我が家では味番付トップのハタケシメジ

山里が彼岸入りの季節に入ると、うれしい野山の恵みと出会える機会がぐんと増します。

私が心待ちにしていたハタケシメジもいよいよ出盛り。一週間ほど前から見つめ続けていた本番ものの株は、ようやく食べ頃、採り頃の大株へと成長しました。

我が家の女性たちは「マイタケよりおいしいし、格好もいい」と、味ランクではホンシメジとならべてキノコ界のトップに位置づけるほどに味覚とスタイルへの評価が高いキノコです。妻はほかのキノコはそれほど食べませんが「わげぇ、ミャゴど、わげぇシメジなば、んめぇ(若いマイタケと若いシメジなら、美味い)」といい、それらだけは好んで口に入れます。

妻は早速、旬の里芋を掘り取ってシメジを調理。サクサクの歯触り、上品な味と香り、キノコ界のこれは王様というより、品格に満ちた女王様とでも言いたくなるようなキノコです。その香りと味は、彼岸の入りの仏前にもそえられました。

通の間ではマイタケと同じかそれ以上に貴重扱いされるハタケシメジ。なのに、食べられることを知らない方も案外多く、採られないまま毎年腐ってしまう株も少なくないようです。

それは、発生箇所がそれほど多くなく食べられる機会が少ない種であることと、おそらく何か似たような毒キノコを間違って食べた事例などが世間にはあるからでしょう。が、こういう見事な株の特徴がありますから、ほかの毒キノコと違い見分けはそれほどむずかしくないキノコです。