お盆を前に墓そうじ

新型コロナ禍「今年は、夏も盆もさびしいな」そんな会話がいずこでも多く交わされているでしょう。

先日向かった秋田市内も、いつもの年なら東北・全国を代表する「竿灯まつり」でにぎやかなはずだったのに、竿灯通りは祭りの雰囲気がなくいつもと変わらぬ街なみでした。

村でも、お盆の成人式は来年に延期され、お盆にいくらか集中する同級会も今年は「無し」が多いようです。各集落や施設の夏祭りも中止のため開催を告げるポスターやチラシも目に入りません。特養ホーム幸寿苑の夏祭り、壮実スポーツ大会、9月の村の敬老会、11月予定の首都圏なるせ会総会のいずれも中止の知らせがすでに入っています。

お盆の帰省を楽しみにしていたみなさんも、それを心待ちにしていた村のご家族のみなさんも、帰省をめぐる政府や専門家、都道府県のなんとも様々な見解に触れ、それぞれどんな判断をされどんな言葉を交わし合っているのでしょうか。

ご先祖様たちが体験したことのないようなそのお盆がもうまもなくです。お盆をむかえるためのお墓の掃除がわが集落では毎年今日7日朝を軸に行われます。例年に比べ、今年はややさみしいお墓参り風景となるのかもしれません。

▼里山のナラ林、深山ブナの森ではキノコのハギモダシ(ハナホウキモドキ)が盛りです。キノコとつきあいつづけているとたまに可笑しな個体とも出くわすことがあります。

今回ブナの森で目にしたのはタケリタケの仲間。菌がほかのキノコに寄生してこんな形に変えてしまうという奇形にされたキノコです。母体はイグチ科の仲間のキノコでしょうか。名前だけでなく姿も少々可笑しかったので記録しておきました。自然界には不思議な奇形もあるものです。

この渓谷のブナでおそらく最大級の太さ(推定樹齢300年ほど)と思われる巨樹のそばでは、土に埋もれたミズナラの枯れ木にマスダゲが、地面にはタマゴモダシ(タマゴタケ)が見られ、キノコ界最強猛毒のひとつに数えられるタマゴテングタケの仲間も顔を出しはじめています。

ブナ原生林の樹下には、シロデホンナ(ソバナ)がひっそりと花開いていました。