老菌大株マイタケの初モノ

いつの年も「増田のお祭」の頃になれば、あちこちから「ミャゴ(マイタケ)出たぞ」の声がきかれます。

今年も12日あたりから我が家の早生栗がカネ色に稔り落ち始めましたから、季節はいつの年もほとんど同じようにめぐってきているようで、マイタケ便りも方々から聞こえてきます。

その便りにあわせてこちらも村の深山で連休の3時間ほどを過ごしました。この日には、同じ集落に暮らす山仲間たちもマイタケをめざして同じ山に入りました。みなさん、それぞれに喜び採り慣れた思い入れの木があるのです。

例年、村でマイタケが盛りとなるのは秋分の日あたりからで、それ以前に主に出会えるのは「シロフ(白いマイタケ)」やクロフ(通常のマイタケ)でも早生モノたちです。

こちらも、そういう「シロフ」や早生モノの出るミズナラの木を限定して数本巡り歩き、出会えたのはたった1本の大木だけ。それもシロフのありったけ成長した後の老菌で、なんとかかんとか食べられる代物でした。

ただし、この発生木は条件がよいだけにいつの年も株は大きく成長し、シロフでも1株の重さが4㎏近く。今年は一本の木で計15㎏ほどの収穫となりました。これが3~4日前だったら最も食べ頃の大株だったことを残念に思いながら両手でキノコを左右に動かし、ゴグッと根元からはずれる音をききながら大株をかかえました。

天然マイタケでもシロフの老菌で、食べられるぎりぎり状態ですから虫も棲み着いていて、もちろん味は格下です。それでも天然初モノなので、秋の香りをちょっとは楽しめ、仏前にも初モノの香りを供えました。