山神様からの素敵な贈り物

春から秋、そして真冬と、カメラをもって山歩きをしていると、心躍る気分でシャッターを押せる自然との出会いがよくあります。

とくに秋は、私の大好きなキノコのシーズンですから、そういう場面が一シーズンに2~3度はあります。

今年のこれまでは、キノコの仲間たちが一部の種を除けば全体としては不作だったり、マイタケのように所によって発生状況に極端なちがいのあった年でした。こちらはそのマイタケで、たまたま二本のミズナラの木でうれしい出会いがありましたが、ほかでは、例年発生する木に姿がゼロというのがほとんど。こちらが通う木では、マイタケは均せば不作の年でした。

そういうなかでも、1本のミズナラでおよそ10㌔ほどを収穫した今シーズン二度目のマイタケとのうれしい出会いを、まだ載せていませんでしたのでご紹介です。それは、先週半ば、久しぶりに訪れるお客様に「おいしい山の幸をごちそうしたい」と思って出かけた時のことです。

 

発生時期が遅かった今年でも、すでに本格的なマイタケのシーズンは終わっていて、先週は晩生のマイタケが最終盤の採り頃、食べ頃の時期。うれしい出会いのあったこのミズナラ大木は、過去何十年と通い続けている木で、マイタケが発生するのは2~3年間隔でしょうか。

ミズナラの根元下部を遠くから見ても姿が何も見えませんが、近くに寄ったらマイタケ特有の芳香が一帯に漂っていました。長く山歩きをしていますが、マイタケの香りをこんなに強く一帯に感ずるのははじめてのこと。「んっ、おかしいな?」と根元の上部に回ったら、なんとなんと大きな株があっちにもこっちにもいっぱい。

しばらくそのままゆっくりながめて、根元から株を離します。その度に、ググッ、ゴグッと音がし、手にした株からはさらに強い香りが漂います。うれしさに踊るという表現がマイタケではよく使われますが、ほんとに踊りたくなるような気分になるものです。今年は、一本の木で30㌔ものマイタケを採ったという知り合い(二人連れの山行き)たちもおり、二人で背負いきれず携帯電話で先輩に連絡し3人で背負ってきたということもあったそうです。心躍ったであろうその方たちは、どんなうれしい言葉を交わし合ったでしょうね。

私が通う山ではマイタケ不作の年でしたが、今年は9月末に続いてこれが2度目の収穫。不作の年の10㌔ですから大収穫といってもいいのかな。今シーズンは、このように2本のミズナラで10㌔ずつほどの収穫ができるという幸運を山神さまは授けてくれました。こんな年も自然にはあるのですね。

ほかに先週からきのうまで撮りだめしていたキノコたちをならべてみます。

最初は今年は不作といわれるサモダシ(ナラタケ)とカノガ(ブナハリタケ)。

 

次は誰もが知っている中華料理によく使われるキクラゲ。ブナの伐採がほとんど見られなくなっている今、自然に倒れたブナの木に発生する天然キクラゲは貴重なキノコといえます。早速「酢味噌あえ」でいただきました。

 

次は、同じ仲間のハナビラニカワタケ。これも「酢味噌あえ」でごちそうになりました。
味噌汁にしてもとてもおいしいキノコです。

次はホンシメジ。私の集落では、オオヒメジともネズミヒメジとも呼ばれるホンシメジ。今年は極端な不作であきらめていましたが、たまたまこの老菌2株とやっと出会えました。

 

 

次はクリカラモダシ(クリフウセンタケ)。これはホンシメジに勝るとも劣らないおいしいキノコです。やはり今年は不作。やっと出会えた少しの老菌です。

 

次は度々登場してきたハタケシメジ。毒キノコの代表格である同じシメジ科のクサウラベニタケも今年は極端に少なく、食毒あわせてシメジ類が大不作で、これはめずらしいことです。それなのにハタケシメジだけはなんとか例年とほぼ同じ発生量を見せています。これも自然界の不思議を感ずる現象のひとつです。ハタケシメジは、ホンシメジとともにおいしさではキノコ界の代表格。かたちも大きく、大量に収穫できて、なおかつ美味いので、我が家ではもっとも人気の高いキノコです。

 

最後は、私はわからない正体不明のキノコです。傘の大きさ10㌢ほど、柄の長さ15㌢ほどで、おいしそうな香りと形をしていました。記録のために載せておきます。