タケノコ採り遭難の捜索

栗駒山麓・須川高原で金曜日にタケノコ採り遭難が発生、翌日の遭難救助活動に加わりました。

夕方、国道342号ですれ違った警察駐在所さんの車が、いつもの走る雰囲気と少しちがうおもむきで椿川方面へ上ります。それをみて「もしかしたら、タケノコ採り遭難発生かな?」と夕飯時に妻と語りました。

案の定、それからしばらくしての夜に電話が入り「須川湖のそばでタケノコ採り遭難発生。明日の捜索活動に出ることができるか?」との連絡が遭難救助隊の先輩幹部から入りました。やはり遭難発生だったのです。

遭難したのは宮城県大崎市の方で82歳の男性。男性と二人でタケノコ採りに入山し、「正午になっても待ち合わせ場所に帰らず」というものでした。同じ場所へのタケノコ採り体験が過去にもある方のようです。

捜索は18日夕刻に県警のヘリ「やまどり」によってまず空から行われ、いつものように夜から朝にかけては警察のパトカーが現場に常駐、捜索・救助につながる夜間特有の対応策がとられたようです。19日にも県消防の防災ヘリ「なまはげ」(写真)によって空からの捜索が行われました。同じ日の地上捜索隊は3班15名で編成され、さらに各班には横手警察署と広域消防署からも現場入りの捜索要員としてそれぞれの職員が加わります。

捜索は、入山地点の須川湖西南方面から小仁郷沢方面にかけてのブナ林内と笹藪で一度目の活動が行われ、その活動途中にいったん小仁郷沢で各班が合流しました。ちょうどその時、捜索していたヘリが「遭難者らしき人を発見」したようで、その知らせが現地捜索本部から我々の無線に入り、追ってすぐに「遭難者救助・搬送」の報も届きました。

我々の合流した沢のかなり下流域(約5㌔)で遭難の方は火を焚き煙りをあげていたらしく、それをヘリの隊員が発見したようです。

朝の須川湖畔周辺は、湖面がかなり激しく波立つほどに秣岳から吹き下ろす肌寒い東南風があり、濃い霧が山麓を早い速度で西に流れます。この日は、昼から午後にかけて雨も予報されていました。「ガス(霧)がブナ林と笹藪にもっと下がり、それに強い雨に風となれば、林内歩きも沢歩きも条件が最悪だな」と思っていたので、「無事発見・救助」の無線に一同「よかった!」と声を出し合いました。運良く、ガス(霧)が濃くならないうちに空から発見でき、捜索活動も予想より早めに切り上げることができホッとしました。

タケノコ採りは最終盤にさしかかっていますが、須川高原を始め村の県境の山々には山形ナンバーを含む県外、村外の方々の車が見られました。捜索の関係者一同、もう少しの間、緊張を緩められない日々が続きます。