雪の様子を巡り歩いて

雪状況を視ながら村内をめぐっていてよく目につくのは、自宅まわりに消雪用の水利が施されている家庭や、沢や用水路へ直接排雪できる家庭の多さです。

その水源は、すぐ近くに湧き出る清水であったり、ポンプによる地下水のくみ上げであったり、夏場には農業用水路となる兼用の水路からだったりと様々。成瀬川すぐ脇に位置する家々では、大きな本流そのものが流雪の役割を果たす地区もあります。

豪雪の村では、流雪溝だけでなく様々なかたちで水が雪対策で大きな役割を果たしているのです。夏も、そして冬も、まさに「水さまさま」ということでしょう。雪との本格むきあい(たたかい)はあとおよそ半月。水が頼りの日々がつづきます。

さて、巡り歩いて時々目にし気になるのは、やはり空き家やほとんど雪下ろしをしていないように見受けられる家屋。全国的に空き家対策が大きな課題となっていますが、同じ空き家問題でも豪雪の土地のそれはかかえる状況が深刻です。

なぜ深刻なのか、それは雪を下ろさなければ家屋が部分的に損壊し景観上好ましくないというだけではありません。なによりも危惧されるのは、その空き家などがほかの家屋や道路に隣接していれば雪の重みによる倒壊や強風時、ほかの住宅や住人、通行人などへの被害が想定されるからです。そういう空き家などに管理責任のある方々は、こういうこともよくよく考えられて対処してほしいもの。雪の重みは、管理不十分、管理放棄の空き家をたちまち壊してしまいます。

昨夜から今朝にかけて降った雪も重く、除雪作業にいつもより多くの時間を要しました。
雪下ろしのされていない屋根の荷重はさらに増したはずで、注意が必要です。

▼わが集落でもっとも樹齢が長く大きな渋柿の木が立つSさん宅。幹が大きく実の数が多いこの柿は人にもぎ取られなくなってから久しく、今では厳しい寒中に野鳥たちが命をつなぐ「お助けの柿の木」となっています。

先日は、これはムクドリの仲間でしょうか、熟れた実を二羽でさかんについばんでいました。人にもぎとられない柿の実が、テンやカラス、小鳥たちによって食べ尽くされるのはいつの年も節分前後の頃でしょうか。そうなればカラスや鳥たちはナナカマドやウルシの実にもよく集まるようになります。「食の確保」をかれらはよく知っているのですね。