焼石の花たちに会いたくて(その2)

焼石沼の手前、タゲのすず(岳の湧水・清水のこと。いつのまにか「長命水」などという名がついたりもした)がある近くでは、お目当てのキヌガサソウがよく咲いていてくれました。山行後半の姥石平からの周回コースでもはじめてこの花をみました。「キヌガサを拝めただけで、来たかいがあり」と思ったほどです。すず(湧水・清水)で喉をうるおし、次は残雪そばの湿地に咲くミズバショウ、リュウキンカなどをとっくりと眺めます。

沼の草原はやっと雪が消えたばかり。もう少したつとここの代表的な花景色となるミヤマキンポウゲやノウゴウイチゴとならんでおいしい実をつけるエゾノクサイチゴの群落はもちろん花の気配もまだなし。でも、雪消えの早い登山道にはそれらが咲き始めています。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沼の周囲でいま圧巻の花景色はリュウキンカとミズバショウ。それに、ミネザクラが満開で、三界山を背景に借りたりしながらこれらの花々を撮り続けました。そばには、これはなんでしょう?苔か植物かわからないおかしなモノもあり、カメラにおさめておきました。

 そうしている間も風は強くなり、霧もますます厚くなって吹きつけ、服が濡れ始めました。寒くもなり、手がややかじかんできましたので雨具を着けて上へ向かいます。

8合目前後からの登山道はおよそいつの季節も「花の道」。ミヤマキンポウゲやシナノキンバイ、ミヤマキンバイでしょうか、それらをはじめ、ハクサンチドリ、エゾノクサイチゴ、キバナノコマノツメ、イワハタザオの仲間が見られます。お目当てのミヤマオダマキも花真っ盛りの二株の姿と出会うことができました。この花、焼石では希少種でしょう。

 

 

 

 

 

 

 



 

 

  いつものように9合目焼石神社では諸々を祈願。そばの岩上には少し散り始めたチングルマが顔を見せ始めます。そこからの少しの間の岩渡り越えはチングルマの花の道でもあり、花リレーではやがてそれにミヤマダイコンソウも加わります。

頂上近くになったら、ミヤマシオガマ、そしてこれもお目当てのユキワリコザクラの仲間がほんの少し見られます。これらの花々は姥石平が本場なのでそこではあまり時間をとりません。ここから先はカメラのレンズに水滴が着き、一回シャッターを推しては水滴を拭いての繰り返し。こんな荒れ空の下での「花見」もそうはないことです。

頂上到着8時25分。強風と濃霧の流れるなか、濡れるミヤマシオガマとイワカガミ(コイワカガミ?)を撮り、一休みもなく岩手側の登山道へ下りました。ガスが濃くて周りがほとんど見えず、頂上では一瞬方角がわからなくなり、「はて、どっちだっけ?」と下りる道をさがしたり。

姥石平への周回コースをとったのは、下りる途中のイワウメと、姥石平の広大なハクサンイチゲとミヤマシオガマ群落、ユキワリコザクラの仲間、ヒナザクラ、チングルマたちをながめるためにです。

▼世界が注目していた歴史的とされる米朝首脳会談が行われました。この会談実現から学ぶべきは「対話こそがものごと解決の最大のカギ」ということでしょう。「話せばわかりあえることができる」です。今会談は出発点、合意された内容の実現に向けて今後も対話、協議が着実にすすめられることを期待したいものです。