目立つナラ枯れ病

村の里山(一部は深山入り口の国有林まで)がナラ枯れ病に冒されてから久しい年月が経ちます。

ナラの木の病は拡がり続けていて、今年新たな被害木が目立つのは肴沢、岩井川、椿川にかけての地区。被害木の伐倒以外ほかの防除策では対応できない規模となっています。

紅葉前の今の時期、ナラ枯れの山は、昨年までに死に絶えた幹は当然ながら葉っぱも無しの完全な立ち枯れ状態。春には芽吹いたけれどもこの夏完全に枯れ死した被害木は枯れた葉をつけたままの状態で褐色に。また病に取りつかれながらもかろうじて生きている木は、葉っぱが本来の濃緑の葉色を失い黄緑がかっています。これも来年には葉枯れとなるはず。

コナラもミズナラも、それらの樹下はキノコが豊かに発生する所ですが、菌類のなかでも木の根とともに共生するキノコの仲間たちは、幹の大量枯れ死によって菌が生きにくくなるようです。ナラとともに命をささえあってきた共生菌の仲間たちの姿がナラ枯れによって環境が変わり、キノコが極端に姿を減らす所もあります。

一方、ナラ枯れで急速に勢いを増やすのはナメコやムキタケなど木材を腐らせるキノコたち。林道そばの里山で「大量のナメコやムキタケを採った」という晩秋の話題が毎年ひんぱんに交わされるようになったのも、ナラ枯れ病が起こした平成、令和の山のひとつの珍現象です。

▼そんな山のナラ枯れなどとはいっさい無縁のキノコもあります。その代表格は草むらや花壇、畑の隅、道路の土手などに発生するハタケシメジ。

まだほんのわずかですが、おとといそのハタケシメジの初モノを手にしました。ホンシメジと同格の旨味をもつまことにおいしいキノコで、条件がよければひとかかえもある大きな株が大量発生している場面に出会えることもあります。そばには、真っ盛りとなったミズ(ウワバミソウ)のコブ(実)もいっぱい。サクサク感とほどよい粘り、ふたつの食感があるこの草の実も根強い人気があります。

ミズは、数多ある山菜のなかで春から秋まで採取期間がもっとも長く、しかも若芽、茎、根、実とおいしく利用できるので、山に暮らす人々にとってはとってもありがたい山菜。村の直売所でも会員のみなさんが「コブ」を店頭に並べますのでお立ち寄りください。

▼第55回村産業祭の実行委員会がきのう開かれました。新型コロナ禍の県の警戒レベルが2なので、開催内容は各種展示・即売、物産販売などに限定され、会場内での飲食は禁止されます。日程は、10月28日(金)の午後5時から7時半まで農林産物展示、29日(土)9時からも展示、正午まで物産販売となります。くわしい内容は例年通り村の広報配布時などにお知らせがされます。