決算特別委員会

村議会9月定例会議恒例の決算特別委員会がきのうと今日の日程で開かれています。

きのうは令和3年度の一般会計に関わる決算審査が行われました。議決に基づき事業が執行されますが、それぞれの行政が予算や当初計画の目的に照らしたものとなっているかどうかを見極める役目が審査には求められます。「決算議会」は、質疑にあたる議員も、それを受ける当局も、この機会を通じて事業の成果をふりかえる重要な場となります。

審査結果が後の予算措置などに関わることも少なくなく、双方「決算9月議会は準備も多く必要だし、力も入る」と、こちらが過去の決算議会で審査に当たった当時はよく言われたものです。

▼自宅裏手、池の法面にある野のリンドウが花色を濃くしています。今夜は増田のお祭り宵宮花火の日。日中は連日の夏日、真夏日、夜も毛布一枚で眠れる残暑ですが、このお祭りが過ぎればまもなく彼岸の入り、秋はいっきに深まるでしょう。

目立つナラ枯れ病

村の里山(一部は深山入り口の国有林まで)がナラ枯れ病に冒されてから久しい年月が経ちます。

ナラの木の病は拡がり続けていて、今年新たな被害木が目立つのは肴沢、岩井川、椿川にかけての地区。被害木の伐倒以外ほかの防除策では対応できない規模となっています。

紅葉前の今の時期、ナラ枯れの山は、昨年までに死に絶えた幹は当然ながら葉っぱも無しの完全な立ち枯れ状態。春には芽吹いたけれどもこの夏完全に枯れ死した被害木は枯れた葉をつけたままの状態で褐色に。また病に取りつかれながらもかろうじて生きている木は、葉っぱが本来の濃緑の葉色を失い黄緑がかっています。これも来年には葉枯れとなるはず。

コナラもミズナラも、それらの樹下はキノコが豊かに発生する所ですが、菌類のなかでも木の根とともに共生するキノコの仲間たちは、幹の大量枯れ死によって菌が生きにくくなるようです。ナラとともに命をささえあってきた共生菌の仲間たちの姿がナラ枯れによって環境が変わり、キノコが極端に姿を減らす所もあります。

一方、ナラ枯れで急速に勢いを増やすのはナメコやムキタケなど木材を腐らせるキノコたち。林道そばの里山で「大量のナメコやムキタケを採った」という晩秋の話題が毎年ひんぱんに交わされるようになったのも、ナラ枯れ病が起こした平成、令和の山のひとつの珍現象です。

▼そんな山のナラ枯れなどとはいっさい無縁のキノコもあります。その代表格は草むらや花壇、畑の隅、道路の土手などに発生するハタケシメジ。

まだほんのわずかですが、おとといそのハタケシメジの初モノを手にしました。ホンシメジと同格の旨味をもつまことにおいしいキノコで、条件がよければひとかかえもある大きな株が大量発生している場面に出会えることもあります。そばには、真っ盛りとなったミズ(ウワバミソウ)のコブ(実)もいっぱい。サクサク感とほどよい粘り、ふたつの食感があるこの草の実も根強い人気があります。

ミズは、数多ある山菜のなかで春から秋まで採取期間がもっとも長く、しかも若芽、茎、根、実とおいしく利用できるので、山に暮らす人々にとってはとってもありがたい山菜。村の直売所でも会員のみなさんが「コブ」を店頭に並べますのでお立ち寄りください。

▼第55回村産業祭の実行委員会がきのう開かれました。新型コロナ禍の県の警戒レベルが2なので、開催内容は各種展示・即売、物産販売などに限定され、会場内での飲食は禁止されます。日程は、10月28日(金)の午後5時から7時半まで農林産物展示、29日(土)9時からも展示、正午まで物産販売となります。くわしい内容は例年通り村の広報配布時などにお知らせがされます。

あきたこまちの登熟すすむ

過ぎた週末の週間天気予報は、雨マークなし、すべての日がお日様マーク付きを知らせてくれました。

こんなに晴天が連なる予報は一年のうちでもそんなにないこと。「ほほう、めずらしい晴れ空続き。ということは、稲刈りになれば、荒れるかな?」と逆に少々の心配が頭をかすめたほどです。

豆名月で夜は明るく、くっきりと澄んだ青空の日中と、おかげで気分爽快な休日の日々となりました。

天気がいいので、あきたこまちの収穫を前にモミ乾燥・調整用の乾燥機や籾すり機械の作業準備にとりかかり、刈り取り用機械・コンバインも始業点検を行いました。機械はすべて順調に動きましたから、お天気がよければ予定通り下旬には収穫作業が始められます。

田んぼにも入ってぬかるみ状態を確認。歩いた状態ではまずまずの落・排水状態なので作業はあんまり難儀せず済ませることができるでしょう。ただし、稲穂がイノシシに荒らされたのは残念で、これからもまだ油断はできませんが、それだけはこれ以上の防ぐ策はとれません。

遅れが言われていた稲穂の登熟も晴天のおかげでかなり進んできました。田んぼには、穫りいれの時期になると群れ飛ぶアカトンボがもう大きな集団で棲みつき、暦で長月の澄んだ陽射しが、空を泳ぐように飛ぶトンボの羽をキラッキラッと光らせます。

天然マイタケも顔出し

先日、「増田のお祭りの頃になれば、山のミャゴ(マイタケ)出る」との旨を記しました。その祭り日は来週の15日ともう間もなくです。

15日前後にカオを見せるのは「シロフ」と呼ばれる色が白みがかった早出のマイタケです。また、通常の色が黒い「クロフ」マイタケでも、倒れて横になった木の根元などに発生するマイタケは、まだ生きているミズナラの木に出るマイタケよりもカオを出すのが早くなります。増田のお祭り朝市などに並べられる天然マイタケの多くは、そんな倒れたミズナラ大木から採られたものなのでしょう。

こちらも長年の春山登山やクマ狩り、キノコ採りの山歩きで、寿命を終えたミズナラ大木が倒れている箇所をわかっていて、きのう車のすぐそば道路わきにあるそのうちの2本に立ち寄りました。

予想した通り、うち1本の根株に食べ頃の小さくて形も弱々しいマイタケがわずかですがカオを出していました。ほんの少しですがいつもの年より10日ほど早く、思わぬ最高級キノコの香りと味を楽しむことができました。

そばの倒れたミズナラにはやや老い始めたマスダゲ(マスタケ)も見られ、先端の軟らかい部分だけを切り取って一夜味噌漬けでおいしくいただきました。

家周りでは、ハタケシメジもむっくりと黒い傘で登場しています。里山ではアガキノゴ(サクラシメジ)がそろそろ盛りを迎える頃でしょう。

先日も記しましたが、これからは食毒数多のキノコがいっせいにカオを見せます。それらの中には、今回も写真の最後に載せたようなキノコ中毒事故の多いクサウラベニタケもあります。

毒のクサウラベニタケとイッポンシメジは、食べられるキノコの王様ともいわれるホンシメジや、やはり食べられるウラベニホテイシメジ、カクミノシメジ、スミゾメシメジなどと間違われやすいキノコです。

あと2週間で秋分の日となり本格的なキノコシーズン到来となります。毒キノコの誘惑に負けない心がけが求められる季節入りです。

▼今日は村議会9月定例会議2日目の本会議で2議員による一般質問と陳情審議があります。終わっては予算特別委員会も予定されています。一般質問は3議員の通告でしたが、通告していた1議員が急きょ欠席となったため2人の質問となります。

村道の改良、林道・作業道保全の大切さ

冬期も除雪車が入れるような生活道路整備を長年計画的に進めてきたわが村。整備は人家が連担するところなどを重点的に進められ、要望箇所の改良・新設はあとのこすところわずかとなっています。

滝ノ沢菅生田地区にもそうした箇所がありましたが、今年その箇所の工事が着手され、あとは舗装ができれば完成という段階まで工事は進みました。

滝ノ沢地区にはもう1箇所人家の連担する所からの道路改良要望が以前からあがっていて、議会も現場を何度も視察しています。そこも早く要望に応えられるようにしたいものです。それが実現できれば、集落を貫く村の大小生活道路は改良整備がほぼ終わり、村による除雪体制がいっそう充実されます。

▼道路の大切さということでは、村道だけでなく過去に多額の費用が投下された村管理の林道や集落の農道、それらの道からつながるやはり多くの費用を投じて造られた林道作業道の維持管理も重要な課題です。

これらの道路についても村は総合計画でその保全の重要さを新たにかかげました。わが集落にある作業道でも、計画の視点に基づいて今年も村による維持管理の作業が手早く行われ、沿道の草刈り柴木刈り、そして道を横断するコンクリート管の土砂詰まり除去、側溝の開鑿、道路への砂利敷など的確な保全措置がとられています。

沢筋の農地が荒れ、林道だけでなくそれらに連なる山に入る農道の管理すら手不足になっている昨今です。なので、林業の振興はもちろんのこと、集落の生活をささえる村内全体のこうした山に入る道の維持、修繕、保全・管理が、山村の政治にとってはとても大事な務めとなっています。山の道は、いったん荒らして木が生えたり、側溝や横断管などが詰まって路面を水が走るようになれば、その復元にはまた多額の経費がかかるからです。

秋キノコのはしり次々登場(その二)

はしりの秋キノコのなかには、もう一つ加えておきたい仲間があります。それは、わが集落でフジミャゴと呼ぶシャカシメジ(センボンシメジ)。

このキノコも、9月初旬になればこんなに立派な姿で毎年ほぼ同じ樹下で出会えます。今年は、まずまずの発生量のようで、成菌、老菌の株がそんなに離れずに並んで見られました。4日でもうこんなに生長していますから、老菌は1日あたりだともっといい形で見られたはずです。

自然は「芸術的」な美しさをもつ造形にも長けているもの。シャカシメジの塊は、ほかのキノコにはない独特の見映えがあり、しかも味もそれほど悪くないので「通」の間では垂涎の的に入れられるキノコとされます。食べ頃の塊に出会えるのはなかなかむずかしく、発生箇所も極めて限られ数量も少なくそうは手に入らぬ高級キノコ。なので、採取できたら、やや構えてお吸い物などで少しいただくとありがたみが増します。

峰筋近くに発生するシャカシメジに会おうと沢をのぼったら、草むらにも枯れた木の根株にも、倒れた針葉樹と広葉樹にもネスゲモダシ(ナラタケモドキの仲間)がみられます。ナラタケの仲間では早く発生する種ですが、今秋は例年よりさらに早いカオ出しです。同じ仲間では出汁味がもっとも優れているキノコです。

里山の林内には、ほかにも食毒数多のキノコがいよいよ一挙に登場です。最後の写真はキノコ界最強の猛毒菌とされるテングタケ科の仲間(ドクツルタケ?)です。この美しい白さが猛毒をはらんでいる、天は、なぜこのキノコにそんな強毒をもたせたのでしょうか不思議です。

秋キノコのはしり次々登場(その一)

村の9月は秋キノコの仲間たちが次々とカオを出し始める時。

まず私にとってそのはじまりはネズミハギモダシ(ウスムラサキホウキタケ)で、それに早生のアガキノゴ(サクラシメジ)も加わります。

3日、先月末にカオをだしたばかりのウスムラサキホウキタケを「見置き」した里山にまず足を運びました。その日から一週間も経ったらキノコたちは大きく生長して、その時には姿の見えなかった塊も列をつくっていっぱい。今年は、やや発生量が多いようです。

大きいのはマイタケと同じような形で、もっこりとした株を見せ、ホウキタケの仲間のうちでは最も厚みのある塊の様子は見事です。くせのないキノコなのでどんな料理にも向きます。肉厚なので、湯がいて刺身風もよし、厚めに切って炒め物もよし、旨味のたれをつけマイタケのようにそのままホイル焼きにしてもおいしいです。

そのそばには早く出るサクラシメジもやはり列をつくってカオを見せています。こちらはごく簡単に里山近くで採れて、発生量の多い年は1箇所で大量に収穫出来ることもあり、幅広く人気のあるキノコです。わが家では塩漬けにして冬に鍋ものでいただきます。

ハギモダシ(ハナホウキモドキ)も晩生が盛りで、それにも少し手をかけました。2つのキノコをならべれば、ウスムラサキホウキタケの肉厚ぶりが目立ちます。ハギモダシを、ハナホウキタケとかベニホウキタケと記すガイドブックもありますが、完全にそれらとは別種とする「ハナホウキモドキ」と名をつけた研究者の論にこちらは寄り添います。

まもなく増田の祭り(花火で昔から有名)があります。村人は、「増田のおまづり(祭り)になれば、早生ミャゴ(マイタケ)おえる(生える)」と言います。今年も早そんな季節になりました。

田んぼを荒らすイノシシ

先月末、稲穂が色づき始めた田んぼに通ったら、圃場の真ん中あたりの稲が荒らされた状態で倒れています。

わが家の田んぼは倒伏するほどの肥料を稲に与えておらず。だから風や雨で倒れるような状態ではないのにその稲がどうしたのか倒れている。「これは生きものが倒したのだ。クマかイノシシかシカか?」と思いつつ確かめたら、案の定それはイノシシの仕業でした。

田んぼだけでなく、ミミズなどを食べようとして畦を大がかりに崩し農道の土を掘り返した跡が随所にあり、田んぼのなかには足跡も歴然。稲は倒され、稔り始めた穂を食べた跡を見て愕然。

もっとも山沿いにある田んぼで、しかもほかより田植えが早く実入りが早いことをイノシシも覚っていたらしく、わが家の田んぼが彼らの絶好の標的とされたようです。

「難儀して育てた稲を、なんで荒らしてくれるのか!」というのは人間の側の言い分。クマもシカも、そしてこのイノシシもふくめ野の生きものたちにとっては、果樹園も畑の野菜も、田んぼも、うれしい食べものの摂れる所だけのこと。そう達観してあきらめるしかありませんが、秋まで育ててきた稲が倒され食べられた跡をみるのはしのびないものです。

早速、役場に連絡するとともにラジオを据え付けて夜に鳴らし続け、人の臭いのある衣類などを畦に立て吊してとりあえずの防御をしたところです。昨年に続いての被害です。この村で農作物がイノシシの食害に遭うなど、近・現代では想像もできなかったことがもうあたりまえの時となりました。稲を食べるクマがいるということもふくめてです。

先日は、食いつぶされ倒れた稲をそのままにしておかれず、茎を起こし結わえる作業に腰が痛くなるほどの時間を要しました。茎が折れてしまっているからもうだめでしょうが。

9月定例会議始まる

9月定例会議がきのう開会されました。会議は16日までの日程で開かれます。9日には一般質問が行われ、その通告は今日正午に締め切られます。

9月定例会議は俗称「決算議会」とも呼ばれます。令和3年度村会計の決算審査が13~14の両日、議長と議会選出監査委員の議員をのぞく8人構成の特別委員会で行われます。決算審査は委員会審査のなかでも予算審査と同じように重要で、過去の議会をふりかえれば審査時間も最も多く要される委員会となります。

「決算議会」では、議決に基づいてとりくまれた各事業がどのような成果をみたのかなどが審査され、場合によっては今後の予算編成にも一定の影響が及ぶので、質疑応答にも相当の時間を要するのです。今議会でも2日間の特別委員会で旺盛な議論が交わされるはずです。

無念、同級生の突然の訃報

仙北道歩きをして帰った28日夕のこと、同級生Tさんの突然の訃報が入りました。

闘病中の身であったのはわかっていたのですが、あまりに急なことなのでとにかく驚くよりほかなしです。夜も、早すぎる突然のご逝去がどうしても信じられません。翌朝、弔問に向かいました。現実を認めたくないのですが、しかし、眠るようにしておられるご遺体を前に、無念の事実をうけとめるしかなくご冥福をお祈りいたしました。

Tさんからは、同級生でもあるこちらに対して率直な意見・助言を寄せていただくことがありました。その言葉は私にとってとてもありがたく感ずるものでした。そういう言葉をよせていただいた当時のことや、キノコ採り好きのTさんと深いブナの森で思わぬ行き会いをした日などを偲びつつ、無念の別れの思いを込め助言頂いたお礼を捧げました。

葬儀はきのう執り行われました。30日、31日と都内で東北3県町村議会議長会の研修会に出席、秋田の会長としての務めがあり葬儀へは向かうことができませんでした。

まだ71歳でのご逝去、ご本人の悔しさとご遺族皆様の無念と悲しみを思うと、帰京後こうして文字を連ねているうちも言葉に詰まります。今はただただご冥福を心よりお祈りするばかりです。Tさん、どうか安らかにお眠りください。

▼岩手、山形、秋田3県町村議会議長会の合同中央研修会がきのうとおととい行われました。やはりこの行事も新型コロナ禍で中止が続いていて、3年ぶりの開催です。ただ思わぬコロナ第7波のなかでの再開となったので、開催前も開催中も感染症が頭からはなれない気苦労の多い研修会となりました。今年は、それに3県とりわけ山形と秋田に関わる記録的な大雨被害が重なり、なおさら気の重いなかでの研修会となりました。当番県の岩手のみなさんにはそういうことで大変なご難儀をおかけしました。

研修会は、室山哲也氏(日本科学技術ジャーナリスト会議会長)が「人工知能にどう向き合うか」で、土山希美枝氏(法政大学法学部教授)が「いま自治体議会に求めるもの 政策議会の資源と成果を考える」で、田﨑史郎氏(政治ジャーナリスト)が「日本政治の課題とゆくえ」でそれぞれ1時間半ずつ講演されました。各氏の経歴などは別掲のとおりです。また、全国町村議会議長会の議事調査部から、「議会の個人情報保護条例制定に向けた手順」の説明も30分ほどありました。これは法施行の関係上、議会として来春までに対応をもとめられる課題です。

講演での学びもいろいろとありましたし、また互いに県内同士はもちろんですが、合同開催ですので我々であれば山形、岩手の議長さんたちとごあいさつを交わす貴重な機会ともなります。常任委員会等の視察活動に向けた相談事などもいろいろと交わし合われる集いともなりました。