中学生33人の門出

開会中の村議会は、8日に一般質問がおこなわれました。

陳情案件も審議され、消費税10㌫引き上げの中止をもとめる内容や、全国一律の最低賃金制度確立と中小企業支援の拡充を求める内容の陳情などを採択。政府に対する意見書案が最終日に議決されます。

この日の本会議では、開会冒頭に東日本大震災で亡くなられた方々を追悼し黙祷を捧げました。8年前の3月11日は3月定例議会の最終日でした。久方ぶりに副村長就任も決まり、ちょうど議会も改選の時と重なり、新しい節目をむかえて「さあ、これから」という時におきた魔の大震災でした。震災翌日は中学校の卒業式。それだけに、あの当時のことをあざやかに思い起こしながら、犠牲となられた方々へのご冥福をお祈りいたしました。

▼9日土曜日はその中学校の卒業式と祝賀会。立派に成長された33人の第72期卒業生と、その子どもたちを見守りささえ育ててくれた保護者、ご家族、先生方に感謝とお祝いをこめながら乾杯の発声をさせていただきました。

式典はいつものようにどの場面も感動あふれる内容につつまれました。生徒たちの涙、母親をはじめとする保護者のみなさんの、「これだけ、たくましく大きくなってくれて」という子育ての苦労をふりかえっての子の成長に寄せるうれしさの涙……。それらを目にして、こちらも目頭と胸に熱いものを感じました。

今年の卒業式では、もうひとつ特別な感慨もありました。実は、女性として前生徒会長をつとめ答辞に立たれた千田明さんは、昨年までわが議会で活動され病で逝去された故佐々木健夫議員のお孫さんでもあります。

いつも通りなら、来賓の議員席から、答辞を読むお孫さんの姿、卒業の歌の伴奏でピアノを弾かれた彼女を本来なら見つめていたであろう故人を思わず偲ばせられた卒業式でもありました。「健夫さんに、この日の卒業式を見せたかった。」きっと同じ思いの方が少なくなかったでしょう。式典会場には奥さんの姿が見られたようで、「それはよかった」と思いました。

人の社会、巣立つ、放す、離れるというのはよろこびでもありますが、それにはひとときの間ながらつらさも同居します。みんなそうやって一人前になってゆくのですからね。先日も記しましたが、我々が中卒の頃は、クラスの大半がこの3月から社会人となり、その半数以上は親元から遠く離れて首都圏などへむかいました。そういう面では、この先3年は家族と過ごすことができて、しかも学びに専念できる今の子どもたちは、ほんとうに幸せものということができるでしょう。

▼今日は、33人の卒業生のみなさんの門出をお祝いして、咲き始めた福寿草を贈ります。