焼石岳のミヤマキンポウゲとハクサンチドリ(その3)

昼の刻をかなり回っていますからもう下山された方が多いのでしょうが、それでもまだ岩手側からの登山者が次々と頂上にのぼってきます。平日だからでしょう、若い方々は少なく、単独の中高年やご夫婦らしい方々が多いように見うけられました。

我々の下山開始は1時15分頃。予定どおり姥石平をまわって9合目にたどり着くコースです。遅咲き群落のチングルマや、わずかながらハクサンイチゲ、ミヤマシオガマ、ヒナザクラ、運が良ければユキワリコザクラを観るためにです。

さすがに姥石平の初夏の圧倒的な花群落は終わりですが、チングルマは、雪解けの遅い泉水沼近くや、南本内川源流部「スゲイシ」のすゞ(湧き水)そばの登山道湿地帯に素敵な花の輪をいっぱい咲かせていました。やはり、ハクサンイチゲなどの大群落花盛りは6月半ば頃までのようです。

始めに予定した19日に天気が良くてのぼれれば、遅咲きの群落とともに8合目のキンポウゲやハクサンチドリの咲き始め同時観賞というチャンスにも恵まれたでしょう。欲張ればきりがありませんが、19日の雨天はかえすがえすも残念無念でした。

ここら周囲は、登山コースのすぐそばとしては最も遅くの夏まで雪が残る大雪渓。まだ雪上を歩く箇所も所々にあります。今年は、例年の同時期に比べて雪の塊がはるかに多いようです。

下山の折も焼石沼の草原で花観賞の時を過ごしました。8合目の草原は7月上旬になればこのミヤマキンポウゲとハクサンチドリがもっと広く厚い群落をつくります。7月はエゾノクサイチゴの花も咲き加わりますから、黄、紫、白の織りなす花じゅうたんが最も見応えある景色となり、沼の草原はそれこそ天上の楽園となります。

ミヤマキンポウゲとハクサンチドリが、6月下旬から7月上旬には焼石の花の山の主役でしょう。それに、スミレとよく間違われるキバナノコマノツメ、遅咲きのチングルマ、リュウキンカ、イワカガミなどが脇をしっかりとかためます。この日は主役ではありませんが、こちらが主演女優賞をあげたいのは、やはり遅咲きでしたが今の季節では私がもっとも惚れているキヌガサソウです。

ふたたび「タゲのすゞ(焼石岳の湧水)」で喉をうるおし、上り時に湧口に沈め冷やしておいたジュースで帰路への元気力を補填し、清水はまた大小4本のボトルに詰め土産に背負いました。

この日の山行は、晴天で、日脚も長い夏ですから休憩にはいつもより時間がとれました。加えて花をながめ撮りながらのゆっくり歩きなので駐車場到着は5時を少しまわりました。同じ距離を歩いても、みなさんそれぞれのスマホや携帯などの歩数計には2千歩ほどの差がありましたが、いずれも3万歩は越えたようで、距離数も20㌔㍍を越えたようです。今度は、7月半ば過ぎから8月始め、盛夏、百花繚乱の焼石をご案内したいもの、という思いを込め、みなさんとお別れのごあいさつを交わし合いました。

後日、この日の花観賞山行に初歩き同行の女性の方(20歳代のFさん)から「山歩きに、ハマッてしまった」という旨の感想をお聞きしました。私もそうですが花の百名山も、そういう喜びの思い出を心に刻んでいただけたことを、きっとうれしく思っているでしょう。
花も景色もありがたいですが、山歩きは何よりもお天気に恵まれなければ。楽しい思い出を刻むには「無理をせずに辛抱して待って、晴れの日に登る」これに限ります。

▼28日は、県内高速道路の整備促進を期す全県規模の大会が秋田市で開かれ、副村長とともに出席。

▼30日は地元集落の共同作業とパークゴルフ大会へ。いつものように朝の5時から国道沿いや幹線用水路脇、公園などの草刈り作業を開始。あいにくの雨天でしたから、雨合羽をつけておよそ1時間半の作業に汗を流しました。

午後からは親睦パークゴルフ大会で、今年初めての球打ちに興じました。親睦が主題の大会です。珍プレーなどが見られる度に、久しぶりにおなかが痛くなるほど笑い合える楽しいひとときを過ごしました。