梅雨の合間のわずかの晴天となったきのう、焼石岳の花見山行に出かけました。誘い合って一日を共にしたのは、男性3人女性2人の計5人の一行。
先週19日に予定、雨天で中止していた山行で、今回だけは「山の神様」が私たちに良き一日を授けてくれたようです。天気予報から予測したよりも高山は雲が多く、風もやや強い一日でしたが、晴天のおかげで快適な歩きができました。
花の百名山・焼石岳は、6月はじめから半ばにかけて大きな群落を見せるハクサンイチゲやチングルマ、それらに混じって咲くミヤマシオガマやヒナザクラ、ユキワリコザクラ、イワウメなどの花期がほぼ過ぎ、全体としては7月に咲く盛夏の花たちまでの今は花の端境期という季節でしょうか。
そういう端境期にあっても、特別に花群落が見事なのは、秋田・東成瀬側コース8合目タゲ(岳)の沼(焼石沼)の草原周辺から9合目までに観られるミヤマキンポウゲとハクサンチドリです。
それらの花々に混じって、盛夏の季節の早咲きの花や、雪解けの遅い場所には春や初夏の花も所々で楽しめます。それは、豪雪の山の焼石ならではこその魅力です。
ハイマツ、キバナノコマノツメ、チングルマ、イワカガミ、ハクサンイチゲ、イワイチョウ、ムラサキヤシオツツジ、ベニバナイチヤクソウ、シナノキンバイ、キヌガサソウ、オオバキスミレ、エシャガエヂゴ(ノウゴウイチゴ)、エゾノクサイチゴ(シロバナノヘビイチゴ)リュウキンカ、ヒナザクラ等々、これでも目に入った花の一部をあげただけです。花の端境期といってもこれだけの「花見山行」ができるのですから、焼石はありがたい。
焼石の盛夏の花の季節、つまり花の第3ステージは7月下旬から8月初め。その頃になれば、タカネナデシコ、ハクサンシャジン、マルバダケブキ、トウゲブキ、ミヤマリンドウ、ハクサンフウロ、ウスユキソウの仲間、タチギボウシ、コメツツジ、キンコウカ、シロバナトウウチソウ、モミジカラマツ、カラマツソウ、ヒオウギアヤメ、クルマユリ、イワショウブ、各種アザミやシシウドの仲間たち等々、それに前期の春や初夏の花たちも雪消の遅い箇所ではさらに加わります。8月には初秋の花も咲き始めます。
ですから、種類ではおそらく最も花数の多い文字通り百花繚乱の焼石の季節があと一月弱でやってきます。その頃の8合目の草原では、とくに多いエゾノクサイチゴと、少し混じってノウゴウイチゴのおいしい実も、おなかがふくれるほどたっぷりと味わえますしね。