6月半ばで、わが集落向かいの里山・大沢の雪崩跡に雪が見え、焼石連峰のひとつ「さんさげぇ・三界山」の麓に秋田側から残雪が見られるという雪解けの遅い今年。秋田側とは反対となる三界山の東側、セグラ沢の谷筋にはこちら側とは比べものにならぬほどの大量の雪があるでしょう。
天正の滝のさらに上流、合居川の源流部となる三界山の裾には、わが集落からその流れが見えます。それは「ヨロイの倉」という崖面のそばにある通称「ヨロイの滝」で、この滝も、遠目ながらいつもの同じ時期より水量が多いように見受けられます。
おととい、田のクロ(畦)の草刈りを仕上げてから、その下流にあたる深山のブナの森へちょっとの時間むかいました。
目的は、雪崩のそばに芽をだしている山菜。遠くからはよく見えませんが、深山には到る所に雪崩落ちた厚い雪の残る谷があり、そこでは山菜が次から次へと新芽を出し続けています。
こちらが「ちょっとの時間」で行ける範囲での山菜採りはこれがシーズン最後でしょう。ウド、アザミ、シドケ、アイコ、ウルイ、それに「こんなに大きな新芽は見たことがない」というコゴミなどが雪のそばで食べ頃です。
雪崩の直撃を受けたブナ倒木には、村ではほとんど食べる人のいないヌメリツバタケの仲間も出ていました。近くで見ても、傘の表面はワゲ(ヒラタケ)にまことによく似ているキノコですが、裏のヒダ面を見るとまったく別物。「クセのない風味で、様々な料理にむく」とガイド本には書かれていても、私は一度も味わったことがないので、こんど試してみようと思います。
ちなみにこのキノコ、わが集落には食べたことのある方もおられて「チャワンモダシ」という村らしい名前までつけられています。「風味にクセがない」ということは、味も素っ気もないということでしょうか、ダシ次第でうまさの決まるキノコとおぼえておけばよいようです。