秀麗無比なる鳥海の山

CIMG0742-1 アップルロードからのぞんだ、雪解け季節曇天の鳥海山です。

▼折も折、わらび座では、秋田出身の著名な作曲家、成田為三氏を題材とした新作ミュージカル「為三さん!」を上演中です。

氏が作曲した浜辺の歌はあまりにも有名ですが、成田氏の曲といえば忘れられないのが「秀麗無比なる鳥海山よ」で歌われる秋田県民歌。まさにその歌そのものの鳥海山の秀麗さは、ちょうど富士山が雪をいだく季節に映えるのと同じ。わが鳥海山も初冬と春に際立つ美しさを見せます。

▼豪雪続きだった昨年までとちがい、CIMG0745-1ここ数年にないほどの速さで木々の芽吹きがはじまりました。

村で最も早く芽吹く木は柳、そしてブナ。河川敷では柳がうっすらと緑に染まりはじめ、里山のブナも萌葱色を見せはじめました。きのうなど、横手市内の桜も花開きですから、ゴールデンウィーク時などの花見客をあてこんでいる県内の観光地は、あまりの開花の速さで思わぬ誤算となるかもしれません。

▼一方、わが村最大の観光地栗駒山・須川温泉の栗駒山荘は、雪が少なくて国道除雪がはかどり、この分だとゴールデンウィークにばっちり間に合って営業開始できそうです。自然はほんと変化に富んでいて、人間社会にとって「すべて良し」とはなかなかいかないようです。

多彩な生態系がわが家の前に

晴れた朝の固雪(かたゆき)時だけでなく、残雪もよく締まって日中でもカンジキなしで雪原を歩けるようになった春本番少し前の村。

CIMG0718-1CIMG0719-1過ぎた日曜日もそんな一日で、わが家前の成瀬川は、一年で私がもっとも好きな流れを見せています。

CIMG0720-1CIMG0723-1CIMG0724-1CIMG0734-1CIMG0740-1わが河川敷は野の恵みの宝庫。この季節、次から次へと顔を出すユギノシタキノゴ(雪の下キノコ・エノキタケ)をはじめ、今はアザミの芽も見られるようになりました。
雪解けの早いこの春は、もしかしたらあと一週間ほどでコゴミが顔を出し、もう半月も経てばササゴ(細めのネマガリタケノコ)も出始めるでしょう。

キノコに、ありとあらゆる山菜に、イワナやヤマメやウグイ、アブラハヤ、カジカ、スナヤツメ、それに白鳥やカモ、ヤマセミ、カワセミ、シギ、サギ、オオルリ、キビタキなどなど、季節ごとに、この河川敷はわたしに小さな幸せをもたらしてくれる多彩な生態系と親しめる自然公園です。

大桶に味噌仕込み

▼いつものように週末の所用で村内をかけめぐっていたら、外にシートを敷いてお茶の時間を過ごしている人生の先輩たちの姿が。

庭先や道路の雪はようやくなくなったものの、畑はまだ雪の下。畑や田んぼ仕事が本格的にできない雪のあるうちは、庭先でほかほかの春を楽しむそんな姿を村の所々で見かける季節入りです。

CIMG0679-1CIMG0682-1CIMG0667-1▼村のフクジュソウ群落はどこもまっ盛り。ショウジョウバカマもようやく蕾を開き、早い所ではカタクリもおそらく咲き始めているでしょう。野のヒロッコ(ノビル)も盛りで食卓にあがるようになりました。

 

▼昨年、大日向山をめざして雪の上を上がりはじめたわが集落岩井川・合居の庚申塔そばの急斜面は、もうほとんど雪がなくなっています。雪が少なかった分、雪解けのスピードも早く、今年は久しぶりに山菜の採取時期が早まりそうな気配です。

CIMG0688-1CIMG0693-1CIMG0737-1▼春本番をまもなくむかえようとしている雪国の童は、半年ぶりに待ちかねていた自転車乗りを楽しめる季節になっています。大人から子どもまで、くらしにかかわるいろんなことが雪国では「半年ぶり」なのです。

CIMG0699-1▼4月始めといえば、わが家では自家用味噌の仕込み時。桶に味噌となる原料を詰めるのは当家では男のしごと。土曜の11日には、妻と二人で何十年も愛用している大きな味噌桶に原料を詰め込みました。1年後には、またよく熟成したおいしい味噌ができあがるでしょう。

雪国、春のカラスは強者

渡りの季節をむかえた鳥たちがそれぞれすみかを変える春。

遠く大陸や南の国と、長い距離を移動する渡り鳥たちの生きる力もたいしたものですが、渡りをせずに年中この北の厳しい雪国でがんばって生き抜く鳥たちもまたたいしたもの。

その中でも、カラスやトビ、クマタカ、イヌワシなどは、彼らの生きる真冬の環境が厳しいだけに敬服すら感ずるときがあります。

CIMG0567-1そんな厳しい冬を生き抜いたカラスがわが家のまわりにもいます。冬はいわば自然界が彼らを淘汰する季節。その淘汰に負けずに生き抜いた個体は勝利者。勝利者は並の上をゆく生命力の強さをもっているのでしょう、春に生き残っているカラスは相当の強者ということか。今の彼らは口にいろんなものを咥えて飛んでいますから巣づくりの真っ最中なのでしょう、強い子を遺すために。

降るように、ける

CIMG0647-1雪解けが急速に進む様子を村の人々は「降るように、ける(消える)」と言います。
今冬の村は、山形、新潟、長野の同じ豪雪地帯に比べて1~2月の降雪が意外に少なく、豪雪対策本部の設置までにはいたらず、ここ数年では雪の少ない春をむかえました。それでも、真冬のわが家では屋根から下ろした雪がどんどん重なり、二階から簡単に出入りできるほどの雪の塊が軒下にあったことはすでにお知らせしたとおり。

その雪も、4月ともなれば「降るように、けで(消えて)」、あの大量の雪塊はあと幾日かで崩れ落ちようとしています。

CIMG0641-1CIMG0638-1CIMG0648-1そんな雪消の春も昨日まではいったん冬へお戻り。寒さで野の花はここ幾日か閉じたまま。きのう朝など外気温はマイナス2℃。わが家前では、肌寒い天気がつづくなか農業法人のみなさんが水稲育苗ハウスの設置に大忙し。半年ぶりに、土とまみえる生活がまた本格的にはじまろうとしています。

天気の変化が激しく、晴天の今朝は6時前でマイナス5℃。この春はじめて本格的な固雪(かたゆき)歩きができるほど雪が凍み固められました。

初々しさにあふれた一日

数日前の春うららかから一転しての肌寒い天気の下、きのうは小・中学校の入学式が午前と午後に行われました。

CIMG0612-1CIMG0615-1どちらも、つい先だって、卒園・卒業したばかりの子たち。その時と同じ洋服、同じ靴を身につけての式でしたが、卒園・卒業では最年長の子たちも今度は最年少。先生に名前を呼ばれて返事をし立ち上がる時の声としぐさもふくめ、卒の時とはまた違った初々しい雰囲気が会場に満ちていました。

小学校は新入生31名をふくめ125名、中学校は新入生21名をふくめ67名で、村の新年度の教育はスタートにつきました。

CIMG0624-1CIMG0628-1入学式では、新入生とともに在校生にも私は毎年注目します。すでにみんな進級もしていて、そこに新入生をむかえるという先輩の身。新入生の姿を自分の入学した時に重ねあわせて思いおこす子たちもいるのでしょう。みなさん卒業式の時の在校生の顔とはまたちがって「よし、めんどうみるからな」という、落ち着いて、いかにも先輩らしく、たのもしい顔をしているなぁと思いました。

 

小・中の先輩在校生のみなさんは、今年の新入生にどんな第一感想をもたれたでしょうか。新しい後輩達をよろしくお願いしますね。

▼昨日は、わが遊び仲間の童も入学。式を終えてから、祖父母の待つ十文字とわが家にランドセル姿で顔出し。よろこびとともに、時の経つ速さを実感した一日でもありました。CIMG0001-1

無農薬、甘くておいしい村内産ホウレンソウ

冬の間、村内産のシイタケやホウレンソウを食べられるなんてことは、昔では考えられなかったこと。

CIMG0593-1CIMG0596-1今では、菌床シイタケ栽培にとりくむ農家あり、一方では、トマト栽培農家が、冬の間の施設活用でホウレンソウ栽培もとりくまれています。ですから冬でも、村産の安価なシイタケと完全無農薬栽培のホウレンソウを村人はおいしくごちそうになれます。

わが同級生には、花卉栽培(リンドウ)農家あり、トマト栽培農家あり、牛飼い農家あり、ホウレンソウ栽培農家ありと多彩。Sさんのハウス内のホウレンソウもだいぶ丈が伸び、そろそろ収穫も終わりの時期に近づいているようです。でも、まだまわりは雪なので、いまちょっと、村の人々は、甘くて無農薬栽培のおいしいホウレンソウを食卓にあげることができるようです。

▼異動で村の小中学校に転入された教職員の合同挨拶会がきのう午後にありました。午前には新任式もあったということ。村の学校と子どもたち、それに役場や村全体の姿に見て触れて、みなさん率直なところどんな感想をもたれたか、そのうちじっくりとお聴きしたいものだと思いました。始めの印象というものは、いろんな意味で大切ななかみを含んでいると思うからです。

村へ転入される先生方は、小学校合併前は通勤距離が長くて大変だったでしょう。でも今は小中とも村の入り口、役場所在地の田子内ですから以前に比べたら比較にならぬほど。そういう条件とともに、教育環境も村としては最大限の態勢をとっています。前任校と同じように存分のお働きで、身も心も賢しく、生きる力をしっかりともった子を育んでくれるよう期待したいものです。

CIMG0598-1CIMG0599-1CIMG0600-1CIMG0607-1CIMG0610-1▼所用で往き来する折、わが家近くの土手で目にする早春の野草たち。芽を出す仲間たちは、一日ごとに種類が多くなっています。カンゾウ、ミツバ、シャク、それにヨモギは手軽に食べられる野の菜。山菜というよりもこれは野の菜、土手の菜、道ばたの菜と呼んだほうがふさわしい。早速、カンゾウは味噌和えで、他はテンプラでちょっとの風味や香りを楽しみました。

CIMG0601-1雨天が続いていて、チャワンバナコ(イチゲ花の仲間)はみんな花を閉じたまま。一つ一つの花も、同じようでいてみんな個があるはず。今日は小中の入学式ですが、この小さな閉じ花群落を見つめると、幼いながらも、若いながらも、礼儀正しく、芯が強く、しなり強い村の子たちを思いうかべます。小学校で、中学校で、みんな、すばらしい花を咲かせることができますように、です。

うれしい春、つらい春

CIMG0540-1CIMG0538-1CIMG0573-1▼村保育園の「新入児をむかえる会」が土曜日にあり出席。

ご案内をいただく行事のなかでも、この日は、保護者のみなさんをはじめとして私らよりも最も齢の差のあるお若い方々ばかり。一年増す毎にその年の差がひらきますから、自分の齢をよくよく自覚する日でもあり、若い気をみなさんからいただく日でもあります。

新入児は1歳児3人、2歳児3人、3歳児3人、4歳児1人、途中入園児が、0歳児1人、1歳児1人、3歳児1人。在園児をふくめた67人の子どもたちで新年度のスタートがきられました。この春の卒園児が31人と多かっただけに、少しの間、にぎやかさがちょっぴり足りなめになるのでしょうか。

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CIMG0528-1CIMG0553-1CIMG0556-1▼週末の所用で村内をめぐった時に見かけた道路や住家そばの春の顔たちです。バッケは早春の名主のように立派な顔立ちとなりましたが、ショウジョウバカマは、晴天でもまだ蕾を傾げたままでした。ブナの花芽がとても多い年のようで、わが家前の公園樹はもうこんなにふくらんでいます。ここまではみんなうれしい春です。

CIMG0561-1CIMG0562-1▼もう一つの春、スギ花粉が猛威をふるっています。わが家前、杉林の花粉が土曜日はすごかったです。まるで煙のように周期的にボワーと立ち上がる花粉。何度も何度もそれが続き、東風にどんどん流されてゆきます。花粉症に苦しむ方々のつらさがなくなるまでにはまだまだ日を要するようです。花粉アレルギーのみなさんには、こちらはまったくこまった春、つらい春。ものごとには、裏表、一長一短あり、みんなこれ良しとはなかなかゆかぬものですね。

CIMG0570-1▼土曜日夜は、総会を準備する部落(自治会)の役員会へ。翌日は、消防の駆けつけ訓練にあわせて呼びかけられ、入道地区以外の岩井川3地区の避難訓練もおこなわれました。今回の避難訓練は、これは訓練のイロハから考え直さなければならない課題を地区としていっぱいかかえた内容となりました。

▼昨日からまた雨天が続いています。4月の雨は決まって雪崩を呼びます。栗駒道路の除雪、須川温泉・栗駒山荘の開業準備に出かけている方々も含め、深山でも、里でも、雪崩や落雪には充分すぎるほどに注意をはらってほしい季節です。関係者は油断禁物の徹底を。

サワガニくんと半年ぶりのご対面

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▼予報が3日以降連日の雨マークをつけた下で晴天となった昨日。

入学前の春休み、前々から「春になったら沢ガニとサンショウウオに行く」を約束していた童とともに「4月なら、こちらも、もうぎりぎり今日しかない」と約束を果たしに雪消の湧水地へむかいました。

さすがにサンショウウオは、ずっと深くで冬眠しているのでしょう、夏場のように石をおこせばすぐに見つけられるというわけにはいきません。

雪解けの今は湧水の量も豊富。清水のそばの大きな石を二人で起こしあったら、一人前のサワガニが3匹見られました。

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雪がほとんど積もれない清水湧き口のそばには、ワサビがとっくに新芽を出し、ミズバショウも苞(ホウ)芽をだいぶ大きくしています。

CIMG0497-1CIMG0501-1CIMG0505-1いつもと反対側の河川敷からながめる山と川。1~2月と極端に降雪の少なかった今年の村でしたので、山はここ数年にないほどの速さで日増しに土色の面積をひろげています。ドホドホとした暖かい雪消し風が連日吹かないので成瀬川はまだ黒濁流にこそならないものの、雪解け水とよべるほどに激しい流れを見せるようになりました。

庁舎内は新鮮ムードいっぱい

▼昨日は、朝一番で、このほどの人事異動で新任となった議会事務局長と農業委員会事務局長への辞令を交付。また、新任となった広域消防から消防長をはじめみなさんが見えられ応対。副村長もいよいよ初仕事で、元気いっぱいのごあいさつ。

異動の4月は、庁舎内が新鮮ムードに満ちています。そんな雰囲気があちこちに漂っていますから、やや古錆びてきたこちらも、また一皮むけそうな気になりました。

わが村役場の場合は、多くが庁舎内の異動で済みます。なので、職員のみなさんは、引き継ぎがスムーズに終えるまでこれからほぼ一週間、これまでの仕事とこれからの仕事の兼務で、あちらへこちらへと椅子に落ち着きがない日々となるでしょう。

CIMG0412-1▼昨日載せたわがたんぼそばの小高い地には、何十年(100年以上かも)もの間使われつづけているマミ(アナグマ)の巣穴があります。

その巣穴を雪のない季節にのぞくと、穴口は、一つ、二つ、三つと数えて常に5つ以上はあります。土の中では、ちょうど蟻の巣穴を大きくしたように全部がトンネルでつながっているのでしょう。

CIMG0411-1その巣穴に立ち寄ってみたら、雪の上に一つだけ土まで続く穴があり、生きものの出入りした跡が歴然。マミが掘った巣穴の一部にムジナ(タヌキ)が同居していることがありますが、もしかしたらこの穴はそんな穴の一つかもしれません。

雪の上に出入りしたのは、冬眠しないムジナか、それとも冬眠から覚めたマミか。いずれこの雪の下には、ぞろぞろと何匹ものマミ族、ムジナ族がかたまりになっているはず。雪上にいる私の気配を知って、モゴモゴしている彼らの動きや吐く息の音がきこえてこないかと、穴口に耳をあててみました。

二つの種とも人に殺傷危害を加える心配はまったくない生きもの。もし生態観察をご希望の方がおられれば、年中いつでも観察できる彼らの古民家をご紹介しますよ。

CIMG0410-1CIMG0432-1▼もう一枚の雪上の写真と鳥の羽、獣の糞跡も、同じたんぼそばの林でのもの。獣はおそらくテンでしょう。春の雪上を歩けば、獣たちが今冬を生き延びた跡をふりかえることもできます。