これがナラトビ(オオミヤマトンビマイタケ)

近年、村の米作り農家をもっとも悩ましている害虫カメムシの一回目の防除で薬剤散布をきのうおこないました。

昨年は村全体もそうでしたがカムメシ被害が多すぎました。我が家でも被害にあった黒褐色の米粒を選別する機械にかけていただきました。これまではそんなに目立つ被害はなく、色彩選別機を通したのは初めてのこと。例年と同じような防除対策をやっていての被害増ですので、今年ははじめて二回の薬剤散布を予定しています。

カメムシ被害増の原因はいろいろ考えられますが、個々の農家の防除努力だけではどうにも防ぎきれないように思われます。一言でくくれば、カメムシ被害は「平成の終わりから令和の時代の米作りを反映したもの」の結果といえるかもしれません。

今回の作業はできればもう4~5日経ってからにしたかったのですが、今後の天候と、助手(妻)の手の空いている日(直売所がお盆で忙しい)のことを考え「この日しかない」ということでとりかかった次第。稲のことよりも人の都合に合わせる、基本からはずれた作業手順がいろいろとある我が家の稲作りがここでもまたあらわれました。

▼きのうは夏の合居川渓谷へ少しの時間入りました。大雨の後なので谷川の水量は多く、またこの夏の度々の洪水で川の流れがあちこちでずいぶん変わっています。この間の大雨で、一時間当たり50㍉~100㍉などという降水量のあったところでは数年ぶりに川筋が変化していますから、山登りや沢登りをされる方々はいずこでもそういう変化への注意と心がけが必要と思われます。淵と瀬の位置、水の深さが変わっているからです。

歩きの途中では、流れの脇に出ているホギ(フキ)を数本切り取り背にしました。昔の人々はこの時期のフキを盆ボギと呼び、最高品質のホギを求めてわざわざ胆沢川や北ノ俣沢まで出かけたもの。今、そんな方はほとんどいないでしょう。こちらも、合居川のフキで間に合わせて、お迎えする仏前に盆ボギを供えるつもりです。

この日の谷入りでめざしたのはナラトビ(オオミヤマトンビマイタケ)というキノコでした。例年より発生量は少ないですが、軟らかい株がミズナラ大木の根元に2つでていました。大きくなればキノコ界最大級ともいえる株になります。ただし食べるのであればこれぐらいの幼い株がちょうどよしです。色もかたちもどことなく豪華で威厳があり、食べるにしてもボリュウムがありますから私にとっては出会いのうれしいキノコです。渓谷に横たわるブナの枯れ木にはダシ味のよいツギワゲ(月ワゲ・ウスヒラタケ)もいっぱい。

地面には集落ではあまり食べないチンダゲ(チチタケ)も見られます。ブナの森でも里山でも、雨続きのお天気が好きなほかの土キノコの仲間たち(毒ではないが私は食べない)がいろいろと目立つようになってきました。