秋キノコのはしり次々登場(その二)

はしりの秋キノコのなかには、もう一つ加えておきたい仲間があります。それは、わが集落でフジミャゴと呼ぶシャカシメジ(センボンシメジ)。

このキノコも、9月初旬になればこんなに立派な姿で毎年ほぼ同じ樹下で出会えます。今年は、まずまずの発生量のようで、成菌、老菌の株がそんなに離れずに並んで見られました。4日でもうこんなに生長していますから、老菌は1日あたりだともっといい形で見られたはずです。

自然は「芸術的」な美しさをもつ造形にも長けているもの。シャカシメジの塊は、ほかのキノコにはない独特の見映えがあり、しかも味もそれほど悪くないので「通」の間では垂涎の的に入れられるキノコとされます。食べ頃の塊に出会えるのはなかなかむずかしく、発生箇所も極めて限られ数量も少なくそうは手に入らぬ高級キノコ。なので、採取できたら、やや構えてお吸い物などで少しいただくとありがたみが増します。

峰筋近くに発生するシャカシメジに会おうと沢をのぼったら、草むらにも枯れた木の根株にも、倒れた針葉樹と広葉樹にもネスゲモダシ(ナラタケモドキの仲間)がみられます。ナラタケの仲間では早く発生する種ですが、今秋は例年よりさらに早いカオ出しです。同じ仲間では出汁味がもっとも優れているキノコです。

里山の林内には、ほかにも食毒数多のキノコがいよいよ一挙に登場です。最後の写真はキノコ界最強の猛毒菌とされるテングタケ科の仲間(ドクツルタケ?)です。この美しい白さが猛毒をはらんでいる、天は、なぜこのキノコにそんな強毒をもたせたのでしょうか不思議です。