秋キノコのはしり次々登場(その一)

村の9月は秋キノコの仲間たちが次々とカオを出し始める時。

まず私にとってそのはじまりはネズミハギモダシ(ウスムラサキホウキタケ)で、それに早生のアガキノゴ(サクラシメジ)も加わります。

3日、先月末にカオをだしたばかりのウスムラサキホウキタケを「見置き」した里山にまず足を運びました。その日から一週間も経ったらキノコたちは大きく生長して、その時には姿の見えなかった塊も列をつくっていっぱい。今年は、やや発生量が多いようです。

大きいのはマイタケと同じような形で、もっこりとした株を見せ、ホウキタケの仲間のうちでは最も厚みのある塊の様子は見事です。くせのないキノコなのでどんな料理にも向きます。肉厚なので、湯がいて刺身風もよし、厚めに切って炒め物もよし、旨味のたれをつけマイタケのようにそのままホイル焼きにしてもおいしいです。

そのそばには早く出るサクラシメジもやはり列をつくってカオを見せています。こちらはごく簡単に里山近くで採れて、発生量の多い年は1箇所で大量に収穫出来ることもあり、幅広く人気のあるキノコです。わが家では塩漬けにして冬に鍋ものでいただきます。

ハギモダシ(ハナホウキモドキ)も晩生が盛りで、それにも少し手をかけました。2つのキノコをならべれば、ウスムラサキホウキタケの肉厚ぶりが目立ちます。ハギモダシを、ハナホウキタケとかベニホウキタケと記すガイドブックもありますが、完全にそれらとは別種とする「ハナホウキモドキ」と名をつけた研究者の論にこちらは寄り添います。

まもなく増田の祭り(花火で昔から有名)があります。村人は、「増田のおまづり(祭り)になれば、早生ミャゴ(マイタケ)おえる(生える)」と言います。今年も早そんな季節になりました。