季節はまもなく大寒。豪雪のむらの1月半ばから2月は暦どおりに冬の厳しさをもっとも体感するとき。そしてこの季節は、鉛色の雲と深い雪のため青空と草木の緑が一年でいちばん少ないときでもあります。
そんな季節に好んで食べられるのが、昨年春から秋までに採られ貯えられていた山菜やきのこたち。
緑がほしければ、毎朝の味噌汁には塩蔵していたワラビが用いられ、おでんなどにはサグ(エゾニュウ・シシウドの仲間)やウドが登場です。煮物などには、まるで山のアワビのような肉厚塊の塩蔵ネズミハギモダシ(ウスムラサキホウキタケ)もいよいよ食卓の仲間入りです。
塩蔵でも、びん詰めでも、山菜やキノコの貯蔵モノは、野や畑からの緑や食を夏のように採ることができない厳寒の季節にぴったりの食材です。このように豪雪の村の冬だからこそ、貯蔵モノだからこそ味がひきたつ食材もあるのですね。