暖房生活はじまる

9月末から小さな反射式石油ストーブで夜朝だけの暖をとっていました。が、10月に入ったら日中も肌寒い日があり、先週にはついに薪ストーブを据え付け。

役場庁舎もすでに暖房設備が始動していますし、村ではどのお宅でも本格的な暖をとる日々となっているでしょう。すでに鳥海山の初冠雪も記録されていて、これからは焼石や栗駒なども頂がいつ白くなってもおかしくない季節入りです。もしかしたら、鳥海山初冠雪の時にはこれらの高い峰にも降雪があったかもしれません。

▼村議会9月定例会議の内容をお伝えする「議会だより」の編集は最終局面に入り、先日につづき今日も編集特別委員会のみなさんの会議があります。

こちらにも編集途上の「議会だより」が毎回届くシステムとなっており、きのうは私なりにそれら試し刷りの全体に目を通し、気づいた点についてはいつものようにご意見を申し上げておきました。

▼肌寒さが増してくるにつれ、ハタケシメジが次から次へとカオを出してくれています。キノコとしてはホンシメジやマイタケを上回る最高級の味とこちらは位置づけるハタケシメジ。発生の量はほんの少しですが、山野に囲まれて生きるときの小さな幸せを日々感じながら高級の味をいただいております。

県議長会理事会

県町村議会議長会の理事会がきのう開かれました。この会議に先立ち、同議長会の正副会長会議も開催。

二つの会議では、令和3年度会計の決算と、11月に予定されている県市議会議長会と合同の「知事との行政懇談会」の要望・提案等の内容を協議。今後の会活動の日程などを確認し合い、議会運営や当面する課題等で意見を交わし合いました。

会議前に話題にのぼったのが今年のお米の収量の低さ。予想したよりもなお収量が低くなった現状が口々に語られました。「今年は青米が多い」という方がかなりおられるようです。「カメムシ被害が山間部だけでなく平野部にもかなり及んでいる」と語る方もおりました。

わが家も、正規出荷できない二番米(青米)が例年よりかなり多くなりましたが、村内のある農家の方も「青米が通常よりかなり多かった」と語っていました。まだ村全体の状況をお聞きしていませんが、おそらくわが村でも、「減収と青米多し」は同じ傾向ではないでしょうか。もう一つの関心事、村内のカメムシ被害はどうでしょうか。

稲作農家はここにきて、燃料や資材費の高騰に加え、「想定を上まわる減収」という状況におかれる可能性が大きいようです。全体の結果はまもなくわかるでしょうから、もし減収が現実となった場合にはなんらかの行政支援策がこの面でも求められてくると予想されます。

秋田への往来で目につくのは、今年の稲の倒伏の多さ。圃場で天を向いてごく自然に立っているところはごく一部で、ほかのほとんどの田んぼはベタッとつぶれた稲状態です。今日からは晴天が続くようでよかったですが、雨天の後の倒れた稲の刈り取りには、みなさん大変な難儀を強いられるでしょう。ムリして事故などおこさぬよう万全の注意をはらい作業にのぞんでほしいものです。

小規模校ならではこその東中祭

8日、東成瀬中学校の学校祭へご案内をいただき生徒たちの熱演と学習内容の一部を参観。

今年の学校祭テーマは夢源。舞台のプロジェクターには生徒一人一人が自分の「夢」を掲げた姿が映し出されました。

生徒全員が「仙人太鼓」をたたき、生徒全員による吹奏楽、そして村の児童生徒たちが作詞した名曲「ふるさとの歌 ~悠久の風にのせて~」未来の章の全員合唱で祭りは締めくくられました。今年も、小さな村の小規模校の良さがよくしめされた感動いっぱいの学校祭でした。

▼3連休は、これからおとずれる雪の季節を前にして方々の片づけなどに少しずつとりかかりました。コンバインも掃除の仕上げを行い、注油も完了。こちらと同じで機械もあちこちにガタが来ていますが、整備点検を入念にしているのでまだまだ一人前(新品)並みの仕事はできそうです。

▼そんな作業の合間には、気分転換で近くの里山も散策。しばらく歩いていない間に生長した遅出のシシタケと出会ったり、過ぎた日に見過ごしてしまったたくさんのシシタケが真っ黒になって流れた(腐った)様子を見て「あーあ」と残念がったり、細いミズナラに生えているマイタケとの思わぬ出会いがあったりと、里山でも歩けばいろんな出会い、発見があるものです。あっ、そう、今時めずらしい超晩生のフジミャゴ(シャカシメジ)もむっくりと食べ頃の姿を見せてくれました。晩生だけにこれは味がピカイチでした。

里山では、マツシタキノゴ(ラクヨウ・ハナイグチ)も真っ盛り。そばの杉林にはスギカノガ(スギワゲ・スギヒラタケ)があっちにもこっちにも。近年になって毒キノコ扱いされるようになったスギヒラタケですが、多くの人々に長年食べ続けられたおいしいキノコですので、「そんな毒扱いを急にされても―」と今でもこのキノコに寄せる人気は根強く、健康な方では、たとえ毒といわれても長年親しんだ食習慣を放されず食べる人が少なくないようです。直売所をおとずれるお客さんの中にも「なんで、売らないの?」とたずねる方が毎年結構いるのだとか。

家周りの林や草むらでは、ケブダシキノゴ(煙出しキノコ・ホコリタケ)やサモダシ(ナラタケ)、それにナメコのようにヌメリの強いトヂナメラコ(ヌメリスギタケモドキの仲間)も黄金色に輝いて見られます。

相変わらずありがたいのは最高級キノコのハタケシメジがカオを出し続けてくれること。ハタケシメジたちなどのおかげで、秋の雰囲気をたっぷり味わいながら、キノコたちのにぎやかな食卓をおいしく楽しく日々囲むことができています。

サモダシ(ナラタケ)シーズン入り

村では、多くの家庭で食卓にのぼるサモダシ(ナラタケ)がいよいよ本番入りの気配です。写真はわが家周りの草むらにカオを出したサモダシ。

サモダシは手軽に採取できて発生量も多く、いろんな料理にもむき旨さも一等級。秋から冬の長い期間にわたって村ではむかしから最も多く利用されてきたキノコです。村の伝統食「納豆汁」にもこのキノコは欠かせぬ食材。

発生はまだはしりの状態で、今は数種あるサモダシのうちでもネスゲモダシ(ヤチナラタケの仲間)が多いようです。もう少し経てば、枯れ株や倒木に大量発生するサモダシも出てくるでしょう。それとも、深山ではもう出ているのかな。

草むらの倒木にはヌメリの強いトヂナメラコ(トチナメコ・ヌメリスギタケモドキ)の仲間も見えるようになりました。

▼わが家周りの草むらでは、時々の間をおいて次から次へとハタケシメジもカオを出し続けています。量はだんだんと少なくなりますが11月はじめまでおそらく途切れなく発生は続くでしょう。

ハタケシメジの発生盛期となり、おかげでキノコ界最高級の味覚をほぼ毎日のように味わうことができています。月半ば頃になれば今度は花壇にまでもカオを出してくれるでしょう。

木の実の女王とでも呼ぼうかサルナシ

野の木の実が熟れてきたことを日々綴ってきましたが、「そろそろおいしくなりはじめた頃」と察して向かった自宅そばのサルナシの実もようやく熟れ時をむかえました。

私が「野の木の実の女王格」と位置づけるシラグヂ(シラクチ・サルナシ)の実。10月ともなれば、実が少し堅くてもキウイのようにもぎ取って少し追熟すれば軟らかくなります。

濃い甘みが特徴のサルナシは古名を「こくわ」とも呼ばれ、一度口にしたら味覚が記憶に深く刻まれる野の木の実でもあります。蔦に生っているうちに軟らかくなる実もありますが、摘み取る機会をにがすと落ちてしまったり、生きものたちに先に食べられてしまったりはよくあること。なので、10月、実が熟期に入ったら少し堅くてももぎ取るのがいいのです。

知事のフォーラムへ

きのうは知事のオータムフォーラムへ。県町村議会議長会会長としての出席です。

市町村長とちがって、都道府県政のトップは「都道府県長」ではなく「知事」と呼ばれます。なぜ市町村長と同じように「県長」ではなく、あえて「県知事」と呼ぶことになったのかその理由はわたしにはわかりませんが、広辞苑は知事を「事をつかさどる人の意」とし「都道府県を統轄し代表する長」とあらわします。「中国で州・県の長官」とも同書は記します。

都道府県政は地方自治のカナメの役割を果たし、市町村政にも絶大な影響を与えます。その政務をつかさどるのが知事ですので、市町村政を執る者にとっても議会としても政治に向き合う知事の考えを知ることはとても重要です。

フォーラムは、いわば知事の「演説」「講演」をお聞きする会です。当然ながら政治経済を軸に世上全般について知事が何を問題意識としてとらえ、県政では何をめざそうとしているのか、語りをお聞きするなかである程度知事の意向をうかがうことができます。きのうは、そういう関心をもちながら夜のひとときを過ごしました。

▼劇団わらび座は、現在県内9市町村と相互発展に向け連携するフレンドリータウン協定を結んでいて、村もそのうちの一つです。きのうは、そのわらび座の方が来村され、村内での公演活動などについて考えていることをお聞きする機会がありました。

文化・芸術は、心を癒やし生きる力として人のくらしに欠かせぬもの。協定にそって、文字通り互いの発展のためにいろんな知恵を出し合い具体化してほしいものです。

ハナイグチも控えめにお出まし

実生から育てたわが家のブナの木数本は樹齢20数年ほどで3年ほど前から実を着けるようになり、今年は結実数が最も多い年となりました。

自宅前の公園に植えられたブナも同じでこちらは樹齢がさらに10年ほど多いので実はもっと多く、今年は一本の木からだけでもかなりの量の実が落ちるでしょう。

自宅の周囲はヤマグリが稔実真っ盛り。ツノハシバミやクルミなど多くの木の実も稔りの季節をむかえました。どこからか生きものが運んできた種が池の脇で自然に芽を出し大きくなったアケビの蔦も実を結ぶようになり、そちらも青々の熟れた実をいっぱいつけています。

どの木の実も、今は人の手で採られる(拾われる)ことは少なく、おかげで野の生きものたちは、むかしには考えられないほどの豊かな食の中で秋を過ごすことができています。

栗駒山や焼石岳稜線周囲の紅葉が見頃となったようで、その頃になればマツシタキノゴ(ハナイグチ・ラグヨウ)もカオを出します。わが家モミ乾燥機小屋そばの里山にあるカラマツの樹下にも、茶色でよく目立つハナイグチの傘がポツンポツンとみられます。発生量はまだほんのわずか。

手にした少しのハナイグチは、夕餉に刺身風でいただきました。食卓にあがり続けているとぷとぷと軟らかなマスタケの一夜味噌漬けと同じで食欲をそそるこのキノコたち固有の色。ハナイグチはそれに加えてペロペロと粘る食感があり私は大好き。お酒を飲まれる方なら、これは肴としては絶品のキノコたちでしょうね。

朱沼神社の祭事

まず9月30日のこと。主要地方道・県道横手東成瀬線の整備促進をめざしている期成同盟会(横手市、市議会、東成瀬村、村議会、三又地区、岩井川部落で構成)の総会が役場防災センターで開かれました。

横手市や三又地区(自治会)とともにつくっている同盟会なので、例年、現地視察を行った後に横手市内で開催してきた総会ですが、新型コロナ禍を考慮し、昨年に続いて村での開催となったものです。今年も現地踏査は行わず、例年ご案内を差し上げている県議会議員のみなさんもお招きしないでの総会となりました。

総会は、備前博和東成瀬村長による会長挨拶、佐藤徹平鹿地域振興局長さんによる来賓代表挨拶、平鹿、雄勝両地域振興局の来賓紹介の後に議案審議となり、工事の事業報告なども行われました。

▼午後には湯沢雄勝広域市町村圏組合議会の臨時議会があり、職員の育児休業等に関する条例改正案を審議しました。

▼そしてきのう一日は須川高原に上がり、恒例の朱沼(須川湖)神社の祭事へ。

20年近く、同じ10月1日にこうして祭事を体験していますが、秣下ろしの肌寒い風や雨の日が多く、今年のように晴天でなおかつ気温の高い日はめずらしいこと。湖畔には半袖上着無しの登山者の姿も見られました。

湖畔からのぞむ栗駒山や秣岳は頂上付近がかなり色着き、湖畔の周囲ももう少しで紅葉が見頃となる様子でした。散策道の脇にはサロメチールの素敵な香気で知られるシラタマノキの実が真っ白に輝いて人目をひきます。

キャンプ場の周りでは、今年は実が大豊作となったブナの木から、早くもたくさんの実が落ち始めています。ブナの実は、炒ると香ばしさが増し、ビールなどのおつまみにはもってこいです。

この実の大豊作のおかげで、森のクマ公をはじめ多くの生きものたちは、普段の年よりもはるかに豊かな食の中でこれからのひとときを過ごすことができます。広大なブナの森が何年かに一度の実の大豊作となるわけですから、その豊穣の量は膨大なもの。それは生きものたちにとっておそらく食べきれないほどのエネルギー源となるはずで、大豊作は、食物連鎖をはじめ生態系にもいろんな影響をおよぼすでしょう。

最高級食材ハタケシメジ真っ盛り

花壇もふくめてわが家周りの草むらにはハタケシメジがよく出ます。

先日に少しの株を採った後の草むらをきのうのぞいたら、前回見過ごした地面にいっぱいのハタケシメジが出ていました。傘が人の手のひらより大きいのもあり、それは茎も太くて長く、こうなると高級キノコでありながら量も多くなるのでうれしさは倍増。

早速、夕餉のお吸い物にしてもらい、キノコとしては最高級の味を楽しむことができました。ハタケシメジに寄せる私の思いは「世の中にこれほどおいしいキノコは、そうはない。キノコだけでなく食べ物全体をとっても旨味と高級感抜群の食材」というほどの優れモノ評価。

特徴あるザクッザクッの歯ごたえ食感もすばらしく、私はホンシメジよりもこのハタケシメジを一ランク上におき、キノコ界の最高級あつかいをしています。自然は、なんとありがたい食べ物を世におくり出してくれたものです。名前には「ハタケ」がつきますが、私などは、もっと高級感あふれる名前にしてほしかったと思うことさえあります。

家周り野の草むらにはヤマノイモ(自然薯)のムカゴもこぼれる寸前の稔りです。このムカゴ、そのまま生で食べてもおいしいし、焼いてもよし、炊き込みご飯にしてもよし。とろっとしたかすかな甘みがあり、くせのない味なので万人向きの食材となりいろんな料理の具としてもつかえるのでしょう。

ムカゴを手のひらにのせて写真を撮ろうとしたら、アカトンボが指先に止まりしばらくうごきません。この季節になるとトンボたちの警戒心が緩み、夏や初秋のようにすぐ逃げてなかなかつかまえにくかった頃がウソのようになります。

刈り取られた田んぼ脇の土手にはアケビやヤマブドウもひときわ目立つようになりました。アケビは今が熟期真っ盛り。熟れた紫色の大きな実を見たら、我々昭和20年代の山村生まれは、もうそれだけで心が童の頃に返ってしまいます。

ヤブの中には、草状の蔦をばしてほかの草にからみつき生長するカラハナソウも実をつけています。カラハナソウはビールに使われるホップとそっくり。集落では「たねっこ(花酛)」とよばれ、むかしはどぶろく製造によく用いられました。今でも、何かの目的で飲料製造などに使われているのでしょうか。

成瀬ダムの研修会と現場視察

成瀬ダム建設促進期成同盟会、同ダム利水対策協議会の2団体合同研修会と現場視察がきのう行われました。

関係する自治体の首長や議長、土地改良区代表など同盟会員出席の下、研修会はダム工事事務所の花篭利行所長さんを講師にわが村役場で開催され、後に建設現場へ向かいました。

総事業費2230億円の工事は、令和8年度に試験湛水を終えて終わる予定。令和3年度の事業費換算の進捗率は55.1㌫(1228.5億円)で、ダム堤体の打設工事は8月末でおよそ40㌫の進捗率となり、今年度中(降雪前)に50㌫をめざしたい旨が語られました。