直売所に最高品質のタケノコ並ぶ

奥羽脊梁・ブナの森深山でタケノコが最盛期をむかえています。

県境界隈のブナの森でも、最高品質のタケノコが出る場所はごく限られています。そこは古くからハギミ(山菜・キノコ採りを生業とする人々)をはじめとする「山を知る」ごく少数の土地の人々だけが通える場所です。そこで村人に採られるタケノコは「0000のタゲノゴ」「0000のタゲノゴ」などと呼ばれます。おそらく国内でもこれだけ良質のネマガリタケノコが発生する場所はほんのわずかでしょう。

その「0000のタゲノゴ」は、自家用としても利用されますが、販売では昔からの特定の流通ルートがあるらしく一般の店頭に並ぶことはあまりないようです。ところが過ぎた週末には集落の先輩Sさんが採ってきたその「最高級」がめずらしく村の直売所にもならべられていました。もちろん、それはたちまちのうちに売り切れてしまったそうです。直売所には村特産のイチゴも見られるようになりました。

村のタケノコ採りも雪解けの遅い一部の場所に移り、あと2週間ほどでそれも終わりとなるでしょう。ブナの森では、タケノコに混じってキノコのサモダシ(ナラタケ)が春のカオを見せ始めています。秋にはよく採られるキノコですが、春に採る人はほとんどなし。私は春のサモダシも味噌汁でおいしくいただきます。

半月前にワゲ(ヒラタケ)を採ったブナの枯れ木には、今シーズン二度目の良質のワゲがまたいっぱい顔を出していました。同じ枯れ木から半月で二回もいただけるのですから、自然の恵みには感謝感謝です。

▼「田んぼは野の生きものたちの命をささえる場」ということをいつだったか記しました。我が家の田んぼもふくめ周囲はドジョウの棲息が多いためにそれを狙うアオサギがしょっちゅう訪れます。大きな足で時には早苗を踏みつけるものですから「こらッ」と怒りたくもなりますが、一呼吸おいてよく考えれば「彼らも生きなければなァ」です。早苗が生長し田んぼの水面が見えなくなればさすがのアオサギもドジョウ捕りはむずかしくなります。それまでの間は少しの我慢をして見つめることにします。

▼新型コロナ禍でしばらくの間できなかった童たちのスポーツの練習試合がようやく再開されています。日曜日には村のグランドでも隣の市のチームと野球の交流試合が行われ、童たちは思いっきり元気に体を動かし、久しぶりのプレーを楽しんでいました。

▼秋田県民歌に歌われる「秀麗無比なる鳥海山」です。横手盆地のりんご園からのぞむその山容はまさに秀麗そのもの。雪をいっぱいに抱いた姿は、りんごやさくらんぼの樹園と田んぼの緑になんともよく映えて見えます。