花壇もふくめてわが家周りの草むらにはハタケシメジがよく出ます。
先日に少しの株を採った後の草むらをきのうのぞいたら、前回見過ごした地面にいっぱいのハタケシメジが出ていました。傘が人の手のひらより大きいのもあり、それは茎も太くて長く、こうなると高級キノコでありながら量も多くなるのでうれしさは倍増。
早速、夕餉のお吸い物にしてもらい、キノコとしては最高級の味を楽しむことができました。ハタケシメジに寄せる私の思いは「世の中にこれほどおいしいキノコは、そうはない。キノコだけでなく食べ物全体をとっても旨味と高級感抜群の食材」というほどの優れモノ評価。
特徴あるザクッザクッの歯ごたえ食感もすばらしく、私はホンシメジよりもこのハタケシメジを一ランク上におき、キノコ界の最高級あつかいをしています。自然は、なんとありがたい食べ物を世におくり出してくれたものです。名前には「ハタケ」がつきますが、私などは、もっと高級感あふれる名前にしてほしかったと思うことさえあります。
家周り野の草むらにはヤマノイモ(自然薯)のムカゴもこぼれる寸前の稔りです。このムカゴ、そのまま生で食べてもおいしいし、焼いてもよし、炊き込みご飯にしてもよし。とろっとしたかすかな甘みがあり、くせのない味なので万人向きの食材となりいろんな料理の具としてもつかえるのでしょう。
ムカゴを手のひらにのせて写真を撮ろうとしたら、アカトンボが指先に止まりしばらくうごきません。この季節になるとトンボたちの警戒心が緩み、夏や初秋のようにすぐ逃げてなかなかつかまえにくかった頃がウソのようになります。
刈り取られた田んぼ脇の土手にはアケビやヤマブドウもひときわ目立つようになりました。アケビは今が熟期真っ盛り。熟れた紫色の大きな実を見たら、我々昭和20年代の山村生まれは、もうそれだけで心が童の頃に返ってしまいます。
ヤブの中には、草状の蔦をばしてほかの草にからみつき生長するカラハナソウも実をつけています。カラハナソウはビールに使われるホップとそっくり。集落では「たねっこ(花酛)」とよばれ、むかしはどぶろく製造によく用いられました。今でも、何かの目的で飲料製造などに使われているのでしょうか。