花の百名山、初夏の焼石山行(その3)

秋田側コースからの登山者の中ではこの日二番手となった我々でしたが、岩手側からの登山者がいつものように多く、泉水沼で一服しこれから頂上へという多くの集団が眼下に見えます。秋田側コースにも、南本内岳コースにも、夏油・東焼石岳方面コースにも、そして最も登山者が多い中沼とつぶ沼合流コースにも、頂上に向かってくる姿が次から次へとあらわれます。花の素敵な横岳や、姥石平をはさむ周回コースに向かう方々も見えます。

相変わらず頂上は東風がやや強く、日本海側の空とはちがって厚い雲が胆沢平野を覆い、ガスも勢いよく流れます。幸い、我々が頂上にいる間には360度の展望を満喫。西に今年はとりわけ雪渓の大きさが際立つ雄大な鳥海山、同じくその南に雪がこれもまことに多い月山、すぐとなりの栗駒連山、北には岩手山、やや東に寄って早池峰、東に遠く見えるのは五葉山あたりでしょうか、東北の名山群を前にして「あれは00山、こっちは00山」と確認し合ったり教え合ったりする声が、登山者でにぎやかになった頂上に流れます。

ヤッケをまとい我々も時間の早い昼食へ。南の森(西焼石岳と記す出版物もあるが、地元岩井川では昔から「南の森」と呼ぶ山。ちなみに南本内岳も地元では「権四郎森」と呼ぶ)を真ん前にして鳥海山をながめながら、熱いコーヒーで体を温めながらのお昼です。

ここまで来てこの季節なら、姥石平のハクサンイチゲやチングルマは必見。今日はそのために来たようなものでもあります。頂上からも、遠目の効く私の目には眼下姥石平のハクサンイチゲが白いじゅうたんとなって見えます。

岩手側コースに下山し姥石平を経て8合目に周回して来るまでが今日の最大の花園見学コース。花盛りのハクサンイチゲとミヤマシオガマ、イワウメ、チングルマ、ユキワリコザクラ、ヒナザクラ、イワカガミ、ミネザクラやムラサキヤシオツツジと、それこそ花の百名山焼石の第一ステージの初夏の花群落に春の花たちも彩りを添えてくれています。

天空の花群落に「これなば、きれいだ。ええなぁ」と圧倒され、娘の口からは「母さんに、この花見せたい」の声が漏れました。帰りもまたキヌガサソウを拝み、娘は「岳のすず水」をお土産としてボトルに詰め、こちらはブナの枯れ木からワゲ(ヒラタケ)を、登山道脇からはタケノコをいただき、クマの新しい糞を目にしたり、めずらしくサンショウウオとカエルがくっつくように隣り合わせて産んだ卵を見たりしながら帰路に。車到着2時50分、日帰りにはちょうどよい山行で歩数計は約3万歩を刻みました。タケノコ採りの車はほとんどすべていなくなっていました。

この日行き交った登山の方々、相変わらず中年男女の10人前後の混合も多いですが、ご夫婦らしい、恋人同士らしい方々もみられました。女性だけという集団や、70歳代と思われる方々もおられて「おっ、たいしたもの」と感心も。それに、ファッション雑誌からぬけ出てきたような素敵な衣装をまとった青年や若い女性たちも多く、女性の単独登山も幾人かみられ、「焼石岳も、さぞ喜んでいるだろうな」などと思ったりもしました。

▼村議会6月定例会議は2日目の本会議をきのうひらき、佐々木正利、佐々木健夫、佐々木悦夫、佐々木修の4氏による一般質問が行われました。また3件の陳情審議はすべて採択となり、予算特別委員会では付託された議案をすべて審査・可決しました。