全県の町村議員研修会

県内の町村議会議員が一同に集う研修会がきのう県市町村会館でおこなわれました。

この日は午前に議会広報の研修会も開かれ、議会だより発行を担う県内町村議会の広報担当議員が出席しました。いずれも秋田県町村議会議長会主催の集いです。

広報研修会の講師は広報コンサルタントの芳野政明氏で、内容は「住民に読まれ、伝わる-議会の存在感高める-」と題する講演でした。

芳野氏は、広報編集の具体的な課題論の前に、「議会活動のそもそも」に触れました。充実した議会活動あってこその優れた「議会広報」であり、また、よりよい広報をつくる努力が「議会活動全体の充実化、活性化」につながるもの、というのがお話をお聞きしての私の感想です。活動の内容と広報づくりは一体なのだということでしょう。

議員研修会の講師は三菱総合研究所の主席研究員 チーフプロデューサーの松田智生氏で、「アフターコロナの働き方改革 逆参勤交代のススメ」と題する講演でした。

逆参勤交代とは、移住とは別に企業従業員など都市部居住者の地方での期間限定型滞在のこと。それは、地方にオフィス、住宅を整備し、地方に人の流れを向け、地方にITインフラ整備をすすめるという発想で、コロナ禍をきっかけに注目され、すでにこの考えを具体的な施策に取り入れている自治体の紹介もまじえながらの講演でした。

松田氏は講演の後半部分で、我々の社会には新たな挑戦を阻む4つの不条理症候群というものがあるとのべました。それは、1.否定語批評家症候群(出来ない理由や論理的な批判が得意な批評家が蔓延する現象)2.緩やかな衰退症候群(問題意識はあるが、緩やかな衰退で危機意識に至らない現象)3.やったもん負け症候群(挑戦者が少しの失敗で叩かれ、縮み志向になる現象)4.居酒屋弁士症候群(酒の席では雄弁だが、会議では急に沈黙する現象)以上の4つです。

このお話にはうなづく方がとりわけ多く、また会場にはひとときドッと笑いも混じりました。

研修会はもうお一人の講師(政治評論)も予定していたのですが、諸事情により急きょ出席できず取りやめとなりました。

全県規模の研修会は新型コロナ禍で中止がつづき、3年ぶりの開催でした。直前に感染第7波が連日「過去最多」、県内も「過去最多」を刻んだなかでの研修会で、開催当日、そして開催時間をむかえるまで「想定外の事がおきないように」と祈るほどの心境におかれました。感染対策にも万全を期しました。なので、私も、副会長も、事務局一同も、無事なんとか終えることができ、中止せず開催して「よかった 」と、まずはひと安堵です。