ひと月半前、初の全身麻酔手術

半年以上前から体の一部にある異常を感じていた。だが、ふだんの生活にはそれほど支障がなく、それに様々な公務日程やなんとしてもやらねばならぬ農作業のことなどもあり「異常」はとりあえずそのままにしておくことにした。そうこうしているうちに春を過ぎた。

ところが、その「異常」が少しずつ度を強め、圧迫感や不快感だけではなく底苦しさへと変わってきた。そこではじめて「このまま放っておいてはまずいかな」と出張帰りの翌日病院へ向かったのが6月2日。

診断は即決「手術必要、4~5日の入院で済む」と告げられた。都内や新潟から帰った直後で、後には北海道への出張予定、6月定例会もある。行事日程や農作業、所用、出張帰りで必要な一定期間のコロナ対応策を含め医師と相談、手術は「6月15日」と決まった。

手術日前の6月10日には須川高原の渓谷で遭難者捜索にも加わり、入院当日の午前には集落の代表たちが集う地区要望会議に出て、午後に入院、翌15日午前に手術となった。

手術は「全身麻酔で」と告げられていた。若い頃に左右の扁桃腺を切りとる手術を受けたことがある。この時は椅子に座ったまま喉部の部分麻酔での手術であり、これは術後の痛みがひどかった。先年、眼科で手術台に横になった時も部分麻酔で済んでいたので、記憶がすべて失われる全身麻酔ははじめてのこと。不安がないといえばウソになる。

手術は正味1時間もかからずに終わった。病院の大がかりな手術室というものに初めて歩いて入り、麻酔医のいる中で手術台に自分で上がって仰向けになった。全身麻酔というものを、当然ながらいつ麻酔状態になったかは知らぬ間にはじめて体験した。手術は手際よく行われたようで予定通りの時間で麻酔から覚め、正味3日、のべ4日間の入院で退院した。それから約半月後に通院「全快、後は診断いらず」となり今日に至っている。

こんなことを記すのには少々のためらいもあった。が、術後の「体」で動きをいちばん気をつけなければならぬ活動があった。それは遭難救助隊の任務のこと。「体調」を理解してもらうために関係される方のごく一部には退院後に「手術」のことを告げていた。医師から「しばらくは、重い物をもつことを控えよ、体に負担となることは避けるべき」といわれたためである。重い物は脇に置いても、人の命救助にかかわる責任が大きい救助隊の任務は「夏の間は参加できない」と判断し報告しておいたのだった。

この間、公務ではごく普通にはたらき、集落などの共同作業にも出ていて、農作業などもあたりまえにこなしてきた。登山程度の歩きなら今でもだいじょうぶとこちらは思っている。が、遭難救助だけは「何があるかわからない務め」なので避けることとし、その理由を理解してもらったわけである。早く、また体に何の気づかい無く従前のような動きがすべてでできるよう願っている日々である。議会事務局のみなさんにも、今回、はじめて、「手術」のことをこうして一ヶ月半も過ぎてはじめて知らせた次第である。

▼春の山菜シーズンはとっくにすぎています。それなのに村で夏になっても旬がつづく山菜はミズ(ウワバミソウ)とホギ(フキ)。

ミズは、トロトロの粘り成分もある山菜で、包丁でたたきとろろ状にする「ミズタダギ」でよく食べられます。くせがないので、ほかにも味噌汁、煮物、漬け物等々と山菜のなかではきわめて利用範囲の広い食材です。また、フキとならんで春早くから秋までと、長い期間食べることのできる山菜の代表格でもあり、山村の食卓をささえる欠かせぬ食材といえます。

わが家でも、味噌汁をはじめなんらかの料理でミズはほぼ毎日登場してくれますから、ありがたいものです。この季節、サバ缶や塩クジラで味付けした「ミズ汁」は村の伝統食で、暑さに負けぬ体力づくりにはもってこいの料理となりますよ。

バラエヂゴ熟す

俳句を詠む方々は、季節を感じとらえるのに敏な心をもたれている方が多いのでしょうが、それとは別に、幼児の時に自然と戯れる時があまりにも多かった私らガキどもは、木や草や生きものたち、とりわけ、野にある食べられるものたちの稔りの姿で季節を敏感にとらえました。

そんな子供の頃、夏の到来を強烈に感じたのはバラエヂゴ(なわしろいちご)の実。

ほかの木イチゴとちがい、生える場所をあまり選ばずどこにでもあり、実も酸味が強いものの完熟すれば案外おいしいので児たちはこのイチゴに群がりました。

ただし、このイチゴの木はほかの木イチゴとちがい地面を這うようにして伸びる特徴があります。そのため地面がいちごの葉っぱで覆われてしまい、そこにはよく見えない場所にアシナガバチの巣がよくあったもの。イチゴの実が熟す頃になると巣をまもる蜂もいっきに増え、彼らの警戒・攻撃性は最大限に強くなる時期。巣に気がつかず実をとろうとして蜂の大群にカオや頭、手足を刺された体験は多くの方がもっているでしょう。

まもなくお盆。その頃に蜂にカオを刺されると顔中が腫れて異形の人相になり、児たち同士で、カオの腫れを笑い合ったもの。それを集落では「盆つら(面)、こへぇだ(つくった)」と言いました。大人も草刈り作業などでハチに刺され「盆つら」をつくってしまうことがあり、恥ずかしくてお墓参りではカオを隠さなければならないほどで、そんな様子を可笑しがったもの。

今年は蜂の巣が比較的多し。季節便りの記憶の隅にあるバラエヂゴ-アシナガバチの痛さ-盆つら。梅雨も明けました。そういうことで「盆つら」をつくらないように気をつけねばならぬ真夏です。

健康茶3点セット

寝室の網戸に止まるアブラゼミの姿にいよいよ夏本番を実感。蒸し暑い天気が続きます。

ヤマユリが花盛りとなり、土手のオミナエシも花開く季節となりました。

妻は、きのう薬草では十薬といわれるヨガノハシ(ゲンノショウコ)を採り干しました。これでドクダミ、トリキシバ(クロモジ)とあわせてわが家の健康茶3点セットが今年もそろいました。

ほかにわが家でよく利用する薬草はオトギリソウ。これは、わが家では飲むよりも焼酎漬けにして肌に塗る治療剤として用います。いわばわが家の常備薬みたいなもの。虫刺され、湿疹、切り傷、打身などで童たちにもよく措置します。家の軒先からまわりにいっぱい生えているオトギリソウも花が咲いていて今が採り頃。ヤグルマトンボの止まっているのがそのオトギリソウです。

▼きのうは第184回秋田県都市計画審議会へ出席。由利本荘市と湯沢市の都市計画道路の変更が議案となり審議されました。

湯沢市の計画については、道の駅おがちと横堀こまちICのアクセス改善などを理由とする内容もふくまれています。

全県の町村議員研修会

県内の町村議会議員が一同に集う研修会がきのう県市町村会館でおこなわれました。

この日は午前に議会広報の研修会も開かれ、議会だより発行を担う県内町村議会の広報担当議員が出席しました。いずれも秋田県町村議会議長会主催の集いです。

広報研修会の講師は広報コンサルタントの芳野政明氏で、内容は「住民に読まれ、伝わる-議会の存在感高める-」と題する講演でした。

芳野氏は、広報編集の具体的な課題論の前に、「議会活動のそもそも」に触れました。充実した議会活動あってこその優れた「議会広報」であり、また、よりよい広報をつくる努力が「議会活動全体の充実化、活性化」につながるもの、というのがお話をお聞きしての私の感想です。活動の内容と広報づくりは一体なのだということでしょう。

議員研修会の講師は三菱総合研究所の主席研究員 チーフプロデューサーの松田智生氏で、「アフターコロナの働き方改革 逆参勤交代のススメ」と題する講演でした。

逆参勤交代とは、移住とは別に企業従業員など都市部居住者の地方での期間限定型滞在のこと。それは、地方にオフィス、住宅を整備し、地方に人の流れを向け、地方にITインフラ整備をすすめるという発想で、コロナ禍をきっかけに注目され、すでにこの考えを具体的な施策に取り入れている自治体の紹介もまじえながらの講演でした。

松田氏は講演の後半部分で、我々の社会には新たな挑戦を阻む4つの不条理症候群というものがあるとのべました。それは、1.否定語批評家症候群(出来ない理由や論理的な批判が得意な批評家が蔓延する現象)2.緩やかな衰退症候群(問題意識はあるが、緩やかな衰退で危機意識に至らない現象)3.やったもん負け症候群(挑戦者が少しの失敗で叩かれ、縮み志向になる現象)4.居酒屋弁士症候群(酒の席では雄弁だが、会議では急に沈黙する現象)以上の4つです。

このお話にはうなづく方がとりわけ多く、また会場にはひとときドッと笑いも混じりました。

研修会はもうお一人の講師(政治評論)も予定していたのですが、諸事情により急きょ出席できず取りやめとなりました。

全県規模の研修会は新型コロナ禍で中止がつづき、3年ぶりの開催でした。直前に感染第7波が連日「過去最多」、県内も「過去最多」を刻んだなかでの研修会で、開催当日、そして開催時間をむかえるまで「想定外の事がおきないように」と祈るほどの心境におかれました。感染対策にも万全を期しました。なので、私も、副会長も、事務局一同も、無事なんとか終えることができ、中止せず開催して「よかった 」と、まずはひと安堵です。

桃太郎トマトも登場

先日、村内の篤農家Aさんからトマトをいただきました。そのトマトの名は「桃太郎」。トマト栽培で村の歴史を長く担ってきた品種です。

管理にいろいろと手間がかかるとされる「桃太郎」は時代の移りかわりとともに栽培が敬遠されるようになり、今はほかの品種に換える農家が増えているようです。しかし、「桃太郎」特有の味を好む根強いファン層があり、村でもこの品種にこだわって栽培を続ける農家がおります。Aさんもそのお一人。

わが家畑のトマトはまだまだ食べられませんので、いただいたトマトを大事に大事に毎日おいしくごちそうになっています。寒暖差大きい環境でつくられる村の旬のトマトはほんとに美味いですね。

田んぼわき土手のヤマユリが3日ほど前から咲き始め、まわりに強い香りを漂わせています。農作業小屋軒先近くの土手には、キノコのタマゴタケがやはり次から次へとカオを出し続けています。ほかの土キノコたちも相変わらず多いですから、土キノコ豊作の年となるのか。

タマゴタケは、傘が鮮やかすぎるほどの紅色、そして柄の独特の縞模様、どこからみても毒きのこの代表のような姿です。でもこれは立派な食べられるキノコ。わが家隣家のむかしのおばあさん(故人)はキノコ採りを生業とする方でしたが、「このキノゴは、タマゴモダシって、言うなだ。食うにええぞ!」と教えられたことを思い出します。いかにも「毒色」のキノコですが、昔人も食べられることを知っていたのです。

タマゴタケは、ヨーロッパなどでは高級キノコ扱いで利用されるそうです。しかし、このキノコ、私が少し大げさ表現ながら「決死の覚悟」で食した感想は「いわれるほど、おいしいキノコではない」です。でも、食の好みは人様々。このキノコに向いた調理法で食卓にあがれば「高級料理」となるのかもしれません。もしかしたらこれは洋風料理にむきのキノコでしょうか。

なお、テングタケ科のキノコには、タマゴタケと類似の猛毒キノコ、毒キノコがありますから、独断で面白半分に食すことは危険です。食べるなら、鑑別ができる方によく見てもらってからにしてください。それに、私のように恐る恐る食べるなら、おいしいという食感はどこかに吹き飛んでもしまいますから、食はやめたほうがよいのかも。

▼22日は第31回暴力団壊滅秋田県民集会へ出席。大会では、暴力団排除活動功労者表彰があり、村の半田克二郎さんも受賞されました。

都道府県会長会議などで都内へ

21日の9時から全国の町村議会議長会関連の会議があり、前日の20日に都内へ向かいました。

この両日には、ダムや道路などの要望、あるいはほかの活動や会議などで県南や県内の首長さん、職員さんたちも上京していたようで、こちらの帰りには村長などわが村のみなさんと偶然同じ新幹線となりました。

会議は、豪雪地帯町村議会議長会の理事会と総会、それに町村議会の都道府県会長会、そして半蔵門にある町村議員会館の運営方針などを最終的に決める評議員会の臨時会の4つです。

会長会には、来賓として金子総務大臣が出席され、ごあいさつがありました。

総会と会長会では、令和5年度の国の予算編成に関する要望、新型コロナウィルス感染症対策及び経済対策に関する特別要望、議会の機能強化及び多様な人材が参画するための環境整備に関する重点要望などを議決しました。

21日の新型コロナウィルス感染者数が18万6246人と二日続けて最多となり、東京は初の3万人台、大阪も2万2047人といずれも最多、秋田でも、東北各県でも「最多」が報告されるなかでの会議ですから、いずこでも感染対策にはより気をゆるめずに動く2日間となりました。

県外出張では帰宅しての簡易抗原検査は今ではあたりまえ。検査キットで鼻からとった検体をひたした滴をたらして「陰性」の証が出たのでとりあえず「ホッ」で、役場に向かいます。

こんな中でも、以前のような行動制限はありませんから、3連休で全国の人々が動いたと同じで都内の人の動きはコロナ前と同じように見えました。新幹線も、平日ながら、今年の2月頃あるいは去年やおととしとはちがって、座席も極端な空きとはなっていないように見受けられます。

定宿のホテルも、2月には、朝食のバイキング方式を一時止めていたのですが、今回は薄い手袋の装着はもとめられますが、ほかはコロナ前とほぼ同じとなっていました。感染者数は「最多」状況のなかにあっても、今はおそらくどこでもそうなのでしょう。

3回目の畦草刈り終える

過ぎた18日、今年3回目の田んぼの畦草刈りを終えました。作業後には、健康茶としてドクダミやヨガノハシ(ゲンノショウコ)と混ぜて飲むトリキ(クロモジ)の枝葉を田んぼ土手から切りとって陰干しを。

田んぼの稲はやはりいつもの年より茎数が少ないままですから、わが家ではいまの時点でもう豊作とは呼べない年となりそうです。

稲の穂ができる月末にかけて、オホーツクの寒気が流れ込まないことだけを願う日々となります。

わが家庭先のアジサイの花が真っ盛りの頃となりました。この頃になると、家周りの湿地では紫色のギボウシの仲間も花をみせ、ヤマユリも開花寸前までつぼみを膨らませています。

オニヤンマの羽化も終わり、水路を上り下りする大きな姿がみられるようにもなりました。こうなれば、村も本格的な夏の季節入りです。

キノコだよりはじまる

一種間ほど前から「そろそろカオをみせる頃だな」と、キノコのタマゴモダシ(タマゴタケ)の出る地面を眺め始めましたが、そのときはキノコの姿がまだ見えませんでした。

それが、過ぎた16日の土曜日に同じ場所をのぞいたら、キノコはたちまちのうちにカオを出していて倒れる寸前まで生長しきっていました。

キノコの発生している地面はわが家裏手の農作業小屋すぐそば。20年ほど前に実生から育てたブナの木がある樹下です。

この地面はタマゴタケ菌の好きな環境らしく数年前からタマゴタケが群生するようになっています。今が発生し初めですから、今後、次から次へと「タマゴ」のような幼菌の姿が見られるはずです。

すぐそばにはツチカブリモドキの仲間でしょうか、やはりこちらもカオを出し始めました。野にはオカトラノオが花盛り、少しずつ夏キノコの顔ぶれが増える季節となりました。

92歳で野菜つくり直売所へ

92歳で現役の野菜作り、直売所でも多彩な野菜をならべて人気を集めているのは岩井川合居の佐々木助廣さん。

集落では代表的な篤農家のひとりでしたが、趣味も多彩で、御殿まりづくり、しめ縄をはじめとする稲わら細工づくりと、いろんな技に長け後輩たちへ手ほどきもしてきた佐々木さん。文化祭などでは得意の民謡もよく披露してきました。健康長寿の鑑のような方ですので、「ああいうふうにありたいもの」とみなさんの注目と尊敬を集めて久しい佐々木さんです。

▼村でもトマトの出荷がはじまっています。田子内の専業農家・小田原善喜さん(66歳)が出荷を始めているのは麗夏という品種のトマト。これからは日を追う毎に出荷の箱数が増える見込み。

寒暖差の大きい村でつくられるトマトは品質がよく「トマトなら東成瀬モノを!」と、平野部のみなさんがわざわざ買い求めにくるほどの評判です。

湯沢町のみなさんをお迎えして

きのう、新潟県湯沢町議会のみなさんが行政視察で来村されました。

ご一行は、南雲正議長さんをはじめ計9名の議員各位と、中波正志副町長、島村文男町教育長、町健康福祉部長、議会事務局長、議会事務局主幹のみなさんです。わが村へは議会総務文教常任委員会の教育行政視察目的でおとずれていただいたものでした。

南雲議長さんは現在全国町村議会議長会の会長職にあり、新潟県町村議会議長会の会長でもあります。

湯沢町は、こちらのお隣湯沢市と長く交流関係にあるとお聞きしました。今回はその交流の機会とあわせてのわが村と県内ほかの自治体への視察となったようです。

視察は、備前村長と私から歓迎のごあいさつをまず役場で申し上げ、ひきつづき村の教育行政について村教育次長から、学校経営については赤川太小学校長から説明してもらい、質疑応答の時間を過ごしました。

後に、小学校へ足をはこんでいただき授業風景や校内の様子をお昼近くまで目にとめていただきました。新型コロナ禍で他県からの視察はしばらくの間お断りしていましたので、年度初めになってお断りを解除してから議会のみなさんをお迎えするのは今回がはじめて。

そうしたこともありまして、我々の側には行き届かないところも多々あったと思われますが、なんとかみなさんの視察目的に応えようと努力したつもりですので、その点ご理解願えればと思っているところです。また村の教育次長と学校長、小学校のみなさんにはご協力大変にありがとうございました。

新型コロナの感染拡大でこの後どうなるかわかりませんが、今月末にもまた別の議会のみなさんの視察訪問を受けることにしております。