曾有の自然災害と人災、尊い命が一瞬にして奪われる災害の恐ろしさを忘れられない日々となりました。平穏なくらしが奪われた原発事故による避難の方々の「今」にも心が痛みます。我が家では、テレビのニュースが流れる度に「普通のくらしが奪われて、ほんとうに、大変なことだ」と何度も何度も語り合っております。

▼10日は中学校の卒業式と祝賀会へ。「笑顔あふれる、まとまったクラス」ということをお聞きした今年の卒業生は21名。これまでは義務教育でしたが、これからはよりいっそう「自分から進んで学ぶ」心がけがもとめられる場に身をおくことになるみなさんです。持ち前の明るさを発揮されて、今後の大いなるご活躍を願いたいものです。

卒業生と在校生による全校合唱は、村の小中学生たちが歌詞を考え、県出身の橋本祥路先生作曲の、村をたたえる歌「ふるさとの歌~悠久の風にのせて~」。式典会場全体に響き渡る心こもる見事なハーモニーは胸にせまりました。この合唱曲はほんとにすばらしい、いつお聴きしてもいい歌ですね。インターネット、ラジオやテレビなどで全国のみなさんにお聴かせしたいほどです。

ところで、今年の卒業生の中には、村への特別な縁がまったくないなか埼玉から移住されたご両親のもと、この村で誕生となり、東成瀬中学校を卒業されたHさんがおられます。一定の人口を保つうえで村も移住や若者定住をことのほか重視していますが、今から18年前のご両親の突然移住には私も少々驚いたものですし、なによりも大歓迎、喜びでした。

豪雪の村へ移住、そして生をうけてからの10数年、ご両親と、Hさんのこの日にのぞむ心境は又格別のものがあったと思われます。すべての卒業生と保護者のみなさんおめでとう。そして、Hさんとご両親へもそういうことで格別の思いをこめて、おめでとう、です。

▼前日の卒業式よりなお穏やかで温かだった11日は、久しぶりにまとまって訪れた童たちと雪上の時を過ごしました。河川敷でいつものようにブランコ、伏流水でノゼリとクレソン摘み、雪解け水が流れ始めた成瀬川の岸辺では、生きもの好きの童が「あっ、虫いる」と小石の下や水中、泥の中からつかまえて戯れ、また、バッケの見え始めた道ばた散歩にも出かけてと、訪れた春のしるしをまた一つ、二つと確かめるひとときを過ごしました。