川遊び最適シーズン入り

きのうは町村議会議長会が関係する今後の活動などについて県議長会事務局と打ち合わせを行いました。今年は、地方も全国も関連団体の役員改選が多く行われる年にあたり、それぞれこれから決まる新しい体制で会の運営が為されて行く予定です。

今日は6月定例会議の最終日となり、議案審議が行われます。補正予算案などはすでに審査付託の常任委員会ですべて可決の報告が届いています。

▼成瀬川もその支流も雪解け水のシーズンがほぼ終わりとなり、流れはようやくおだやかになりました。

鋭い痛みで人を刺す大型、中型の吸血昆虫・アブ類(ツナギ・トシベ)のまだ発生しないこれからの季節、夏日、真夏日となる晴天の川は絶好の心癒やしの場、水遊びの場となります。川の水はまだ真夏ほどに温くはないのですが、晴れ空なら体がすぐ温るのでだいじょうぶ。

過ぎた休日、久しぶりに訪れた童とともに自宅前の川辺を散策。流れが落ち着きゆるやかになったので魚など川に棲む生きものたちとの出会いも難なくできます。岸辺の石をおこしてカジカやカジカガエル、水棲昆虫などに触り戯れました。家周りの支流では時々見かけますが、本流にはめずらしいスナメロ(スナヤツメ)の姿も目に。砂地にはアリ地獄もあり、それを掘り返して後ずさりする「地獄の主」ともご対面。川原に咲く花にも立ち寄りました。

ここら辺りの河川敷はクマの足跡や目撃情報が絶えない獣道となっている所。最近はクマに加えてニホンジカやイノシシまでもが目撃されています。そんなこともあって、二人で時々「オーッオーッ、ホーッホーッ」と大きな声で彼らと出会わないよう心がけての散策でもあります。

一般質問終わる

11日、4議員による一般質問が終わりました。

一般質問は二元代表の一翼を担う議会として、もっとも重要な活動のうちのひとつです。したがって、質問する議員はこれに全精力を注ぎます。答える執行当局側も同じでしょう。

私の体験からして、一般質問の内容・目的にふさわしい質問を用意するためには、行政の監視、政策提案、政治に寄せる住民の声などをふくめ議会と議員に課せられている職責をよくつかむことがまず求められます。その前提に基づき質問の骨組みを準備したら、それらについて、あらゆる角度から事前の調査(実態の把握)などにつとめて質問の精度を高め、質問に対する的確な答弁を引き出せるよう、まさに勉強、努力の日々でした。そのためには多方面の角度からの「資料請求・収集」や時には「聴き取り」も必要でした。

質問に即した内容が一回目の答弁ですべて返ってくるならば問題はありませんが、内容によってはそうでない時のことを想定するなどしての再質問の用意が必要な時もよくあります。再質問は、基本的にはあくまでも通告した質問に対して明確な答弁がないときに為されるものであり、ほかに、質問、答弁を通じた結果、論点をより発展・深めての再質問ということもありえます。しかし、基本は「通告」制度を尊重するということです。

いずれにしても、質疑がより柔軟な議案審議とちがい、質問内容の通告制度が設けられている一般質問では、内容をより練り上げ、通告に質問趣旨をすべて盛り込み「一回目の質問でたずねるべきことをすべて聞く」ということにできるだけ徹するよう心がけた当時の体験を、この一般質問の日にはよく思い起こします。

議員の活動の指南書ともされる「議員必携」にもよく記されている一般質問についての心がけ。それを手元におきながら議員各位は質問を準備し、質問席に立ちます。「心がけ」に照らして、11日の質問と答弁の結果をみなさんはどう受け止められたでしょうか。

この日は、村婦団連のみなさん8名が傍聴に見えられました。女性のみなさんがこうしてまとまって傍聴に来られることはめずらしく大変うれしく思いました。数年前までは村議会にも女性議員がおられましたが、現在はいません。こういうことを機会に、村の政治と村議会に関心をもたれる方がより多くなり、女性議員ができれば一人とかでなく半数になるほどの村議会になるよう、傍聴されたみなさんからなどを通じて「議会への挑戦・参加、女性の声の広まり」をぜひ期待したいものだと思いました。そういう意味で、個人はもちろんですが、ほかの団体のみなさんも傍聴にどんどんお出かけください。

▼週末から休日にかけては田んぼの畦草刈りでした。「6月としては異例の最高気温」報道が全国的に聞かれる夏日、真夏日のなかですから、これはほんとに汗をかきかきの作業です。早苗はまずまずで生育し、そろそろ葉っぱが垂れ生長に勢いが見えてきました。これから茎の分けつが盛んとなり、田んぼの水面は日を増す毎に緑を濃くするでしょう。

花の百名山・焼石岳(その6)

さて、予想以上に「秘密の花園」大群落は花真っ盛り。花、水、萌えたばかりのブナの新緑、背景の三界山に空の青と雲、これ以上はないという絶景から元気をもらい、小学生の頃から毎年イワナ捕り(水中メガネでの手づかみや、ヤス突き)、釣りを楽しんだ小さな湧き水の流れに竿をのばす。釣り糸を垂れ流した瞬間にひきがあり、すばらしい赤ひこ(ヒレがオレンジ色なので、ここのイワナを昔から村人は赤ひこと呼ぶ)イワナがミミズに食いついてきた。これだとかなりの釣果が望めそうだ。が、時間がないのでこの一匹で今回は止めにした。釣りは補足の山行きだったので。

釣り道具をリュックにしまい込んでいたら、さっきの彼女が目の前の雪上に姿を見せた。残雪の足跡をたどるよう案内はしたものの、こういう雪上で登山者は迷いやすい。やや心配していたので、姿を見てまずはひと安心。頂上を目指せなかっただろうが、この「秘密の花園」を観賞出来るから満足だろう。ここは、登山者にとってそれほどに魅力の深い花景色の地。いわば小楽天のような湿地であり、清水の流れ音が心地よく耳と心に響くところだ。語りのなかで彼女もさっきのクマを目にしたと聞く。クマは三界山から畚(もっこ)の方へ移り、彼女の視界のよく利くところに現れたのかもしれない。

彼女はしばらく「秘密の花園」の景色に見とれカメラをむけている。こちらは先にそこを発ち、途中、サンショウウオの卵を目にしてからすずこやの森コースに入る。下はすぐ姥懐の駐車場だが今回はこれからすずこやの森までしばらくかかる。車が向こうにあるのだから仕方がない。

ところで、下山中の胆沢川支流の渡渉は、雪解け水でやや増水していた。雪国の春山登山慣れの方はご承知だろうがそのことは頭に入れたほうがよい。里と違い深山は残雪が遅くまで多いから下山時には増水する。豪雪の冬を経た今年はなおさらだ。この程度の増水ならどうということはないが、4月末から5月半ば頃に川を渡るクマ狩りや、深山へのゼンマイ採り、これからのタケノコ採りでは、雪解け水や降雨による午後から夕刻時の川の増水・荒ぶる激濁流をもっとも恐れ気を払う。過去にはその渡渉で命を亡くされた方もいる。

下山の最後に、コース尾根途中の見晴らし地点から焼石方面をながめ、はじめてゆっくり腰を下ろして眼下の大森沢のブナ林を見つめる。ここは50年以上前にブナの伐倒と搬出がされ、こちらも春山雪上の伐採木根元の深い雪掘り、バチゾリ運材や集材機による県境尾根越えの運材搬出をした森だ。雪上の作業では、岩井川集落から雪道を歩いて県境峠越えし、通称「はっぴゃくやあご・エシャガのあげ(八百八歩・胆沢川の上げ)」を日々往来した、その峠がこの尾根だ。

伐採後の切り株にはナメコが栽培された。むらの女たちとともに秋にはそのナメコを背に、大森山トンネルのない当時、歩いて県境の「上げ(峠)」を越えた山だ。大森沢は、私の多くの青春時代を思い出させるところでもある。ここの崖は気流がよく昇るところ。ブナ林の上空にはその気流に乗り悠然と舞うタカの仲間の姿が見えた。

昔をしのびつつ、猛禽類を目で追っていたら、「秘密の花園」を観賞した彼女も下ってきてその見晴らし場に立ち寄った。眼下の森のそんな往時も少しだけ彼女にご紹介した。これから仙台まで帰るのだろう、ほんとに元気、たいしたものである。

それから上り下り経由で車到着が4時半。約4万歩をスマホは刻んでいた。途中にあった「帰りに採ろう!」としていたユギノシタキノゴ(エノキタケ)は、いずれかの登山者かタケノコ採りの方の手にされたらしく一片もない。昔から「アネコ(娘)とキノゴの見置きはアデにならねェ」との愉快な言い伝えがあるが、アネコは別にして、キノコの見置きはこのようにほんとにアテにならぬもの。

久しぶりに遅い家路となった。帰宅後、絶景の写真や清水の土産とともに、そんな「秘密の花園」ご案内の1件やキノコのことなども妻へのお土産話とし、笑い合った。

花の百名山・焼石岳(その5)

下りてきたら青空の範囲が多くなったので、朝とはちがった焼石沼風景を眺める。30㌢クラスのイワナもふくめ次から次へと岸辺にも寄る。越冬でおなかを相当空かしているのだろう。エサをもとめて必死の様子だ。

今から30年ほど前の1990年9月2日の山行の際、この沼で釣りをしていたある青年がいた。当時の沼にもイワナとともにニジマスが見られ、むしろ釣れるのはイワナよりもニジマスのほうが多い年が長く続いた。その青年は、古来から沼に棲息のイワナではなく、放たれたニジマス釣りをめざして来たのだ。ニジマスは短角牛の放牧に関係する方々が稚魚を放しそれが自然孵化して増え続けたもの。我々が子供の頃、昭和の時代のことである。青年はその日62㌢のニジマスを釣り上げ岸辺で泳がせていた。写真はその時の記念の1枚で、新聞記事に載せたものである。青年は「刺身が最高だろう!」とこちらに語った。

放流されて以後のニジマスは自然孵化を長く続けていた。沼のほとりに建つ赤ベゴ(短角牛)放牧組合の監視小屋では、沼や沢で獲れるイワナよりも多く小屋泊りの方々の貴重なおかず、晩酌の肴として利用された。子供たちの竿でもいいかたちのニジマスがよく釣れ、夏休み、小学生だけでの焼石キャンプでも、焼いたイワナとニジマスをよく食べた。

そのニジマスの子孫は現在も棲息している。イワナは大小泳ぐ姿がとても多く目に入るが、ニジマスはなかなか岸辺では目につかない。数は少ないだろうが30年前のような60㌢を越える大物がいるかもしれない。こうなれば、漫画の世界に出てくるような高原の沼に棲む「幻のニジマス」と言いたくもなる。イワナは水面にうかぶ何かを食べるのだろう、時々水を緩く跳ねる音がし、所々でその波紋も広がる。

沼の分岐には先に記した4人の登山者がいる。こちらと同じ年代ほどの方々とみえる。昼食をとったらしく、これから上をめざすようだ。岩手からの方々だという。男性3人、女性1人のグループで、「林道の方から入ってきた」と告げた。焼石には通い慣れた方々のようだ。こちらのように早朝に来た時間とちがい、除雪作業などのための「立ち入り禁止」の閉鎖が解けた後で、三合目登山口の駐車場(ンバシトゴロ・姥懐)まで車で上がってこられたのだろう。

少々の会話の後に下り、雪に覆われているタゲのすゞ(湧水)の流れから大小のペットボトル2本に水を詰める。焼石山行恒例の妻への清水のお土産だ。昔は妻や子たちとの家族連れ、友人一行の家族連れでよく泊り通いした焼石だが、いまの妻にこれだけの距離を歩くのはムリ。土産の湧水はいつも妻のコーヒーで飲まれる。

なごり惜しくキヌガサソウをまたしばらく眺めてサヨウナラをし、ブナ林に入ってすぐにムラサキヤシオツツジの素敵な花びらの前でも立ち止まる。

と、そのすぐ後のことであ る。残雪のある登山道から三界山に目をうつしたら、斜面の濃い緑の中に妙に黒い一塊の色がある。長年のクマ狩り体験と勘から「おかしいな?」を直感。三界山頂上直下の濃い緑は主にサグ(エゾニュウ・ミヤマシシウド)で、茶色がかった薄い緑はネマガリタケノコの出るチシマザサ。いずれもこの季節のクマの大好きな食べ物のある斜面だ。「黒い一点は、クマだ!」とにらんだ直後にその黒い塊がブワーと大きく横に拡がった。まちがいなくそれはクマ。エゾニュウの茎を食べながら斜面をゆっくりと横切り東へ移動中だ。大きいクマだ。

雪崩れて雪解けの早い斜面のサグは草丈がかなりのびている。クマの全体像はそれに隠されよくとらえられず、手持ちの望遠でなんとかその一部の姿を写真におさめた。4年前の6月にもこの斜面下の雪渓で大きなクマを目撃し写真にしているが、それとさほど変わらぬ手足や首の太さ、風格ある胴体周りの大熊だ。

見ていたら下山してきた岩手の方々とまた居合わせたのでクマの存在を知らせた。彼らもカメラを向けている。クマがどんな動きをするか「ほおーッ、ほおーッ」と大声を何度もたてて叫んだが、クマはその瞬間こちらを振り向いただけ。クマがこちらを向いている写真はその時の一枚である。後はいくら叫んでも平気の平左で食事に専念している。声は届いているのでこちらをわかっているが、人など完全に無視だ。こういうことはよくある。長年、世間を渡り歩き生き抜いてきたそうとう図太いクマなのだろう。

動画も撮りながらしばらく眺めるが、いつまでもこうしてはいられない。この日の最後の目的であった湿地のミズバショウとリュウキンカの素敵な群落を眺める楽しみが残っている。

後のイワナ釣りもある。クマのおかげで時間を要してしまったのでやや急ぎ足で下ったら、単独で登ってくる女性の方と行き会った。あいさつを交わし合ったら、仙台の方だという。5月末、国道397号が開通したのにあわせて林道側から焼石へ登ろうとしたら雪と倒木などがまだあり車が駐車場まで入れなかったらしい。それで今回はこちらと同じで「すずこやの森」側から入ってきたという。ということで彼女は今春2度目の焼石入りらしい。

「すずこやの森側からだともう少し早くなければダメと思った。入山時刻が遅かった。時間を要したので、これから頂上まではムリ。焼石神社までは行きたいが、それもムリのようなので焼石沼で折り返す予定……」という旨を彼女は語った。

彼女はその後に「途中に、ミズバショウとリュウキンカの美しい『秘密の花園』というところがあるそうですが、そこがどこかわからなくて…?」という旨も遠慮がちに語った。花の百名山・焼石岳の魅力を紹介し村への来訪を望んでいる者として、たずねられたそういうご希望に応えないではいられない。今年は雪が多くまだヤブ漕ぎせずに雪の上だけを歩いてそこまで行ける。ちょうどこちらもそこに寄る予定だったので、「雪に、こちらの足跡をつけておきますから、それに沿って歩いて来てください!」と伝え、とりあえず彼女とは離れその「花園」をめざした。残雪の季節、そこには今日最後の絶景が待っている。

花の百名山・焼石岳(その4)

南の森(西焼石岳)の裾全体は、昔、自然放牧された村の短角牛が草をよく食んでいた所。

その南東部の湿地や横岳、獅子鼻岳の西南部を源流とする沢は、細鶴沢、風生沢、大岩沢、小岩沢、合ノ沢などがあり、若い頃に山歩きを楽しんだ沢や尾根だ。下りながら眺める栗駒、東山方面や古道・手倉越(仙北街道)筋に延々と連なるブナの緑も見飽きない。

横岳分岐に近づいたら咲き始めのハクサンイチゲが目につく。いつものように花の横岳コースにまずは入り、今度はユキワリコザクラとヒナザクラを観賞する。キヌガサソウとともにこれら3つの花も今日のお目当てだったのだ。

生長度合いの違いや地質など環境のちがいもあるからだろうか、姿形様々のショウジョウバカマも今日は朝からずうっと登山道沿いに途切れない。

泉水沼から焼石頂上をのぞみつつ、夏油・東焼石岳方面コースの分岐から姥石平へまわる。

ここからは、花はやや早いもののハクサンイチゲとミヤマキンバイ、ミネザクラ、ユキワリコザクラ、ヒナザクラと、まさに百名山花見の道となる。もう少し経てば、ここはハクサンイチゲの大群落にミヤマシオガマも混じる花のじゅうたん道となる。

夏油コースと分かれて焼石神社方面に向かうが、こちらの道は今年の人の踏み跡がまだわずかしかない。この道筋では評判のヒナザクラもチングルマも花はひとつもなし。やっと雪が消えたばかりで、夏に最も遅くまで雪渓が残る南本内川の源流部には、深さ10㍍をはるかに越えるだろう、スケールの大きな雪渓がひび割れ状態で積もり固まっている。

もう少し経てば、サラサドウダンやオゲッコツツジ(ウラジロヨウラク)も咲く花木の道となるコースだが、それらの花もまだまったく早い。やはりここもようやく咲き始めたミネザクラの独壇場で、樹下にはひっそりと咲くヒメイチゲがわずかに目についた。

ぐるっとまわって9合目から下りる途中、食べ頃のサグ(エゾニュウ・ミヤマシシウド)とミズバショウの茎が倒された食痕がある。クマの仕業だ。

登山道のすぐそば権四郎森(南本内岳)の南部裾には、夏でも滔々と清水の湧き出る斜面がある。雪を渡ればすぐ先だ。湧口からは勢いよくおいしい水があふれ出していて、そのまわりにはシラネアオイのちょっとした群生地がある。花盛りの群落は見応えがある。登山道の雪渓にはクマの新しい糞もある。さっきサグの食べ跡があったクマのものだろう。

登る時には時間が朝で花を閉じていたコミヤマカタバミも清楚な花姿を見せるようになっていた。ここまで来たら足がかなり疲れ気味。沼で大きなイワナを眺めながら休憩をとる。後に、ここではじめて秋田側から登ってきた4人の高齢者グループと行き会う。

花の百名山・焼石岳(その3)

花の百名山を象徴するうちのひとつタゲの沼(焼石沼)の草原は雪解け直後で花がほとんどない。今ならミネザクラが素敵なのだが、それもまだつぼみにすらなっていない。こんな時もあるのだと、三界山を背景に芽吹きが見られないそのミネザクラにカメラをむけた。

5分ほどの休みで沼のほとりを発ち、リュウキンカとミズバショウを眺めて歩き始めたらいきなりクマの新しい糞がある。まわりはクマの大好きなサグ(エゾニュウ・ミヤマシシウド)のまだ軟らかな茎やミズバショウがいっぱいだからここら辺に居着くクマは多い。糞はそのうちの一頭のものだろう。

クマ公は、おそらく登山道から遠くない藪で休んでいるのだろう。ラジオの音を上げ、時々声を出して進む。ここからの今の季節の道は、シラネアオイ、ミネザクラ、ミヤマキンバイなどを主とする花の道となる。三界山と焼石沼を背景の花景色が美しく、何度も振り返りながら9合目分岐、タゲの神社(焼石神社)に着く。新型コロナ禍、諸々の安寧を願い今年初の参拝を済ませて頂上をめざす。ここで頂上方面を眺めたら、こちらの先を行く登山者が一人見える。岩手側3コースのいずれかを来て周回し頂上に向かう方らしい。

岩にハイマツの濃い緑、そこに花盛りのミネザクラ。焼石のなかでも自然の庭園として最も美しい場所を通る。いつもなら、そろそろ岩のまにまに咲くチングルマが美しいところだが、それは花どころか蕾すら見えない。

頂上には10時着。写真を撮りながらとはいえ歩き始めから4時間半もかかっている。すずこやの森側からだとやはり遠い。ここまで来たら足にやや疲れを感じた。

雲で遠望は隠され岩手山や早池峰、月山など東北の名山は望めぬが、栗駒など近場の山々は雲間から時折姿をあらわす。頂上はやや風はあるものの寒くはなく、まずは南の森(西焼石岳)やサンサゲェ(三界山)、権四郎森(ごんしろうもり・南本内岳)、手倉越(仙北街道)の尾根など360度の展望を楽しむ。

この季節の頂上の眺めで魅力のあるのはなんといっても雪渓だ。豪雪の冬だったので雪渓も雪田もいつもの同じ時期より雪ははるかに多いように見える。頂上東部直下の裾にも雪渓が大きくあり、登山道を下らなくてもほぼ雪上だけですぐ足下から姥石平の周回コース、南本内川上流部にたどり着けるほどだ。

焼石連峰のうちでは残雪が最も多い箇所のひとつ南の森(みなみのもり・今は西焼石岳という名がついている山)裾の雪渓は、景色としては格段の美しさをもつ。その下の湿地も雪が多い。焼石岳よりも山体がぐんと大きく秋田側から見てよく焼石岳とまちがえられるこの山へは登山道がない。雪山歩きや、山スキーを楽しむにはあつらえむきの嶺だ。10数年前に雪の上をのぼって以後この頂には立っていない。

こちらと同じ時刻に頂上にいた登山者は、岩手側から登ってきた若い男女の連れだけ。彼らはすぐに下った。こちらも自宅に電話を入れ、頂上のシラネアオイやミヤマキンバイを眺めながら15分ほど休んで岩手側コースの姥石平・横岳方面へ下りる。その先には、初夏の花の百名山を象徴するユキワリコザクラ、ヒナザクラ、ハクサンイチゲの楽しみが待っている。

▼11日に行われる一般質問には、4人の議員から質問通告が出されました。内容は議会ブログをご覧ください。

6月定例会議はじまる

4日に開会の6月定例会議は予定通り行政報告と議案説明を行いました。本会議の後には常任委員会が開かれ、陳情2件を審査しいずれも採択としました。

ところで、県町村会の理事会が去る2日に開かれています。この会議では役員改選が行われ、佐々木哲男村長が会長職に再び選任されました。3期目の会長職就任のお祝いを開会のあいさつで申し上げたところです。

時にこういう偶然もあるもので、県町村会と県町村議会議長会の会長をいずれも村の人間がつとめるということになりました。以前をふりかえれば、井川町でもこんなことがありましたが。

今日は、11日に予定している一般質問の通告締め切り日です。金曜日の時点ですでに2名の議員から正式通告や予告があったようですが、締め切りの正午までに最終的に何名となるか注目です。

週末から日曜は薪切りに集中したり、湧水から引いている自家用水道の一部配管換えなどに汗をながしました。みんな、今度来る冬にそなえての作業です。

花の百名山・焼石岳(その2)

やや距離の長い山行なので出発は早朝とし、すずこやの森からの歩き始めは5時25分。
頂上などで人が多く会話の時もあるだろうと、マスクをポケットに入れての山入りである。

駐車場には、登山者はもちろんタケノコ採りの車もまだない。ここからの県境の尾根の一部は、若い頃に岩手側から集材機で大森沢のブナ材を択伐・搬出(利用する材だけを選択して伐採・搬出すること)した時の拠点であり、狩り、雪上登山でもよく歩いたところ。

今年は登山道にことのほか残雪が多い。それでも初夏の花イワカガミが咲き始めている。このコースの登山道はほぼ尾根上をまっすぐ北に延びる。その尾根の冬は、横手盆地と成瀬川を渡って吹きつける西北の季節風をまともに受けるところ。さらに県境のすぐ東端は急峻な崖が多く、風雪はここで溜まり大量の雪庇をつくる。なので、登山道には雪解けの遅い場所もあり、サンカヨウ、ショウジョウバカマなど春の花たちが今も所々で見られる。

姥懐からの登山道と合流するまで1時間近くかかった。歩く時間が往復2時間弱これまでより余計にかかるわけで、「予定通りの行程が出来るかな?」と、少々の心配がうまれた。
急に雲が厚くなりパラパラと雨も落ちてきたが、雨具を着けぬままのうちに降りは止んだ。

分岐で合流してすぐにブナの切り株にユギノシタキノゴ(エノキタケ)が出ている。今年は野生のエノキタケ、ヒラタケ、シイタケがめずらしく極端に不作の春だったが、このキノコは肉厚で勢いがよい。「帰りの土産にいただこう!」とそのままにして上がる。紫色鮮やかなスミレの仲間が花見の対象に加わる。五合目シャガヂアゲ(釈迦ざんげという名もついている)はイワカガミやミツバオウレンが美しいだろうとそちらへ上がり小休止。

栗駒山方面も、これから登る焼石方面もよく見える。朝早くなので、手倉越(仙北街道)方面のブナの樹海を覆う霧景色もなかなかの見応えだ。雪解けの遅いこの地点では早春の花カタクリも咲き始めの姿で見られる。以後の登山道沿いには、姿かたち様々なショウジョウバカマとタムシバの花が咲き歩きを退屈させないでくれる。

胆沢川に下りたら、途端にそこは雪の多い世界。谷沿いはブナの新緑と残雪景色が所々に広がり、ツバメオモトが咲き始めている。オオバキスミレ、シラネアオイ、キクザキイチゲと、やはり春の花がまだ多い。登山道は所々が雪の道で木の跳ね上がりには要注意だ。

ブナが森林限界となる高原に入り、焼石沼近くの畚森(もっこもり)とタゲのすず(岳の清水)が近くなると、今日お目当てのキヌガサソウに満開で出会えた。エシャガイヂゴ(胆沢川いちご・ノウゴウイチゴ)の花とミズバショウも真っ盛り。リュウキンカは蕾も多いが花も充分に観賞できる。この花たちを拝めただけで今日の山行は充分だが、さらに上にはもっと多くの名花たちが待っているはず。それを期待して、清水の湧き口がまだ雪で覆われているタゲのすず(清水)で喉をうるおし、残雪が水面の一部を覆っている8合目タゲの沼(焼石沼)で小休止。時刻は8時30分。ここまで約3時間もかかってしまった。

花の百名山・焼石岳(その1)

今後の日程などをみて「この機会を逃せば、6月のタゲ(焼石岳)行きはできなくなるかも?」と思い、天気もまずまずと予報されたきのう焼石に向かいました。すずこやの森から入り、焼石岳から下って横岳方面へ少し入り、姥石平から南本内岳分岐を経由して帰るといういつものコースです。

早朝5時頃に自宅を出て焼石林道に入りましたが、林道除雪や倒木の処理などの作業が前日にされていたらしく、ましてや早朝だったので車はまだ立ち入り禁止状態。それで引き返し、急きょ「すずこやの森」側の登山道から5時25分の歩き始めとなりました。(林道は、この日の日中に登山口まで通行できるようになったようです)

おかげで、要した時間は11時間(写真や、わずかの釣りの時間もふくめ)、スマホの歩数計は約4万歩、いつもより往復滞在の時間がかなり長い山行となりましたが、花の百名山が最も早くに華麗さを見せる花そのものと、新緑、豪雪の年の雪渓、雪田など美しさあふれる景色を目にできました。途中では大きなクマやイワナ、猛禽類など生きものたちとの出会いもありました。

今日は、それらの景色と出会いの中から全体の様子を抜き出して載せておきます。

きのう、東成瀬村コース側から焼石をめざしたのは岩手の方4人(男性3人、女性1人のグループ)、仙台の女性の方の単独行、それに同じく単独行の私とで計6人。登山道に雪が多くあるので入山者が少なければ足跡ですぐに人数がわかります。日中、林道駐車場に車がもし多くあったとすればそれはタケノコ採りの方も含まれていたのでしょう。

仙台の女性は私と同じようにすずこやの森から入ったとお聞きしました。こちらのコースは時間がかかるので、彼女は8合目の焼石沼で引き返しました。これがこの春2度目の焼石登山で、この後すぐ山開きの6日あたりでしょうか、また岩手・中沼コースから登るそうです。70歳のこちらよりずっとお若い方と見えましたが、仙台から来て一人で登る元気さ、その脚力、体力にたまげてしまいました。ほんとに、山が、それも焼石が好きな方とお見受けいたしました。残雪が多かったので、彼女には柳瀞の花園もご紹介し、観賞していただきました。このことは、後にも記します。

こちらが頂上に着いたのは10時。その頃に頂上に見えた人影は若い男女の二人連れと、ほかに男の方1人。そして東焼石・夏油コース側に人影がひとつだけでした。

6日の山開きはお天気もよさそうですし、つぼみ状態もまだかなり多かった姥石平のハクサンイチゲももっと開き、それこそジュウタンのような白花の群落が見え始めるでしょう。きのうは、チングルマもイワウメもまだ開花ゼロでしたが、日曜になったらこれらの花も少しずつ加わると思います。月半ば前後は姥石平の花群落の第1幕のはじまりです。

6月定例会議の日程決まる

議会運営委員会が昨日開かれ、6月定例会議の日程が決まりました。ひきつづき議会全員協議会も開かれ提出議案などの説明が行われました。本会議は行政報告と議案提出の4日に始まり、11日に一般質問、最終日は15日となります。この間に予算特別委員会や陳情審査などの常任委員会が開かれます。議案などの内容は議会ブログを。

会議の前には新任の地域おこし協力隊の紹介や、村の食肉加工センターを新たに運営する会社側のあいさつの時間もとられました。

会議では、議会の先例(慶弔規定)一部見直しも協議・改定されました。

今会議では陳情2件も審議されます。

▼村の田植えもそろそろ大詰め。田植え時も田植え後も比較的おだやかな天気が続いていますので、一部ばか苗病におかされた苗以外は順調な生育をみせているようです。今後も気温は高めに推移するという予報ですので初期生育はまずまずで進む見込みです。

田植えが終わり田んぼに水が満面に貯められています。深山の雪解け水もそろそろ落ち着く頃と重なり、成瀬川の水量はぐんと下がり安定しています。

落ち着いたこの季節の川もまた素敵な景色として目に映ります。