週末からきのうにかけては、新型コロナ禍の行動自粛が一部地域をのぞいて緩和されたことや、連日の晴天にも恵まれ、各行楽地や街は一定のにぎわいとなった模様です。
村でも、ブナの森深山でのタケノコ採りがいよいよ始まり、また登山シーズンも始まったことからなじみの山へ向かうのでしょう、他県ナンバーもふくめ村の国道を通過する車がずいぶん多くなりました。山の駐車場も一年ぶりのにぎわいを見せ始めています。深山タケノコはまだはしりで、どこでも誰でも採れる最盛期は村ではもう少し先になります。
冬や春の雪上歩きでタケノコの早く出る場所を頭に入れているこちらも、29日、早朝に除草剤を散布、広域圏組合に提出される議案の説明を役場で受けた後、昼近くなってから出始めのタケノコをめざしてさあ今年の本格山入りです。
先にもご紹介しましたが、そういう場所はこの時期にタケノコを主食とするクマ公も同じで、クマ避け対策をしっかりやらないと思わぬ遭遇と、場合によっては彼らからの攻撃をうけることがあります。タケノコ山ならいずこでも、クマの糞とともにタケノコを食べた痕跡が多くあるのは常。そんな所では、いくらも離れない場所にクマが潜んでいるということを覚悟しなければなりません。タケノコ採りは、それだけの危険をともなうということを忘れたくないものです。
それに、クマ対策で私が強調したいのは、クマにも個性があり、また人と関わったそれぞれの体験もあり、クマすべて性格が同じではない」ということです。それは家畜やペットと同じです。おだやかなクマもいれば、気性の荒いクマもいるのです。気が荒くなった原因のひとつに人間の与えた諸々の影響もありますが、今日はその原因への言及は省きます。
こちらが入った山でも、タケノコの食べ痕とともにクマの糞が随所でみられ、中には残雪の上に直線で10㍍ほど点々と散らばる糞も見られました。まるで歩きながら用を足したような脱糞後の様子です。おかしな痕跡もあるものです。
タケノコが採れる春のブナの森は、キノコのワゲ(ヒラタケ)も今が最盛期。肉厚最高級のワゲは味噌汁でたっぷりといただき、30㌔グラムを少し上回る若くて軟らかなタケノコは、妻の手で早速瓶詰めにされます。キノコの脇には、コミヤマカタバミも咲き始めていました。
▼どこから種が運ばれてきて根づいたのか、家まわりの土手では山のアスパラガスと呼ばれるシュデコ(シオデ)が食べ頃です。そばには、山陰地方の牡丹島から求めてきたボタンも花盛り。ボタンやシャクヤクが咲き始めれば、山里へも初夏の気が漂い始めます。きのうは湿度こそ低かったもののまるで真夏でした。連日の晴天で早苗の生長がすすみ、農家同士の交わすあいさつは「そら、えふて、しょうぶしたな(天気が、よくて、よかったですね)」です。