山の幸を准主食として

山菜本番の季節をむかえる春まではまだふた月もあるわが村。

CIMG9811-1▼今は、昨年春に採りダメし塩蔵や乾燥していた山菜やきのこを、わが家では毎日欠かさず食卓にのぼらせています。ゼンマイはたんぼ脇の土手にいっぱい植えられ、わらびはたんぼに転作としてたっぷり作付けしていますから、山にわざわざでかけなくともこの2種は食べ放題。

CIMG9815-1きのこのサモダシ(ナラタケの仲間)は、秋から冬、ほぼ毎朝の味噌汁に入れられ、サグ(エゾニュウの仲間)は煮物に欠かせぬ具として冬は食卓から見えなくなることはほとんどないほどで、今朝も湧水で塩出しがされています。

山の幸は、わが食卓ではおかずというよりも准主食みたいなものですから、妻には「オメなば(あなたなら)、東京でなば(東京では)、いぎで(生きて)、えげねべぇ(いけないでしょうね)」とよく言われます。

完全無農薬、化学肥料ゼロで育つ山菜やきのこを毎日食べる「野人」のような食生活が幸いしてなのか、体は内臓から外回りまですこぶる健康。秋の産業祭で健康チェックコーナーに立ち寄ったら、骨密度などずいぶん「若い」数値がピピピッと刻まれました。

人生の大先輩方から言わせれば「体験で年をはかるなら60歳代半ばなどまだまだ若造」というところでしょうが、老いとか、老けとかいう言葉をあてがうほどではないにしろ、実際は、ピピピッの数値にはあらわれない高齢者規格一歩手前、内臓は別にして体のガタはあちこちに感じはじめています。

CIMG9802-1CIMG9800-1▼おととい夜からきのうにかけての小雨で、成瀬川と支流の合居川は今年初めてやや増水の薄濁りとなり、岸辺にあった雪の欠け落ち跡が見られました。

CIMG9817-1▼わが家前も、2月下旬はじめでこんなに雪が少なくなったのはめずらしく、きのうは消雪用の流水をいったん止めました。

▼昨夕のお天気ニュースでは聴き慣れない「煙霧」という春告げ特有の気候現象を報じていました。きのう午後のわが集落をつつんだ杉花粉のような霞んだ気の漂いも、きっとその「煙霧」だったのでしょう。

除雪無し日が続きました

CIMG9681-1

▼雪降りがなく、除雪作業なしの朝が一週間ほど続いています。

▼旧暦ですごしたむかしの人々は、今の1月下旬から2月はじめに新たな年をむかえました。大寒を過ぎ、迎春の字を躍らせて新年をむかえる、雪国では、旧暦に記された節区分で年月を刻むのがどこやらふさわしいようにも感じられます。

▼四季の節目に私が目をとおす祖父の日記は、昭和26年2月23日(旧暦1月18日)、「ヤナギ沢杉切リ一人、ガン四九ハ トンデ行 西北ニ」と書き、その3日後には「コヘヅカホリ」と記し、春を感じて堆肥を運ぶ雪穴掘りをはじめた様子が綴られています。ノコギリの杉伐り仕事中、雁が北へ向かう姿を目にしたのでしょうか。

それから60年ほど経った雪国県南、週末に通った横手市のアップルロード沿い、好天もあって、りんごの枝切り(剪定)作業をはじめた姿がぽつぽつと見られるようになりました。いずこにも、何事にも、仕事はじめの早い方がおられるもので、60年前のリンゴ園でも、2月末には同じような姿がみられたのでしょう。もう、春がきたのだということで。

CIMG9699-1CIMG9686-1

 
CIMG9693-1

▼週末に見上げた県境の名峰の代表格「二つに並ぶ東山」と焼石連峰・三界山、いつも見下ろす成瀬川、これからは真白き山容が空の青に映える日が多くなります。

▼雪寄せ作業無しの日々だけでなく、気の流れも、水の色も、雪の色も、みんな徐々に春模様を見せ、果樹園の枝切り光景も目に入るようになりました。ですから、「もう、これで、今年は春だ」と、せっかちな私は、旧暦で年賀のお祝いをした昔の人々のように「迎春」の心持ちになっています。

▼土曜日の朝など、雪降り無しの連日に晴天が重なり、「カンジキ無しでも、裏山を少しなら散策できたよ」と、集落の山歩き愛好の方が語っていました。まだまだ本番の堅雪歩きはずっと先のことですが、1月、2月と屋根の本格雪下ろし無し、2月下旬にそんな歩きも少しできたという、雪とかかわる生活と自然の珍記録を刻んだ年と今年はなるでしょう。

CIMG9701-1CIMG9706-1CIMG9710-1

CIMG9719-1

CIMG9737-1

CIMG9773-1

CIMG9792-1

▼雪降り無しだと喜ぶのは外遊びの童たち。わが家の週末、久しぶりににぎやかな声を、春色を増した家の内と外で聞くことができました。暖かな陽射しにさそわれた童たちは、雪を食べたり、木の根元にできたシガ(つらら)をかじったり、山から勢いよく水路を流れる水を手ですくい「おいしーい」と、たっぷり飲んだり。どうしてでしょう、童は水に触れるのが好きなのですね。

▼きのうは、地元選出県議会議員の新春のつどいへ。当事者の県議さんをはじめ、知事さん、国会議員さんなど、日頃村の要望などでお世話になっている多くの方々のごあいさつやお話をお聞きし、いろいろと勉強になるひとときを過ごさせていただきました。

自治功労者表彰式へ

CIMG9669-1▼県町村議会議長会の自治功労者表彰式と理事会できのうも積雪ゼロがつづく秋田市へ。

CIMG9679-1▼わが議会では、11年以上議員在職者として佐々木健夫議員が授賞式に出席、佐藤正次郎、谷藤怜子、高橋健、佐々木正夫の各議員へは全国町村議会議長会からの表彰伝達がありました。

CIMG9670-1▼佐竹知事や加藤町村会副会長(八峰町長)の祝辞の後、受賞者代表として佐々木健夫議員が謝辞をのべました。私の記憶が確かであれば、佐々木議員は役場職員として30年以上つとめられ、50歳代で途中退職、村長選に二度出馬を経て後に議員在職となっています。

CIMG9675-1▼市町村会館特別会議室での代表受賞、そして謝辞を述べられる佐々木議員の姿をそばで目にしていて「職員、議員と二つの公職を務められて、どんな感慨をいまもたれているだろうか」と、自分のことではないながらも、様々な思いが私の脳裡をめぐりました。

▼17日は、同じように県町村会の自治功労者表彰でわが村の佐々木村長と農林課長のYさんが受賞されており、年度末をむかえる前のこの月は、公職にある方々が自分の積み重ねてきた過ぎし日の活動を表彰という機会にふりかえる、ある意味厳粛な一日といってもいいのでしょうか。みなさんおめでとうございました。そして、今後もどうか村のためにご活躍のほどよろしく、です。

▼理事会は、今年度の事業計画と10,625千円の来年度予算案などを決め、今年度の主な行事をしめくくりました。

「真人へぐり」のマンサクがいつ咲くかで

▼村の農業再生協議会総会がきのう開かれた。若干変化のあった生産数量や目標面積についてはいつものようにこの後各農家にしめされる。

CIMG9665-1▼資料は、昨年の村の水田活用の実績が一覧でわかるもの。ネコの目農政などといわれて久しい国の農業政策の下、懸命にがんばっている村内農家と村のとりくみの結果を知る26年のひとつの記録をお知らせしておく。

CIMG9663-1▼1月からこれまで住宅屋根への本格的な雪下ろしには一度もあがっていないという「異変」がまだ続く。ただ、12月に4度も雪下ろしをしているので回数でいえばほぼ例年並み。積雪もわが集落で2㍍を一度超したからまあ並の冬ということだろうが、年があらたまってからのこの雪降りのおとなしさには「異変」と思いながらも助かっている。

CIMG9661-11月、2月半ばまでに「むだっと(力いっぱい・本格的に)、雪下ろし、しねたてええなんていうななば(やらなくてもよいというのは)、きおぐにねぇ(記憶にない)」なのである。

 

きのうもおとといも3月なみの気温という。この先の週も強力な寒気襲来は予報されないものだから、「今年の春は案外早いぞ」と、もう早合点したくなるような2月も雨水。これからは、渡り鳥の動きや、私が季節指標のひとつにしている国道342号沿い「真人へぐり(真人山の南斜面)」に咲くマンサクの開花日(通常は3月はじめ)などに注目したい。

わが家では「もしかしたら、今冬の本格雪寄せでは、これが最後かな?」などと思いながら、農機具格納庫など軒の除雪に2人で汗を流した。「春は早いかも」というこちらの予感どおりとなるか、それともドンと積雪が重なって一昨年のように2月末に豪雪対策本部設置ということになるか、雪との駆け引きで微妙に心が揺らぐ2月下旬へ、さあ今年もむかう。

積雪ゼロの街で電算システム協同事業組合議会

CIMG9648-1▼県町村電算システム共同事業組合(管理者・松田知己美郷町長)の議会定例会がきのう開かれた。

議会の開会に先立ち、15日投票の井川町長選で初当選を果たした斉藤多聞町長があいさつをのべられた。33歳、県内では最年少の首長が席につかれたことで、議場の特別会議室が瞬間若返ったような雰囲気につつまれたと感じた。

会議の冒頭には、副管理者であった斉藤正寧前井川町長のご逝去を悼み黙祷を捧げた。斉藤前町長は、永く就かれた県町村会長として、あるいは電算システム共同事業組合設立で大きな役割を果たされた。その父の急逝にともなう選挙戦に急きょ出馬し当選、ちょうど昨日が初登庁、それに続いて組合議会にも初出席というご子息の斉藤多聞氏は、亡き父の歩まれた道の一端をあらためてふりかえる凝縮の一日であったかもしれない。

議会は、39,699千円の増額となる平成26年度一般会計補正予算の専決処分案を承認、7,499千円の追加となる同会計補正予算案、総額560,326千円の平成27年度一般会計当初予算案をいずれも可決し閉会した。

▼2月半ばに県内各地から集って会議があれば、話題の柱はやはり「雪の多さ少なさ」。今年は山本、北秋地方の方々から「こんなに雪の多いのは初めて」という会話が多く出された。わが村でもいたましい事故がおきているが、県北部も雪による死亡事故をはじめ被害が続いている。

1㍍をこえる積雪があれば同じ県内でも「こんなことは初めて」というほどの難儀になっている北の人々に共感しお話をお聞きした後、「おらほの集落なば、えま、2㍍越えだんす」とお知らせすると「ほーーっ」という声が。「同じ豪雪地帯でも、こっち(2㍍越のわが村)には交付金の特別配分してもらいでぇほどだ」などの言葉をかわしあえるほどに積雪の差は同じ県内でも大きい。

海寄りの県庁の周囲は積雪ゼロ、その時わが村は大半がすでに2㍍越えの雪。昨日は、「まるで、東京で会議やってるみでぇだ」が、久方ぶりに県都をおとずれたこちらの実感。
CIMG9641-1CIMG9650-1

CIMG9654-1

▼帰って、自宅前の小川や成瀬川のせせらぎを眺め、先日より多くの外殻を脱いだネコヤナギを少し手折って妻に。積雪ゼロの秋田市内も、こんなに厚い雪の村も同じ2月、秋田は広い、そして違いも大きい。でも、雪がこんなに多い村も、水の色がなんとなく春の色合いを感じられるようになりました。

金色(こんじき)のテンが雪上を駈ける

CIMG0008-1▼天気の変化が激しかった過ぎた週末の金曜日のこと。午前の晴れ間時、所用を果たしていた自宅そばの国道から成瀬川をはさんでの向かい山に金色に輝くいきものが目に入りました。

CIMG0007-1▼すぐに「おっ、テンだ」と気づき、カメラをとりに自宅へ。すでにテンはこちらの視界からはずれていますが、「そのうち、姿を見せるだろう」と車のそばでしばらく待機。


▼案の定、雪崩れのCIMG0006-1割れ目や木の根もとなど、土の見える箇所に入り込んでは雪上に出るの繰り返しをしていたテンが、今度はシロデ(喬木の少ない斜面)に出てしばらく姿をあらわし、時に全力疾走も見せます。その動きの速いこと、雪上でのこのスピードですからあの素早い野ウサギをとらえることも可能なのです。

CIMG0004-1

CIMG0014-1▼テンが走る場所は、ちょうどこの前クマタカが留まっていた立木のあるそばのシロデ。めずらしい姿との、偶然の、うれしい出会いが、しかも自宅前で続くものだと今年の不思議がまた重なりました。

CIMG0016-1肝心のテンは、この前のクマタカと同じで遠くの姿をカメラにおさめましたが、やはりブレたりボケたりで金色に染まる世界最高級の毛並みはご紹介できません。が、真冬のテンは、「ボケ写真でも美しさは想像できますよ」ということで、雪国ならではの黄金色に輝くいきもののうごきを載せてみました。
CIMG0023-1豪雪の村では、クマタカがイヌワシとならんで空の狩人の王者なら、テンはキツネとならんで陸の狩人の王者。クマタカとテンとキツネが、それぞれノウサギをとらえた現場を過去に目にしている当方は、その時出会ったタカの翼やテンやキツネの毛色の美しさ、彼らの眼の鋭さを時々思い出します。

▼きのうは、村農業再生協議会の幹事会が開かれ、18日に開かれる総会にむけ、来年度の生産数量や目標面積、各種交付金の提出案などを協議しました。

芸術の力は大なり

CIMG9632-1
生涯学習の拠点「ゆるるん」で開催されました。写真は子ども仙人太鼓

▼村の芸術文化祭と、それにあわせて毎年行われている東成瀬の方言「さぁ・シャベローゼ大会」がきのう開かれ、展示や演技など午前の部を楽しませていただきました。

CIMG9612-1▼人口2700人ほどの村なので、趣味としての芸術活動を組織ですすめるというのはなかなか大変なことと思われますが、それぞれ作品づくりに、あるいは演じるために努力されたその成果をわたしたちはたっぷりと堪能できました。生家のおもかCIMG9616-1げをしのんで造形したといわれる古民家のミニチュアなど、これはもう趣味の域を超える技でしょう。

▼方言も、歌も、踊りも、吟詠も、演ずる方々自身が楽しむとともに、みんなに楽しんでもらうところが芸術文化に祭りの字がつく催しの大切なところ。会場にはそんな祭り気分が満ちていました。村の方々の演技もたいしたものでしたし、加えて、ゲスト出演ととらえてもよいのでしょう、歌謡詩吟「白虎隊」を演じていただいた加藤明子さんの芸には、「さすが日本一」と心が熱くなりました。いつも記しますが、「人はパンのみにて生くる者に非ず(新約聖書マタイ伝より)広辞苑」。人を感動させる芸術のもつ力は、ほんと大きいものです。

CIMG9627-1CIMG9630-1

積雪2㍍越えの地にはさらなる国の税財政措置を

▼全体をみて、今冬ほぼ最大積雪深をみた後のおとといの村の様子です。

DSCF3031
村内の住家がある集落としては最南端となる菅ノ台集落は村内で最も雪が多い

 

▼積雪が2㍍50㌢を超していたでしょう菅ノ台集落では、これが何回目の雪下ろしでしょうか、こまめに屋根に上がり作業をするTさんが、この日もやはり屋根の上の人になっていました。

DSCF3030

 

 

 

 

 

DSCF3037▼横浜から大柳に移住して久しいKさんは、雪とむきあう暮らしかたをKさんなりにさとったように私にはみえます。そのさとりの一つの末でしょう、玄関までの通路はこんな具合です。むかしの村では、たいていの家への通路はこういう雪の堀上げさえなく、みんなカンジキと踏み俵で雪を踏んだ道だけでした。今は、「あんまり、きれいに、雪を片づけ過ぎる」という声をよくききます。車社会ですから通路をきれいに除雪はやむを得ないでしょうが、家のまわりだけは、雪下ろしの転落事故なども考え、最小限の雪寄せで済ませるようにしたほうがほんとうはよいのでしょう。気分ではなかなかそうはいきませんが。

DSCF3043 ▼アガベゴ飼育(日本短角種)を始めとする椿川の大規模牛舎関連施設も、施設の屋根面積全体が大きいので落雪の処理にはかなりのエネルギーを必要とします。豪雪地帯での産業振興をはかるには、とにかく雪雪雪への支援対策がいつの時代も必須の条件。観光面でも、施設園芸、水稲育苗、菌床シイタケのそれぞれのハウス維持も、果樹も、みんな豪雪への支援策がなければなりたたないともいえます。豪雪は夏期の豪雨と同じ、それだけで災害といわれるのですから。

DSCF3045

▼地方創生策では、積雪がほぼ毎年2㍍を越える超の字がつく特別豪雪(災害)地帯へのさらなる手厚い税財政確保策(交付税の寒冷補正の見直し、傾斜配分、豪雪防災起債枠拡大、税の新たな特例創設等)を是非もとめたいもの。豪雪地帯町村議長会の組織も国に要望し続けていますが、そういう現場を実感をもってとらえていただければと、新築牛舎を囲む雪風景をお届けします。積雪2㍍をこえる地方の雪除去には、さらに特別な措置が必要なのです。DSCF3047

 

 

 

 

 

▼道すがら、奥羽県境の尾根をながめました。大柳と草ノ台の間から東に入る大柳沢は、45年ほど前、国有林のブナ材搬出で谷にワイヤーロープを張り集材架線での搬出作業に明け暮れた土地。峰を越せばカゲは北の俣沢の荒倉沢。急峻な大柳沢最奥部の山小屋に寝泊まりして働き、定時制分校に通った当時を思い出しています。

DSCF3033

▼古道・仙北街道の柏峠付近から東山に連なる県境の尾根の一部をながめれば、昨年春の残雪時にそこを歩いた日々を思い出します。そして東山、いつみてもいい山ですね。
DSCF3042

 

 

DSCF3028
東山(右)

 

春を前に農地の権利移動が多い

CIMG9601-1▼10日は、農業委員会の2月総会が開かれた。

▼今春からの水稲作付けに間に合わせようとすることもあって、農地バンクがらみで村の農業法人に農地を貸し出す案件がやはり多い。来月も同じような案件が続く予定で、米づくりからいったん手を引く農家が予想したように出ている。

農機具、肥料、農薬、資材費アップに消費税引き上げがさらに追撃する中での、米価低落と所得保障政策の半減だった。田植えから収穫まで機械作業を委託している農家は、あまりの支出増と収入減に直面し、兼業収入で米作りの経費を補える限界をとっくにこえている。それがこうした貸し出し増にあらわれているのだろう。

わが家のように、かろうじて耕起から収穫、乾燥・調整まで機械作業すべてを自分でこなしている農家であっても、コンバインなどウン百万円というケタの大きな機械の更新時になったら、「これではやってゆけない」となることは、この米価では明白。

いずれ、何度ものべてきたことだが、欧米並みの農業保護策(GDP対比の国家予算措置)がとられず、ごく一部の個別事例での成果例をあげて「こうやれば日本農業は生き残れる」などという狭い次元にとどまるだけならば、国家全体の食料安全保障は危うくなることまちがいなしであろう。国の食糧安保政策は、国家全体をうごかすに値する政策でなければはじまらない。そのためには、専業農家や法人とともに、兼業農家の存在も欠かせぬ。ましてや日本ではなのである。

心配は、それにとどまらない。今のところは村でもほぼ条件のあまり悪くない農地がバンク経由で借り手にわたっているが、いずれ貸し残るのは条件のなかなかよくない水田となるのではないか。

借り側もあまり手を出したくない水田があって、その持ち主も米作りから手を引いたならば、その水田は耕作放棄に直結するということも予想としては十分に考えられる。だから、国から地方まで政策的に力をいれようとしている基盤整備、田畑転換や畑作可能な土地改良、土壌改良もふくめ農地全体をどう活かすかという政策がこれまで以上に大事となってくる。山間地での基盤整備では、規模によっては限りなく受益者負担がゼロに近い政策も準備されているようだが、これら政策の柔軟対応もさらにもとめられるだろう。

総会では、今年の農地賃借料情報も確認し合った。それは2月の村広報に載せられる予定。

CIMG9600-1▼新しい積雪がやや増した昨日は、休日晴天ということもあり、方々で屋根上の作業姿が見られた。こちらも、下屋の雪下ろしをしたり、マブ(雪庇)を落としたり、軒下にたまっていた雪を寄せたりし、今冬最大積雪深となった村内の雪状況をみながら菅ノ台まで上がった。

最強寒波の中でも春が少しずつ

CIMG9455-1▼予報で、「晴れの日はこの先しばらくなさそう」と知った後の先の休み日、「ターザンやるとこへ行きたい」と童が立ち寄り、自宅前の河川敷でいつものおつきあい。

 

CIMG9565-1▼以前からやりたいと思っていたらしく、この日初めてカンジキを履いた童は大喜び。歩き慣れないとなかなか足は前に進まないものと予想していたら、そんな心配はご無用で、どんどん雪原を歩き走る童。

 

▼先週はおだやかな天気が続き、厳冬の2月を忘れさせてくれるような
日々。その日も晴天で外気温は7℃まで上がりましたから童にとって外遊びはうってつけ。

CIMG9570-1CIMG9575-1

▼この河川敷は、ややくたびれた時の私の気分転換の所でもあり、童にとっては大きな公園みたいなものにみえる所かも。岸辺のネコヤナギも外の殻を脱ぎ始め、初春を象徴する姿かたちになっています。


CIMG9470-1
CIMG9474-1

 

CIMG9489-1 CIMG9594-1 CIMG9508-1 CIMG9497-1 CIMG9585-1 CIMG9591-1 CIMG9519-1

 

 

 

 

 

CIMG9473-1

 

 

 

▼河畔林の雪や木や蔦を相手にいつものようにふざけあい、これもいつものように湧水わきのくぼ地に緑をひろげるノゼリを摘みあい、淵の水辺では成瀬川に棲みついているらしい写真(手倉)の白鳥たちがこちらの淵にもおとずれて身繕いし残していった羽毛に喜んだり、真冬のカジカともつきあっていただきました。

むかしの童なら冬のカジカは捕るも楽しみなら食べるもお目当て。焼いてもらって脂ののった冬の珍味を家族みんなで楽しんだのですが、今の童は「冬のカジカかわいそう、川に返そう」です。

CIMG9513-1▼カジカはしばし雪と水辺で童と遊ばれた後また川へ戻され、春の野の香り漂うセリは早速食卓にのぼり七草気分をいっぱい味わいました。

 

CIMG9598-1▼こんなふうにして春の気分が長く続いたところへ昨日からの猛烈な寒気で家もフギ(吹雪)に覆われブルッブルッと寒そう。プラス7℃の世界からいっきにマイナス8℃、15℃近くの気温差をみるのですから、三寒四温、立春過ぎの2月はまだまだ油断なりません。