山菜のオンパレードは深山へ

里山の山菜はオンパレードの季節がほぼ終わり、これからは旬をむかえたワラビや、採取期間の長いミズ(ウワバミソウ)やホギ(フキ)などに種類は限られてきます。

それでも雪消が早い割には今も家周りで採れているのは笹子(細めのネマガリタケノコ)で、我が家ではワラビやアザミとともに毎日のようにごちそうになっています。

里山でいま盛りをむかえているのはサグ(エゾニュウ、シシウドの仲間)。サグは、新芽が腰の高さほどに生長してから新たに出てくる中心茎を採取する山菜です。

サグは我が家の冬のでごじる(大根汁・おでん風大根煮)に欠かせぬ山菜です。私の大好物で、毎年たっぷりと塩蔵します。サグの中心茎はクマも大好物で、深山のタケノコが出る前は今の季節の彼らの主食といってもよいほど。タケノコだけでなく、サグのある山はクマがいると思えばまちがいなし、気をつけましょう。

これからの山菜のオンパレードは深山の雪崩斜面に移り、さらに6月に入れば本格的なタケノコ採りの季節がやってきます。クマ狩りや登山などで雪上の深山を長く歩いた経験のある方なら、強風で積雪の少ない尾根筋を知っています。そこに笹があればタケノコが早く出ますが、そういう早く出る箇所は人と同じようにクマも知っていて集中し、鉢合わせてしまうことがありますから、これも要注意です。

県境深山の雪庇のできる尾根筋の東側には大量の残雪がみられます。それは鳥海山をはじめ豪雪地方の山々の東側山麓に残雪が遅くまで見られるのと同じです。西側尾根は北西の風が強く雪が吹き飛ばされ、雪庇ができる尾根の東側に大量の吹きだまりができるからです。

深山の尾根筋散策が趣味のこちらは、今も時々そこへ足を向けます。早くタケノコが出る箇所もさすがにまだ採れ頃とはならずほんの少しが見られるだけ。尾根の風下や窪地には残雪がいたるところで見られます。ブナ倒木には毎年いただいているワゲ(ヒラタケ)がようやく姿を見せ始めました。

今日は父親の月命日。仏前のお膳にも旬の山菜たちがいちばん多く供えられる季節です。