くらしをささえるヘギ(堰・用水路)

各集落で積雪2㍍~3㍍超えを記録した豪雪の村とはいえ、空の様子、雪の色(積もった雪にも降る雪にも)、吹く風、木々の色、それに時折の陽射しにと、もう3月、雪国人は「春近し」をとらえはじめています。

豪雪の村の人々が冬を越すうえで最も頼りにするのはヘギ(堰・用水路)。

わが集落にある遠藤堰(エンドウゼギ)もそのひとつ。今冬は、村の山々に適度な間隔で降雨もあったためか、各河川の水量も2月のもっとも水量減となる季節でも安定した流れが保たれ、ヘギにも十分な水量が引かれました。

おかげで、豪雪であったにもかかわらず、わが集落では「流雪溝などに水が足りない」という苦情もほとんど聞かれずに冬を越すことができました。

ヘギは冬の役割をまずは果たし、5月にはたんぼへの用水としてまた大切なつとめに入ります。ヘギにかぶさる雪もまわりの雪も、あと1ヶ月と少しですべて消えてしまいます。解けない冬はない、自然の力って、ほんとに大きいものですね。